GoToキャンペーンを利用して旅行に行きたい人は25%に留まっている調査結果がある。 特にこの感染拡大が進行している状況では、もっと行きたいと思う人は減少するだろうと思う。
政府は今回は東京都は対象外とする方針の様子。 日に280人を超える感染者が出ている東京都から地方へ、地方から東京都への旅行を容認することは流石に出来ないだろう。
仮に、東京都が感染源となるようなクラスターが各地で発生した場合は、政府の見切り発車するGoToキャンペーンに対する反旗が上がる事は想像するに難しくない。
ただでさえ、今現在も東京都との移動経歴がある人の感染が地方で起こっているのである。 これが、東京差別につながっている。
夜の街関連なんて言っているような場合ではないだろう。 すでに、そうした場所とは無縁の人の感染も拡大傾向にあり、この感染拡大には歯止めがかからない状態が続く。 これで、若年層からの重傷者や死亡者が出た場合には、相当な批判を浴びるのは目に見えている。
経済を上向きにすることは喫緊の課題かも知れない。 これ以上の自粛が続けば、旅館や飲食店、娯楽施設などの行楽関連の体力は尽きるかもしれない。
しかし、病院などの収益の悪化も深刻化していて、東京女子大病院の看護師などは400人を超える退職希望者が出ている状態だ。
これはこの病院だけの問題ではない。 全国的にも病院などの収益はコロナ禍で相当利益は失われているだろう。
今後、コロナが拡大傾向にある中で、病院が再びひっ迫する事態になり、さらに、4月と同じように、病院へ診療に行く人も減少する事が予想される。
病院から看護師や、医療関係者が次々と去っていったら? どうするんだろうね。
女子医大病院の発言では、補充すれば良い、なんて気楽に言っているけど、そんな病院に新規に入りたいと思うような看護師はそんなにいないだろう。
ただでさえ、コロナ感染者と接触するような病院に、望んでいきたいと思う人はいるだろうか? これまでは働いていた病院がコロナ感染者の受け入れを容認することは、仕方ないと思ってある意味では我慢して従事して来ただろう。
しかし、これからそうした病院や病棟に従事したいと思う看護師などが果たしているだろうか? 危険手当等、さらには給料の増額などでも、望んで従事したいと思う人がどれほどいるだろう。
そうなると、以前以上に病院の受け入れ態勢は悪化することになる。
GoToキャンペーンに当てる予算をこうした医療体制の充実に充当する事が、今は必要な政策だろうと思う。 旅行が出来るような裕福な、生活に余裕が有る人にばらまくような政策は今は必要ない。
まだまだ、企業や個人事業主、医療関連、保育、教育関連、福祉関連はコロナの影響で大変な状況だし、自然災害の被災地では、旅行どころか、日々の生活も正常な状態に戻るには相当な時間や費用が必要となる。
そんな中で、旅行に行けるような優雅な生活レベルの人に補助をすることが、日本にとって良い政策なのか? これが、日本の優しさなのか? 経済を立て直すのは必要だし、そうでなければ今後の日本の経済が破綻する状態になるかも知れない。
しかし、まだ、今は方向が違って居る時であると言いたい。
まだまだ、今は経済以上に、このコロナを撲滅して、人の安全と健康や安心した生活を作る事に全力をつぎ込む必要があるだろう。
将来につけを回すことは、この状況下では致し方ないと思う。 それは、今後、正常な経済活動が再開した時点から、政府や国民は未来に向かってどのようにしたら日本を立て直す術があるのかを考察し、実行する努力や行動が必要で、これは未来の子供達に対しても重大な責任だろう。
コロナを侮ってはいけない。 これは、今年になってから、このコロナによって、全ての業種、全ての経済的な状況が過去最低に追い込まれている経験からも、コロナと真剣に対峙しないと、これまで以上に痛い目にあることになる。