べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

森はいのち ~越後の森と木をいかすセミナー 講演会内容

2009-04-02 14:42:52 | CO2を25%削減
去る3月21日(土)、新潟ユニゾンプラザにて宮脇昭先生をお招きし、「森はいのち」講演会を開催しました。
今回は、講師料にて予算がほとんど無くなってしまうため、残りの飾り部分は殆どが自前の手作りです。
企画段階から、ちらし作成、配布、ステージの飾り等に自分達で考え、つくりあげてきました。
まさに、「越後にいきる会」らしい手法です。



新潟ユニゾンプラザにて開催しました




入り口部分に立看板を設置(木昌さん作)




スタッフ・ミーティング




ステージの準備
花瓶は村尾会長のもの、山の木を集めてきました




パワーポイントを使った「越後にいきる家をつくる会」の説明のリハーサル




各社のパネル展示も行いました




受付け




プレゼントの椿苗




来場者は250人!300名の席を埋め尽くします。






講演会風景


第1部は宮脇先生の講演です。
前半は地球環境問題への取り組みや、植林のやり方等の説明で、どちらかというと退屈な話なのですが、後半の植林の話になると、身を乗り出して聴き入ります。
「植林」というと、単に野山へ行って自分の背丈くらいの苗を2~3本植える程度だったり、本職としても伐採の終了した杉林に杉苗を植えるくらいで、1haあたりせいぜい2000本から3000本です。
宮脇先生の植林の仕方は、1万本以上。かなり密に植え、しかも単種類ではなく多種類です。
その地域に生える天然植生に基づいて、本来生えているべき樹種を探し出し、それをポット苗から育てていき、植林していく・・植えられた木々は、お互いが競争して伸びていき、殆ど手入れが要らず、5年、10年と上へ上へと黙々と延びて林が形成されていきます。
そういった面で、従来の「植林」の概念から見ると一種のカルチャーショックを覚えます。
不可能と言われた荒れ野に植林したり、万里の長城や熱帯雨林を永年にわたり、再生した実績は脱帽で、地元の住民や子供達が必死になって1人10本以上植えていく姿には感動します。

こうした技術。森を再生する技術が日本から発信されています。
地球温暖化防止に向けて、たくさんの人が日夜努力している。
そういった世界が家作りや山の木の利用と違った場面で展開されていて、各々が認め合っていけば、必ず目的は達成されると思います。





いままで家を建てたお客さんと村尾会長とのトークショー


第2部では「越後にいきる会」の年中行事の紹介、家づくりの理念の紹介をした後、第3部にて、実際に家を建てたお客さんの感想をお聞きする機会を、村尾会長の進行、理念を交えてのトークショーにて実現しました。
事前の打ち合わせは全くなく、その場その場で出た意見をまとめあげるという初の試みです。
我が社で建設した「旧吉田町T邸」「旧栄町T邸」のお客さんと村尾会長の設計物件のお二方、さくら住宅設計のお一人の計5名の施主さんがステージに上がって、建てた家の感想や、建てるまでの苦労話を語り、大成功に終わりました。

特に「旧吉田町」Tさんにおいては、車椅子にてステージ上に上がっていただいたのは恐縮です。
数人で車椅子ごと担ぎこまれ「怖かった」ということでした。

第一部の宮脇先生と同様、地元材で建てた家の特徴や使い勝手、居心地の良さがアピールでき、自然と共存した家造りによって温暖化防止に役立っていることが来場者の方々に伝わったと思いますが・・
それは個々の受け方、感想をお聞きすることとしましょう。
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土中梁 鉄筋

2009-04-01 15:08:45 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)

3月中旬くらいから更新が滞っています。話題はどんどん溜まる一方で、不完全燃焼に悩む近頃・・山形ツアーもまとめたいし、講演会も詳細を載せたい(これは、ようやく書けた)・・時間ができたら随時書いていこうと思っていますが、どうなるか。


今週に入って宮本町M邸のベース鉄筋工事をはじめました。
月曜、火曜と晴れたのですが、今日はあいにくの曇から雨。
冬型に逆戻りした感じで、肌寒い1日です。
まだまだ春には早いのか?もう4月だというのに・・

