すずか*ぜ便り

季節の花や風景、美味しいものなど、日々の暮らしで見つけたものを気ままに撮っています。

星組「鎌足」。

2019-05-31 | 観劇&映画のこと

 

 

 

(25日が千秋楽でしたから

今さらになりますが、

自分の覚え書きとして残します)

 

楽しみにしていた「鎌足」。

さゆちゃん(紅ゆずる)と

あーちゃん(綺咲愛里・きさきあいり)の‘プレさよなら’公演の初日に行ってきました。

(今まで‘べにちゃん’と呼んでいたけど

同期の元花組トップ娘役、

ゆうちゃん・真飛聖の相手役だった桜乃彩音ちゃんが

‘さゆちゃん’と呼んでいるので

私もそう呼ぶことにしました)。

 

数少ない星組観劇歴ながら

さゆちゃんは‘お芝居の人’、

とうすうす気づいてはいましたが、

前作の「霧深きエルベのほとり」で確信しての「鎌足」、

さゆちゃんらしく

人間味のある鎌足でした。

 

鎌足というと

中大兄皇子の懐刀的な切れ者イメージを持っていたのが、

今公演の鎌足は

どちらかと言えばヘタレ的な人物像。

でも変わりたい、世の中を変えたいと一途な志を持ち続けて

「大化の改新」へとつながります。

 

その中で鎌足と大きな関わりを持つ人物が

前半は蘇我入鹿、後半が中大兄皇子で

特に入鹿役のみつるくん(華形ひかる)が素晴らしい熱演でした。

ゆうちゃんがトップの頃の花組時代のみつるくんは

やはりお芝居の人。

専科に移動後なかなか観劇の機会がなく、

久々に会った彼女は演技にますます磨きがかかっていて、

豪族の御曹司としての品もあり

色気もあり、

まるで入鹿が主役のようでした。

 

その嬉しい驚き以上に驚いてしまったのが

みつるくんがものすごくほっそりしてしまったこと。

あの頃はやんちゃな男子的なみつるくんだったのに

最初わからないほどイメージが変わっていました。

なにがあったんだろう?

ちょっと気になりました。

 

晴れて夫婦となったさゆちゃん・鎌足と

あーちゃん・与志古(よしこ)が食卓でいちゃこらするシーンで

あーちゃんが「唐の料理人・ホンに作らせた」と発言。

まさかの次回作の主役の登場に

客席から笑いが起こりました。

 

中大兄皇子の右腕という地位も得て

隣には恋女房の与志古がいて

「幸せだ・・・」としみじみするさゆちゃん・鎌足。

 

トップスターとして充実し、

トップ娘役のあーちゃんともラブラブ、

まるで今のさゆちゃんとかぶる、

実感のこもった「幸せだ・・・」でした。

 

鎌足の幼なじみから妻となった与志古役のあーちゃん、

子供時代からヘタレの鎌足を励まし続け、

鎌足を精神的に支える芯の強い女性役、

意外に合っているのでは?と思いました。

 

舞台は蘇我入鹿と入れ替わるように

中大兄皇子と鎌足との物語へと大きく変わります。

どちらかに焦点を当てて深めた方がよかった気もしないではないけれど、

入鹿と鎌足の師・僧旻(みん)と

蘇我氏の書記官として歴史書の編纂をする

船史恵尺(ふねのふひとのえさか)を案内役にし、

まるで大河ドラマを見ているような歴史絵巻感のある舞台でした。

 

生田先生、頑張ってくれてありがとう~、と

本公演で見たかったくらいの満足感のあった舞台だったのに

宝塚関係の著作も多く

長年宝塚の評論をしているY氏のものすごい辛口評を見かけました。

 

与志古部分は必要ない、

描き方を間違った的な評論にははぁ?となりました。

 

男同士の友情や確執、苦悩などを描くのは

宝塚でない舞台でいくらでもできる。

ここは宝塚ですよ?

トップコンビのラブラブは基本じゃないですか?

ファンにとってはそこ、非常に重要です。

しかも退団が迫っているトップコンビにラブラブがなくてどうするのさ、

ファン心理がぜんぜんわかってないのか、とがっかりしました。

 

宝塚の演出家は

話の面白さに加え、トップコンビをいかに活かすか、

その両方をバランス良くまとめるのが腕の見せ所なのが

ほかと違うところ。

そこをちゃんと押さえていた「鎌足」は

多くのヅカファンには評判がよかったのでは、と思います。

 

まぁ、それはさておき。

令和と改元された直後の公演ならではの演出がありました。

大化の改新に協力した蘇我一族の一人

石川麻呂が(元号を)「大化と定める」と、

巻物をパラっとすると

そこには‘令和’の文字が。

 

菅官房長官のあの令和お披露目シーンの再現に

どっと客席が沸きました。

 

改元を迎えた時に

日本最初の元号「大化」の始まりの物語は

まさにタイムリーな舞台ではありました。

 

そうそう、

初日なのでさゆちゃんのご挨拶がありましたが、

副組長から

「鎌足が紅ゆずるか、紅ゆずるが鎌足かわからないほどの熱演」と紹介され

「鎌足役の紅ゆずるです」とさゆちゃんが言うと

客席から笑いが。

 

「なに笑ってるんですか?」と

すかさずさゆちゃん、つッこんだあと

「(言うことを)忘れちゃいました」としばし沈黙・・・

数秒待ってからのご挨拶というハプニングでした。

 

さゆちゃんのトークには定評があり

それも楽しみでしたが、

初日ということもあってか、

おとなしめのご挨拶でした。

 

そんなさゆちゃんを見られるのも

あと1作

 

全力応援の覚悟はしてますが、

チケット取れる気がしない・・・

 

 

公演のあった「日本青年館」は数年ぶり。

 リニューアルされ

感じが変わっていました。

 

(恒例の長文、すみません~



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