べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

長岡市立東中学校 新校舎見学(3)

2009-01-27 00:11:36 | 長岡の紹介
長岡市立東中学校の完成見学会が1月12日(土)に開かれ、多数の来場者が、新しい校舎を見学していました。

今回は「体育館」です。

体育館と校舎は、中庭を取り囲む校舎と一体になっています。
玄関ホールから入ると、教務員室等がある管理棟。その隣に体育館。さらに球戯場(卓球場)を回って、その隣の美術室、技術室がある校舎、そしてその次が玄関ホールに戻ってくるという、屋外を通らなくても、校舎を一巡できる間取りとなっています。

1階と同じように、2階も回廊式になっていて、体育館の2階のギャラリーに通じています。



「EAST」(東)は昔から東中の愛称で呼ばれていました。
たくさんの保護者に見守られながら、育っていく生徒たち。





広い体育館ですが、高さもあります。
10mはあるでしょうか・・




天井の立体トラスが屋根を支えます。
明かり窓から光が入り、体育館を明るく照らします。
上から光を入れることで、暗くなりがちな体育館を明るく演出しています。


通常、コンクリートの床や屋根を大梁で受け、柱に力を伝え、それらを桁でつなぐのですが、この建物は大梁が無く、床や屋根が「リブ付き」のスラブになっていて、それを桁で受けています。
こうすることで、大梁の分のコストが下げられる。
更に、そのスラブが回廊や屋根を形成しながら、校舎全体を一体のズラブで囲っています。
通常、この規模の建物は、いくつかの棟に分けて、構造的に独立させ、個々に構造計算を行って、それらを自由に伸縮する「エキスパンションジョイント」で結びます。
ところが、この建物の場合、全体を一体の構造としているようで、伸縮継ぎ手の部分が見当たりませんでした。

この建物全体を一体の構造として計算するには、かなりレベルの高い構造設計会社に委託しなければなりません。
デザイン性を前面に押し出すには、それなりの技術が無ければ行えないわけです。

例えば、この体育館にしても、1階、2階で区切られている3mの高さの柱があれば、屋根まで続く9mの柱があり、これが地震時は個々に揺れる訳です。
2階の揺れと屋根の揺れはタイミングが違うので、(2階よりも屋根の揺れのほうが周期が長い)それを考慮したシュミレーションを行う必要があります。(さらにトラスになっているので混構造の複雑な計算も必要)

私が通常構造計算をするのに、エクセルを駆使していますが、そんなものでは解けないわけです。(あたりまえだな・・構造計算に表計算ソフトだけで対応しているほうが変わっているかも・・普通は専用ソフトだろう・・)

そんな隠れた高度な技術に支えられて、実現した校舎なのであります。


見学(4)へ・・



もくじへ・・

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地域住宅モデル普及促進事業... | トップ | 柱材プレゼント »

コメントを投稿

長岡の紹介」カテゴリの最新記事