今日も、日本を見つめる世界の目を紹介します。
【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html
日米2プラス2、なんと中国に「国際規範の順守」を要求
日本メディアによると日米両政府は21日午前にワシントンで外務、防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開く。共同発表案の概要も14日に複数の日米消息筋が明らかにした。米軍と日本の地方自治体の災害時の連携強化を明確に打ち出しているほか、国際規範の順守と「責任ある行動」を中国に求め、これを日米の新たな共通戦略目標としている。
共同発表案は「政府全体のレベルでの両国の情報共有および関連措置が必要不可欠。民間を含む各レベルの協力も強化する」としている。これは福島第1原発事故で日本側が米軍の支援を直ちに受け入れなかったことへの反省に立ったものと思われる。
共通戦略目標の調整は07年5月以来となる。新たな目標は中国に「国際問題において責任ある行動」を期待し、軍事費の透明性向上と同時に、政策や行動における国際規範の順守を求めている。台湾に関しては、馬英九政権と大陸が良好な関係を保持していることを歓迎。台湾海峡問題の「対話を通じた平和的な解決」を呼びかけ、中国の武力行使を牽制している。(編集NA)
男女比アンバランスによる問題、各国各様
昔から、「男大当婚女大当嫁(大人になれば男は娶り、女は嫁ぐべき)」と言われている。しかし、男女の比率がアンバランスになれば、娶るのも嫁ぐのも難しくなるのは当然だ。
韓国メディア報道によると、韓国では、結婚適齢期の男性が来年から激増、「花嫁さん探し」が困難になると予想されている。結婚適齢期にある韓国人の男女比は現在1.19対1だが、来年は1.23対1に達する見通し。また、最新統計データによると、インドでは、男性人口が女性人口に比べ約4千万人多くなっている。
一方、ロシアの悩みは、「女性人口上位の国」になりつつあることだ。今年3月に実施されたロシア国勢調査の結果によると、2002年に46.6%だった男性人口の割合は今年46.3%まで低下、結婚適齢期のロシア人男性は「供給不足」となっている。この現象の背景には、かなり特殊な原因がある。第二次世界戦争中、旧ソ連の戦死者は900万人に上り、その圧倒的多数が男性だった。また、酒好きのロシア人男性が心臓病にかかる割合はかなり高く、平均寿命は女性より短い。ロシアと同様、ニュージーランドでも「男性不足」が起こっている。労働力市場のグローバル化が進んでいることから、ニュージーランドの中年・青年男性は続々と米国やオーストラリアに出て行き、結婚・出産期のニュージーランド男性が「引く手あまた」の状態がもたらされている。
男女比のアンバランス状態は、一連の社会問題を招く原因だと専門家は指摘する。まず、配偶者を見つけることがますます難しくなる。次に、従来の家庭・社会の安定が脅威にさらされ、不倫や同性愛などの歪んだ社会現象が起きやすくなる。3番目に、労働力市場のバランスも失われ、国家の経済発展に悪影響を及ぼす恐れがある。
男女比のアンバランス現象は今や、各国の関心の的となっている。ある国では、男性が“売れ残り”、別の国では女性が売れ残っている。国際結婚という選択肢は、この問題を解決するための良い方法かもしれないが、大量の混血児が誕生することで、民族国家に新たな問題をもたらす可能性が高い。各国は、胎児の性別判定技術の濫用禁止や社会保障制度の見直しなど各種措置を講じて、国民の老後の生活を保障し、「子供を老後の保障とする」という伝統的な考え方の払拭(ふっしょく)に取り組んでいる。しかし、この問題が完全に解決されるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。(編集KM)
チャイナネット
http://japanese.china.org.cn/
東日本大震災から3カ月 日系車メーカーの今