今年の冬は雪がまとまって降らなかった分、寒さが長期間に続くようで、昨年同様、最近の春の気候は同じような傾向にあります。
3月~4月にかけて暑い日があったと思えば、寒い日が続く・・
いつまでも「春」という感じがしない。冬は全体に小雪。
雪の無い分、山菜が芽を出していて、もう山奥へ行かないと「フキノトウ」が採れなくなっています。今年は早くに出ていたようで・・天ぷらにしてもアクが強すぎるものもありました。
雪の下で冬を越し、春に芽吹けば、旨みのある美味しいフキノトウが採れますが、ずっと表に出ていたものは、既に「化けて(ばけて)」いて、塔(とう)が咲いてしまっているものもある。
白菜にしても雪の下に貯蔵したものは適度な甘みが出てくるといいます。
長ネギの白い部分も葉が日光を当たらないように土をわざと盛って甘みのある白い部分を育てています。
天然のサイクルで(雪の下で)甘みを蓄えたフキノトウにありつけなくなったのも、小雪・・更に言えば温暖化が原因?

「あんなの食べなくてもいいよ」

って人がいても、春の旬を味わえなくなるのも残念な気がしますが・・・

などど、自然のことばかり話題になってしまいましたが・・・
本題のベース鉄筋工事です。
今回は、初めて「柱状改良」を行ったわけですが、ベース形状もそれなりに施工する必要があります。
今まで、ベース底面全ての面積で地盤に力を伝えていた形状から、柱状改良部分へ力を伝達する構造にしなければなりません。
柱状改良が何時までもつのかはわかりませんが(10年は保証してくれるらしいが・・それ以降の50年とか100年とかの長期間の場合の話です)改良部分が他の地盤沈下よりも遅いために、廻りの地盤面は早期に下がるため、ベースが浮いた状態になってしまう。
そうなってももつようにスラブを土中梁で受け、土中梁と柱状改良部分を定着させることで中空に浮いてもいいような構造にすればよい。

「土中梁」

を形成することで、柱状改良部分に適切に力をかけるようにする。
等と簡単には書いても、それを実現するには工夫が必要です。

栗石地業を1段下げているのはこのためで、下がった部分で土中梁を形成させています。
梁といっても長方形ではなく台形に近くなります。



あばら筋と土中梁の主筋(3本)を落として並べておきます




ベースの横筋を並べて、あばら筋を結んで、土中梁を形成





延々と単純作業が続く・・




ベースの際も同様に土中梁を形成
型枠の間に型枠を挟んでいるのは、
かぶり厚6センチを確保するため・・


前回、何百本も細かい鉄筋を作っていたのは、この「あばら筋」や「際筋」です。
普通の鉄筋コンクリート用の鉄筋工ではよくありがちですが、住宅の基礎でここまでとなると本格的でもあります。
この上に「高床」3階建てが建ってもおかしくないくらいの基礎になってしまう。
更に上屋だけで100年持たせ、不等沈下を起しても修正できるような基礎に頼らない構造にするわけですから・・・
増築なのに、化け物みたいな構造・・

保険屋主導になりつつある住宅産業に、ささやかな布石なのであります。
コメント (2)
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ポリシート敷き、捨てコンクリート打ち

2009-04-01 14:56:33 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)
栗石地業も終了し、次はベース鉄筋を並べる工程になりますが、鉄筋を並べる位置を出すために、捨てコンクリートを打ち込み、そこに墨を出します。
さらに、その下に、ポリシートを敷くことで、地面からの湿気をカットすることができます。
通常、捨てコンクリートを打ってからシートを敷く方法が多いようですが、それだと鉄筋を並べていくときにどうしても、こすれて切れてしまう・・・

そういう面で、先行してポリシートを敷く方法を採用しています。


栗石地業が終了した上に・・


ポリシートを敷きます



捨てコンクリートはシートのジョイント部分を押さえておいてから・・


全面、捨てコンクリートを打ち込み、コテでならします


捨てコンクリートを打った状態


鉄筋の加工風景


こうした細かい鉄筋を何百本も加工します。
何処へ使われるのか・・・


型枠も用意します


型枠を組みます。

今年は、3月も終わりと言うのに、なかなか春らしくならず、冬型に戻っては冷たい雨や雪が降ります。
外仕事が出来るときと出来ないときを切り替えながら、少しずつ基礎工事を進めると言う感じです。
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栗石地業

