住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

甘茶

2009-05-02 21:44:20 | 露地エリア
(甘茶)

今日5月2日は八十八夜。「雑節」の一つで、24節気や72候が中国生まれであるのに対し、日本生まれの節目らしい。
立春からかぞえて八十八日目にあたる日。

不意に訪れる遅霜も降りなくなるため「八十八夜の別れ霜」また「さつき寒」といわれ、「お茶摘み」や、八十八を組み合わせると「米」という字になることから、農作業の目安にされてきたりとか、メリハリをつけて季節の変わり目を乗り切る昔、の人の知恵が詰まっているなと思う。

今日はなんだか草木に深いつながりのある日だったんだな。

という訳で載せた訳ではありませんが、本日勢いあまる猩猩を剪定し、ついでに露地エリアの一番南側にある「甘茶」の木も剪定をして、通り庭エリアに置いてある何かが入っていたビンだった一輪挿しにさしておいた。

「甘茶」は茶ノ木ではなく、紫陽花(アジサイ)の仲間。改めて読んでみると、干したこの甘茶の葉を煮出すと甘い飲み物になるらしい。それでは試しにと、一輪挿しから選定したての枝を一本引き抜いて、その葉っぱをそのまま口に含んでみた。 う~ん「甘い!」

なんだか新しい世界に目覚めた気がする。「口に含む山野草」
我家の通り庭には、剪定したあけびの蔓の他に、干すモノが増えそうだ。

甘茶(あまちゃ):、ユキノシタ科の落葉低木ヤマアジサイの変種であるアマチャ(学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergii)。山地に生え、高さ約70センチ。夏、周囲に数個の装飾花をもつ花をつける。また、その若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの。およびそれを煎じて作った飲料。ウリ科のつる性多年草であるアマチャヅルの葉または全草を使った茶も甘茶と言う事があるが、前述の「アマチャ」を使った甘茶が本来の甘茶である。

そうそう、八十八夜の「茶摘」と「甘茶」は直接関係ないことを言い忘れた。。。

武蔵鐙

2009-05-02 17:43:40 | 通り庭
(3/30 通り庭エリアの脇)

通り庭の脇にひっそり?と咲く武蔵鐙(むさしあぶみ)です。この家に来て3年目です。グロテスクでしょう?

最初は上の写真のように、表面はまむしかトカゲのような肌をして円錐型ですが、やがて表面の皮が少し開き、中を覗くとにびっしりとしかし、私は葉っぱになる!私は花茎よ!としっかり役割がわかっているかのように整然と並んでいる姿は、生命の神秘さえ感じますが、やっぱりグロい!

武蔵鐙は 浦島草 雪餅草と同じテンナンショウ(天南星)属です。他に蝮草(マムシグサ)と言う草もあり、その名の通り、マムシが鎌首を持ち上げている姿に見えるからだ付いた名前だそうです。今の若い人の言葉的には「グロカワイイ」ってとこでしょうか(言わないか・・・)。3月~5月にかけて、そのダイナミックな形の変化には飽きがきません。私の好きな山野草のひとつです。そういえば、小川エリアに雪餅草もあったが、いつのまにかなくなっちゃったな~環境が合わなかったりすると、そーと消えてゆくのも山野草なんです。

(食虫植物のような姿です。仏炎苞(※)に手を入れるとなんだかかまれそう。怖いよ~)

※仏炎苞(ぶつえんほう)
サトイモ科に特徴的な花で、棒状の花を包み込む苞が、まるで仏像の背景にある炎を型どる飾りに似ていることから、この名前がついた。

武蔵鐙 (むさしあぶみ):サトイモ科テンナンショウ属  多年草
関東地方以西の海に近いやや湿った林内に生える。葉柄は高さ15~30cm。葉柄の間から葉よりやや低い花茎をだし、仏炎苞に包まれた肉穂花序をつける。偽茎は淡緑色で直立し葉柄より短い。葉は2枚、小葉は3枚で、裏面は白い。仏炎苞は暗紫色か白緑色で隆起する白い筋がある。筒部は長さ4~7cmで、口辺部は広い耳状にはりだし、舷部は袋状に巻き込む。付属体は大きく白色の棒状。花期は3~5月。

用途なんていうのもあった。(用途:鎮痙、去痰に漢方処方、腫れ物、肩こり、リュウマチに外用、有毒)そうなんだ~