日本3大自動車メーカーのホンダ、トヨタ、日産は3月18日、日本にある工場の操業停止を発表した。このとき、ほぼ全ての日系自動車メーカーが、グローバル戦略の配置により震災後の経営を過度に心配する必要はなく、さらに部品の多くは震災前に各国・地域に発送済みだと強調し、3カ月は持ちこたえられると見られていた。東日本大震災から3カ月が経った今、日本の大手自動車メーカーの生産・販売状況はどうなっているだろうか。
地震により、日系自動車メーカーは揃って減産に乗り出し、その影響は市場にも現れた。
生産・販売台数の統計を見ると、5月の自動車販売台数トップ10社のうち、生産に余裕があった日系自動車メーカーは東風日産だけで、これまで常連だった一汽豊田と広汽本田は供給不足によりランク外となった。また、個別車種も地震の影響を大きく受けた。1月に1万台以上を売り上げた東風本田のスポーツ用多目的車(SUV)「CR-V」は5月、SUV市場のトップ5から外れ、販売台数は約5000台にとどまった。
乗用車市場でトップ10入りした日系自動車は日産「サニー」だけだった。そのほか、好調な売上げを維持していた広汽本田「オデッセイ」も多機能乗用車(MPV)市場のトップ5から外れた。
これと同時に、多くの韓国系、欧米系の自動車メーカーは、パーツの提携企業を変える動きに出ている。ロイター通信の報道によると、ヒュンダイ傘下のヒュンダイモービスは、日本の三菱自動車とスバルの2社から総額約2億3300万ドルのライトを受注したと発表した。ヒュンダイモービスが日本の自動車メーカーにパーツを供給するのは初めて。同社は早くにBMW、フォルクスワーゲン、クライスラーにライトを供給することに同意していた。
国内で売上げ大幅減が懸念され始めた6月4日、トヨタの豊田章男社長は韓国で、同社の世界での生産は11月に通常水準に回復するとの見通しを示した。
トヨタの中国法人は、中国の各完成車工場での生産は6月上旬から通常水準に順次回復すると表明。また、ホンダの中国法人も、震災による中国での自動車生産への影響は徐々に解消されていると発表した。部品の供給増加に伴い、ホンダの中国での生産は回復し、広汽本田と東風本田の生産は8月には通常レベルに回復すると見られる。
大紀元http://www.epochtimes.jp/
頻発する暴動、激しさ増す抗争手段 中国、社会対立が一層激化
6月に入ってから、中国各地で大規模な暴動が相次いでいる。1日、広東省潮州市近郊で起きた賃金不払いをめぐる傷害事件で1万人の出稼ぎ労働者が抗議活動に参加した。そして10日、広州市郊外の新塘鎮では露天商への横暴な取り締まりが発端で出稼ぎ労働者1万人が参加する暴動事件に発展した。さらに12日と13日、河南省鄭州市と湖南省長沙市で土地の強制収用に反発した農民が公務執行者と激しく衝突した。
これらの事件の起因はそれぞれ違うが、事件の主役はいずれも出稼ぎ労働者や農民など社会の貧困層に属する人たち。長年にわたり格安の労働力として中国の経済を支えてきたが、社会の最下層で不公平を強いられてきた労働者の不満がついに爆発したようだ。彼らの抗争手段は激しさを増していく一方で、政府もその制圧にたびたび軍隊を出動させ、対応はますます高圧的になっている。「社会の対立が一層激化した」と専門家は見ており、中国の官民闘争は新たな段階に入ったと言える。
出稼ぎ労働者が強いられる理不尽の数々
「殴ったのはお前らが出稼ぎの田舎もんだから!」-広州市郊外で起きた暴動事件で、取り締まりに当たった当局保安員は露天商を営む妊婦の女性を殴りながら、こう叫んだという。この暴言が同省人の出稼ぎ者らの義憤を募り、日頃から現地住民に見下されて溜まっていた屈辱感がマグマのように噴き出した。
彼らは現地社会との貧富の格差が大きく、医療、就業、住宅などいかなる保障も受けられず、「汚い、くさい、教養がない」と現地住民から軽蔑されている。戸籍がないため、子供を学校に入れるのもバイクのナンバープレートを購入するのも現地住民より高い費用を支払わされる。不満を当局に訴えても、現地社会で何の人脈もない彼らに耳を傾ける人はいない。いくら働いても、不遇を我慢しても、ピラミットの最底辺にいる運命を変えられず、彼らは社会から無視され続けている。
