花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』を観劇しました。
トップスターの退団公演です。
チケット取れないかも、と
千秋楽ライブビューイングのみを覚悟しましたが、
運良く友会のチケットが当たりました。
それも8列目という良席。
みりお(明日海りお)の男役最後の舞台姿をしっかりと観てきました。
花組公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』初日舞台映像(ロング)
“青い薔薇”この世には存在しない禁断の花…。
自然界の掟に背いた罪で、闇と孤独の中に閉じ込められた“青い薔薇の精”。
過ぎ行く時の中で、彼の心に残ったものは…。
19世紀半ば、産業革命による経済の発展で空前の繁栄を誇る大英帝国。
世界初の万国博覧会が大成功を収めたロンドンでは、
科学の進歩がもたらした品々が人々の消費熱を煽り、異国からの珍しい植物が大ブームとなっていた。
ある深い霧の夜、
植物研究家のハーヴィーは、枯れ果てたウィングフィールドの屋敷の庭で”青い薔薇の精”と名乗る男と出会い、
かつてこの屋敷に住んでいたシャーロットという少女にまつわる話を知ることになる。
それは、現実に起こった事なのか、それとも…?
人々が現実だと信じている世界と目に見えない異次元の世界とを交錯させながら描く、
大人の為のほろ苦く温かなオリジナル・ミュージカル。
人間離れした美しさを漂わせる“青い薔薇の精”に挑む明日海りおが、
耽美的で幻想的な世界に誘います。
(宝塚歌劇公式HPより)
妖精に馴染みのない日本で
‘さよなら’に妖精の話ってどうなの?というのはありますが、
みりおの繊細で美しい姿をたっぷり見られるので
ある意味、かえってよかったのかもしれません。
大劇場お披露目にして老け役を演じることになったトップ娘役・はなちゃん(華 優季)、
幸せな子供時代から一転、不幸な結婚をへての行方知れず、
そして妖精の物語を書く作家として再登場、
浮き沈みのある役を頑張りました。
芝居心のある娘役さんであり、
それがトップ娘役抜擢につながったことがよくわかりました。
植物学者ハーヴィー役の2番手・れいくん(柚香 光)、
抑え気味のお芝居がとても自然でよかった。
この調子で頑張れ~。
いよいよ次公演はトップスターです。
(音程が微妙に外れがちな歌のほうも頑張って~)
気になった点をいくつか。
妖精を見た者には
大人になる前に妖精のことを忘れさせる‘忘却の粉’を振りかける、
というのが自然界の掟とされ、
それでいくと
妖精が見えるのは子供ということになるのだけど、
大人のハーヴィーにエリュ(みりお)が見えたのはどうして?
シャーロット(はなちゃん)に粉を振りかけることだけが問題となっているけど
ハーヴィーのことは問題ではないの?
(そのことに触れたシーンに私が気づいてないだけかも、ですが)
はなちゃんは
老作家として老け役のまま舞台が終わるかと思いきや
デーヴァ(自然界の女神)の魔法により若き姿に。
エリュが忘却の粉を振りかけるも
粉がまさかの期限切れにずっこけました
(ていうか、女神には忘れさせる 力はないんだね)
エリュも元の白い薔薇の精に戻り
庭にも以前のように薔薇が咲きみだれ、
都合のいい話が続く結末に少々違和感はあれど
まぁ、それが宝塚。
(シャーロットの姿はその後どうなる?が密かに気になる~)
衣装がどこまでも美しいので
それを見るだけでも私には眼福です。
やっぱり有村先生の衣装は最高だ~。
(日比谷シャンテ・「花組ステージ衣装コレクション」より)
有村先生が担当した『CASANOVA』でのみりおとはなちゃんの衣装は
シックな色使いも素敵ですが、
刺繍やレース、ボタン、細部までのこだわりが素晴らしいです。
こちらは横浜アリーナでのコンサート『恋するARENA』の衣装。
担当は有村先生ではないみたいですが、
キュートすぎて言葉がでない・・・
はなちゃんのお披露目公演でもありましたが、
可愛い衣装が着られてよかったね、はなちゃん。
花モチーフがちりばめられたこんな甘~い衣装が似合うのは
やっぱりみりおしかいません。
どちらも宝塚クオリティ全開の衣装で
なんか嬉しくなりました。
(ショー『シャルム!』の衣装は有村先生でなかったし、
気が入らなかったのか
あまり覚えていないのでスルーします。
大劇場お披露目なのにトップ娘役としてのはなちゃんの見せ場は
歌もダンスもちょこっと。
‘フルフルちゃん’という魔法少女の可愛さ押しだけで
結局実力のほどがわからずじまいでした。
エトワールを務めるくみちゃん(芽吹幸奈)は今公演で退団。
ゆうちゃん(真飛聖)時代からず~~っといてくれて、
花娘ちゃんとして、(花野)じゅりあちゃんの後の副組長として
長らく花組を盛り立ててくれてありがとう。
ヒロイン経験のあるしろきみちゃん(城妃美伶・しろきみれい)も退団。
ほか2名のおねえさん花娘たちも。
花娘ちゃんが続々と去ることになり
ほんとうに寂しい限りです。
ゆうちゃんから蘭とむさん(蘭寿とむ)へ、
そしてみりおへと受け継がれた花組は一番愛着のある組。
在任が長かったのもあるけど、
ゆうちゃんの時以上に観た公演が多いのではと思います。
とりわけ歌唱が心地よく
安心して観られるトップスターなのに
なぜかハマるまでいかなかったみりおで
観劇できたことだし
千秋楽ライブ中継は行きません。
なので、この日見たみりおが私には最後の男役姿です。
長い間花組を守ってくれて
美しい男役姿を見せ続けてくれてありがとう。
いつのまにか
こんなフォトスポットができてました。
<11月3日 日比谷・「東京宝塚劇場」&「日比谷シャンテ」にて>