2009-04-01 14:38:07 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)
宮本町M邸での栗石地業の様子です。
柱状改良した部分を頂点に、石を並べ、平らな部分にも石を並べていきます。

何故、石なのか・・
新潟県中越地震の時、砕石を敷きならしただけの地業は、振動によって崩れ、コンクリートと砕石の間に空間が出来、基礎が中空に浮いた状態、又は基礎が傾いてしまう現象が起きました。
我が社の場合、昔ながらの栗石をベタ基礎の全面に敷くことで、石が個々に揺れたにしても、振動しても崩れることはなく、被害は皆無でした。
地震によって自信の持てた自慢の地業です。

ただし、石を並べるのは機械ではできないため、一個一個手で並べるしかないために時間がかかるし、それゆえに手間がかかります。
難儀をしなければ、良いもの、強いものは出来ないという信念と根性によって家をつくっています。
(楽をしたり儲けに走ったりしてはイカン!)



石を一個一個並べます。(機械では不可能です)




完了




工事写真。イメージはこんな感じです。




砕石を石の上に敷き、石と石の間に食い込ませます。




半分進みました。
機械を後退させながら、手前から推し進めていったのでした。




最後はランマー、コンパクターにて転圧し、終了です。




地業工事終了。


この後、ポリシートを敷いて、捨てコンクリートを打ちます。
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手堀り作業

2009-04-01 14:15:28 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)
宮本町M邸の掘削工事の様子です。
重機も入っていますが、ほとんど平らな面や大まかな部分を掘削するのと、残土運搬のみで、1段低く掘るのは人力です。(細かい作業は機械には不可。)

しかも、この辺りの土はスコップに餅のようにべったらとくっつく粘土なので、掘るのが大変です。



ユンボ搬入!




ユンボで掘削開始




柱状改良部分を傷つけないように、手堀りと併用




ひたすら手堀り




柱状改良をつなげるように川堀りしました




工事写真。イメージではこんな感じ



この1段低くなった理由は、後ほど説明していきます。
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地盤改良(補強)

2009-04-01 13:22:49 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)
今回は、柱状改良によって地盤補強を行います。
住宅保証機構が補強をしなければ10年保証を付けられないということで、已む無くの地盤補強ですが、実際、増改築で住宅保証機構の保証をつけるのもめずらしいことだそうです。
本来、「瑕疵担保履行法」は新築工事のみに適用され、増築には適用されません。
お客さんの
「地震にも強い建物にしてもらいたい」
という要望に応える形で、保障機構の保証をつけてしまおうというのが発端で、超長期優良住宅にしたかったのが、「増築は不可」という返答が来たため、せめて「全建連・ちきゅう住宅」の増築バージョンでもということで、今回のような形となりました。

今回の柱状改良を行っても、地盤保証は付けられません。
それは「増築」だからで、地盤保証機構で「増築の事故が多かったので、金輪際は増築は引き受けない」というのが理由です。
たった1件の地盤事故のために、多大な補償費を払い(1000万円以上)それ以降は安全をとって引き受けないという、「危なきは避ける」という体質が浮き彫りになった例です。
地盤保証はできなくとも、改良業者が太鼓判を押せるくらいの補強をしてくれということで、今回の改良工事を任せています。

あとは、上屋の強度でカバーするしかない。
もともと、私の家造りはあまり基礎に頼らないものですから・・
(石の上でもいいかも)



ドリルで地面に穴を開けます




セメントミルクと掘削した土を混ぜてかき回しています




土から出た部分をコテでならします




改良工事終了


ぽっかり無数の穴の開いた中心に、改良された面が見えています。
ここに力が有効に働くように基礎をつくっていきます。

昔の石付(いしづき)の家の場合、この上に平石を置いて、柱を立てていけばいいのですが、建築基準法上、コンクリートの基礎にアンカーボルトにて定着させなければならないことになっているので、平基礎をしてアンカーボルトにて固定する必要があります。
基礎の立ち上げがなく、床下は神社のように空間がある・・いづれ、してみたい工法です。
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