暴動参加者はほとんどが事件と直接関係のない人で、彼らに具体的な訴えはない。ちょっとしたきっかけで、社会への不満が彼らを暴動に駆り立て、権力の象徴である庁舎や警察車両にうっ憤をぶつける。
米中国語ニュースサイト・博訊網によると、中央政府は広州市郊外の新塘鎮の事態を重く見ており、徹底的に制圧するよう命じているという。「ほかの暴動とは性質が違う。流動人口の多い地域のため、暴動が蔓延すると、事態を制御できなくなる」とある上層部メンバーが話す。広東省には出稼ぎ労働者が2000万人いると言われている。
激しさを増す抗争手段
数年前までは、政府庁舎前で跪(ひざまず)いて問題解決を懇願する陳情活動が多く見られた。その後、焼身自殺など死をもっての抗争にヒートアップ。しかし、跪こうが自殺しようが、当局者は彼らの境遇に同情することはなかった。死んでも無駄だと悟った彼らは「命を失っても、皇帝を引きずりおろす」という考えに変わり、政府の人間を道連れにしようと爆発事件を起こしたりなど、抗争手段はエスカレートし始めている。
米紙ワシントンポストは、毎日のように起きている暴動について、これまで農村で多発していた暴動が都市部でも繰り広げられ、政府庁舎を攻撃するなど過激な行動を真似する人がこれから出てくるだろうと危惧している。英BBCによると、中国で毎年18万件の暴動が起きているという。
四川省在住の市民活動家・黄氏は一連の事件について、こう指摘した。
「市民は日頃、不満を解決するルートがなく、ちょっとしたきっかけで大きな暴動へと発展するのがすでに一つのパターンとなった。政府は高圧的な手段で今回の暴動を抑えられたが、インターネットが普及している今、市民は政府の対応にますます憎悪の念を抱くようになる。高圧的な弾圧はさらに大きな暴動を誘発するに違いない」
中国最高人民法院の張軍副院長は12日、国と社会を極端に敵視する者に対して、「死刑判決および即執行も辞さない」と語気を荒げて述べた。このヒステリックな発言はまさに当局者の不安な心情を表している。暴動に参加する人はすでに死を恐れていない。沸点に達しようとする人々の不満はもはや解消できない段階まで来ていると当局者に分かっているからだ。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
日本を模倣する韓国、中国コピー商品の非難とはあつかましい
韓国の有名商品を模倣する‘コピー王国’中国の実態を伝えるオンライン中央日報の記事(先月17日付)が日本のポータルサイトで紹介された後、日本のネットユーザーから韓国を非難する声が出ている。
韓国が日本の菓子製品をコピーした例を取り上げながら批判しているコメントが多い。 ヤフージャパン、2ちゃんねる、ライブドア、izaなど日本の主要ポータルサイトには、該当記事の下に「韓国もパクっているくせに中国を批判するのか」という内容のコメントが数百件も書き込まれた。 「中国のコピー商品を指摘するあつかましさに驚く」「泥棒が泥棒の話をする」「韓国は言う資格がない」などというコメントが続いた。 izaには「厚顔無恥こそ韓国の特性」と書かれていた。 「韓国こそが日本のものをコピーしている後進国」ということだ。
一方、駐韓日本大使館や日本貿易振興機構(JETRO)の関係者は本社を訪問し、「過去には韓国の日本の商品をコピーする例が多かったが、最近は著しく減っている。韓国も中国のコピー商品に苦しんでいるだけに、韓日両国が力を合わせて中国のコピー商品に対応できればいい」と述べた。
◇韓国産の日本菓子コピー商品、釈明は?=中国が韓国のサムスン(Samsung)「anycall」や「L0CK&LOCK」を模倣して「Samsong Amycall」や「LQCK&LQCK」を販売している。 一見で粗雑な偽物と分かる。 中国コピー商品はどこからどこまでか範囲が分からないほど広がっている。 にもかかわらず、韓国はこれを批判する資格がないというのが日本人の考えだ。 日本ネットユーザーは「セウカン、コレパプ、チョコソンイなどの韓国の菓子が日本の商品とほとんど同じだが、これをどう説明するのか」と日本製品と比較する写真を載せた。
