住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

壁紙

2009-07-01 14:34:30 | 建築
(各種サンプル/打ち合わせ後のテーブル)

設計の仕事をしているとカタログ類が増えます。厳選しているにも関わらず・・である。と言っても、何万何十万いやそれ以上の商品や部品の中から、その人・その土地・その家・その好み により、選び・組み合わせ・時に部品から作らなくてはならないので、仕方がないとは思っている。そして一度手に入れたカタログでも、年度が変わる度に最新版が送られてくるので、入れ替えなくてはならない。廃品回収の日が待ち遠しい・・・その上、「新商品が出ました!」とのPRの影で、気に入った商品が突然廃番になっていたり、何かを付加した事で、何かが失われてしまったり。新商品を生み出さなければならない背景には、何らかの需要があっての事であると思うし、それに対応する企業もデザイナーも大変だと思うが、何とかならないものだろうかとおもってしまう。。

写真の壁紙は、イギリスの産業革命後、もう一度中世の手仕事にかえり、生活と芸術の統一を主張し、アーツ・アンド・クラフツ運動を主導、後にアール・ヌーヴォー、ウィーン分離派等の運動にも影響を与えたとされる、ウイリアム・モリスが創設したモリス商会のもの。ノスタルジックではあるが、今も尚引き付けられる-時の流れを感じさせない魅力があった。

100年以上経っても変わらないデザインがそこにある。

=戸田晃建築設計事務所=


擬宝珠

2009-07-01 01:20:25 | 日影の庭
(6/30 沼エリアにて)

我家の日陰の庭に欠かせない山野草のひとつにこの擬宝珠(ギボウシ)がある。ガーデン好きの人にはHosta(ホスタ)の名前で知られているかも知れない。シーボルトらによってヨーロッパに紹介されて、近年ではオランダで交配され、日本でもブームになり、日本に逆輸入されたのものの総称が「ホスタ」であった。

擬宝珠は、花の形が橋の欄干のてっぺんにある、たまねぎを逆さにしたような(銅か何かで出来ている)装飾物に似ている事からついた名前といわれる。古くは江戸時代から園芸品種として存在し、また食用としても知られている。

この擬宝珠(写真)はことのほか小さい。葉っぱは2cmぐらいで、花茎は11cm足らず。背景の黒竜の花と比べても、その小ささはお解りであろう。はっきりとした種類はもう忘れました。植えたかさえもよく解らなくなってきました。我家では「苦しい時の擬宝珠ちゃん」といっているぐらい、日陰の庭にも、大きな木の根元にも使えるオールマイティーな存在。我家には解るだけで6種類ほど植えてある。
 ただし、冬は休眠して地上からは姿を消してしまうので、景色作りには困ってしまう。

擬宝珠(ギボウシ):ユリ科(APG植物分類体系ではリュウゼツラン科に入れる)の多年草、ギボウシ属(Hosta)の総称である。山間の湿地などに自生し、また花が美しく日陰でもよく育つため栽培される。花言葉は「落ち着き」「沈静」「静かな人」。

=戸田晃建築設計事務所=