韓国の日本菓子摸倣問題は以前から提起されてきた。 その度に国内企業は「摸倣ではなくベンチマーキングであり、単にコピーしたというには無理がある」という立場を固守してきた。 1971年に登場した農心(ノンシム)「セウカン」は日本のカルビーが64年に出した「かっぱえびせん」と装紙・形・味が似ている。 オリオンの「コレパプ」と「チョコソンイ」はそれぞれ森永の「おっとっと」、明治の「きのこの山」と似ている。 実際に味・包装も似ている。 日本のフジテレビは07年、ある情報番組で日本と韓国の菓子を集中的に比較しながら「でたらめな盗作商品」と公に非難したりもした。
オリオンの関係者は「コレパプの場合、80年代に森永の関係者がオリオン工場に派遣され、技術を提携した」とし「ただ、チョコソンイは日本の明治と提携があったかどうかは確認されていない。 しかし現在、明治との法的紛争はない」と伝えた。 コレパプは中国で「パプコレ」など名前を少し変えただけのコピー商品まで流通している。 オリオンの関係者は「業者に警告状を送る形で対応している」とし「コピー商品は味など品質自体が落ち、市場で自然淘汰されている」と伝えた。 国内菓子会社の抗弁にもかかわらず、日本では「韓国が日本の菓子をコピーした」という世論が消えていない。
◇「韓日が共同でコピー文化に対応を」=日本財務省の05-09年摸倣品輸入摘発統計によると、韓国産は05年の44.9%から07年には20.0%、09年には6.8%と大きく減っている。
駐韓日本大使館参事官は「過去には韓国もコピー商品を作る国という認識が強かったが、今はかなり変わっているのを実感した。韓国にこのようにコピー商品を強く非難する文化が定着していたことを知らなかった」と述べた。 また「中国のコピー商品を告発する記事が日本で非常に話題になった」とし、記者との面談まで求めた。 参事官は本社を訪問し、「韓国で知的財産権問題が深く論議されるということ自体が非常に新鮮だった」とし「韓国も日本とともに中国のコピー商品に積極的に対応することを望む」と話した。
現在、30余りの駐韓日系企業は知的財産権問題研究グループIPG(Intellectual Property Group)を運営し、国内で流通するコピー商品の根絶に向けて多角的な努力をしている。 消費者の被害と企業イメージの毀損を防ぐため、コピー商品を見分ける方法を記述したパンフレットを配布し、09年からは仁川空港公社の税関職員にコピーブランド区別法をテーマにセミナーも開いている。 IPGを総括している日本貿易振興機構(JETRO)ソウル事務所知的財産チームの関係者は「消費者に正規商品の品質の重要性を認識させることがコピー商品購入防止に最も効果的。玩具や文房具製品などコピー商品を使用すれば人体に有害になる製品であるほど品質を強調することが重要だ」と説明した。 JETRO知的財産チームのチョ・ゴンドン主任は「韓国・日本企業間のライセンス活性化に力を注ぐなど、韓日間の調和した共存のためにIPGが努力している」と伝えた。
【コラム】米国の独島表記の問題点(1)
私は先月20日、慶煕(キョンヒ)大学水原(スウォン)キャンパスで開催された領土問題関連シンポジウムで、尖閣諸島とクリル列島(千島列島)、独島(ドクト、日本名・竹島)問題を比較する論文を発表した。この席である討論者が米国地名委員会の独島表記に関する最近の検索結果を提示した。Takeshima、Takesima、Liancourt Rocks、Tokto、Tokdo、Dogdoなどと記載されていた。韓国政府の公式表記「Dokdo」はなかった。
振り返ると、08年7月に独島の主権国家が「韓国」から「未指定」に変わり、また「韓国」に原状復帰した事件があった。韓国政府はこれを契機に独島の外交基調を「静かな外交」から「沈着かつ断固たる外交」に変えた。あれから3年近く過ぎた。にもかかわらず、世界的な地名委員会のサイトにまだ「Dokdo」という公式表記が正しく記載されていないのだから、これをどう理解するべきだろうか。
これは尖閣諸島に対する表記とはあまりにも対照的だ。尖閣諸島の主権国家は日本で、表示された名称の7つのうち6つが「Senkaku」「Sento」などの日本の名称だった。残り一つだけが英国名称の「Pinnacle Islands」だ。中国や台湾側が主張する「釣魚島」という名称はどこにもなかった。すなわち米国地名委員会サイトは中国側の主張を完全に否認したのだ。日露間で問題になっているクリル列島(北方四島)はロシアを主権国家としながらも、四島の名称は80%以上が日本の名称だ。この3つのケースを考慮する場合、米国地名委員会が日本側に多くの点数を与えていることが分かる。
韓国政府消息筋は「長く使用してきた‘Tokdo’という英語表記を‘Dokdo’に変えた後、米国地名委員会に繰り返し変更要請をしてきたが、まだ受け入れられていない」と話した。鬱陵島(ウルルンド)の「道洞(ドドン)」も同じだ。現在「Dodong」に名称が変わったが、米国地名委員会の表記はまだ以前のままの「Todong」となっている。
しかし「Kangnam」から「Gangnam」に変わったソウル江南(カンナム)は、米国地名委員会サイトに新旧名称がともに表示されている。釜山(プサン)や金浦(キンポ)なども同じだ。
「Dokdo」という韓国の公式英語表記が米国地名委員会サイトに出てこないのは、まずはデータベース化が遅れているためと解釈できる。しかしこれだけが原因かどうかは疑わしい。尖閣諸島に対しては日本側の主張だけ聞き入れた米国地名委員会が、独島に対しては韓日双方の主張を同時に明記し、また韓国の公式名称を外している点が釈然としない。独島は行政上では小さな単位だが、韓国人の胸の中では非常に大きな存在だ。そのためか韓国人の心は「Dokdo」表記の遅延を容認できないようだ。米国が独島に対しては政治的に中立であるため、こうした姿勢の反映が地名の表記に表れたという話もあるが、政治的な判断を介入させれば客観性を失うことになる。とにかく独島の英語表記が一日も早く「Dokdo」に定着することを希望する。
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
東日本巨大地震:日本経済、V字回復か
東日本巨大地震の影響に苦しむ日本経済が近くV字回復する、との見方が専門家の間から出始めている。内閣府の外郭団体、経済企画協会は8日、民間を含む41の研究機関やエコノミストの成長率予測をまとめた6月の「ESPフォーキャスト調査」を発表した。それによると四半期ごとの成長率予測では、4-6月期はマイナス2.97%と大幅なマイナス成長が予測されるが、7-9月期は4.04%と大幅なプラス成長に転じ、10-12月期は5.24%と成長はさらに加速するとしている。ゴールドマン・サックスも今後の日本経済の見通しについて「4-6月期には底を打つ」と予測している。
震災前の予想では10月以降、景気不振から抜け出すとの見方が大勢を占めていた。しかし上記の予想では、震災が逆に経済回復を後押しする形になるということだ。
■日本経済はV字回復するとの見方が大勢
日本政府は今月8日、1-3月期の成長率がマイナス3.5%(前期比、年率換算)を記録したと発表した。昨年10-12月期のマイナス3.0%に続く2期連続のマイナスだ。しかしこれはむしろ前向きに解釈された。今年5月の時点で日本政府はマイナス3.7%を予想していたが、実際はそれほど悪化していなかったからだ。
LG経済研究院のイ・ジピョン研究員は「産業生産の増減率を見ると、今年3月にはマイナス15.5%だったが、4月には1.0%とプラスに転じた。このことから産業生産は3月にはすでに底を打っていたことが分かる。そのため成長率も4-6月期には底を打ちそうだ」と述べた。トヨタ自動車は震災の影響で、2011年度の純利益を前年比で31%のマイナスと予想している。しかし地震直後に10月と予想していた生産回復の時期が、実際は6月ですでに通常の90%にまで達していたため、回復のペースは予想以上に順調なことが分かった。
■電力不足がカギに
あくまで少数の意見ではあるが、電力不足やサプライチェーンの崩壊による長期の停滞を心配する声も根強い。複数のエコノミストが日本経済回復の障害として指摘するのは、電力不足と円高だ。日本国内で稼働する54基の原発のうち、震災による直接・間接の影響で現在は30基以上が稼働を中断している。東京電力は発電所全体の27.5%、東北電力は26.3%が被害を受けた。そのため日本では、これまで停止していた火力発電所の再稼働を進めており、また火力発電の中でも液化天然ガス(LNG)を燃料とする発電所を新たに建設するなど、電力難の克服に向け全力を挙げている。しかし電力需要がピークに達する7月と8月は7%から10%程度の電力不足が見込まれており、電力不足が深刻化すれば、生産回復の足かせになるのは間違いない。そのためドイツ銀行などは「7-9月期以降もV字回復とまでは行かず、ゆっくりとした回復にとどまる」と予想している。
短期的には回復が見込めても、長期的の見通しはやはり暗いとの見方もある。早稲田大学の野口悠紀雄教授は「震災からの復興投資で一時的には成長に転じたとしても、日本経済全体が震災以前の水準にまで回復するにはなお多くの時間が必要だ」と主張する。しかしLG経済研究院のイ・ジピョン研究員は「円高はG7各国が協力すれば阻止することができるし、電力不足も徐々に解消されてきており、どちらかといえば楽観的な見方の方が優勢だ」と述べた。
【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/
元原発検査員、内部文書公表でずさんな実態を告発
原子力安全基盤機構(JNES)で原子力発電所の検査を担当していた藤原節男氏(62)は、内部文書を公表し、当局による検査のずさんさを訴えている。
藤原氏がJNESに安全管理の甘さを批判し始めたのは2009年7月。同年中に原子力安全・保安院 (NISA)にも訴えた。その後10年3月にJNES退職に追い込まれたという。
Courtesy of Setsuo Fujiwara
藤原節男氏と妻の修子さん
藤原氏は10年8月、JNESに復職を求める裁判を東京地方裁判所に起こした。JNESは裁判所への提出書類で、辞めてもらった理由は勤務成績の問題だとしている。JNESの広報担当者はコメントを控えた。これに対し藤原氏は、不当な退職に追い込まれたのは内部告発をしたためだとしている。
同氏は訴訟で、検査の問題を記録した「トラブル・クレーム対応の記録」という内部資料だとする書類を提出している。
この資料のなかには、たとえば、原子炉の検査過程において、起こった様々な問題が記録されている。藤原氏によると、この記録はトラブルに直接関わった検査員や記録を担当する部内の別のメンバーが記入し、JNESが問題を把握するために使っていた。また、別の提出書類には、ある原子炉の検査結果報告をめぐって藤原氏と上司がやりとりした電子メールの記録も含まれる。
JNESは、訴訟でこれらの資料の真偽にはコメントしていないが、藤原氏が内部機密文書を不適切に開示したと批判している。
トラブル・クレーム対応の記録には、3月の福島第1原発の事故に直接関係する項目はなく、他の原発での大きな事故につながるようなトラブルも記載されていない。ただ、検査員の不足や、一部の面で国際基準に満たない記録管理など、さまざまな面でのずさんさがうかがえる。
内部資料によると、たとえば、島根県での新たな原子炉冷却装置建設では、資格の有効期限が切れた溶接士を従事させていた。また、ある原子炉の稼働前の検査では、2人で行うべき検査を1人で行っていた。
NISAの当局者によると、内部告発制度を使って規制当局を正式に訴えたのは藤原氏が初めて。他の告発の対象は、電力会社やメーカーだという。
藤原氏は、記録に残されたトラブルやクレームに対するJNESの対応を批判した。内部でミーティングをし、エクセルで作成した記録には短いコメントを書くだけだからだ。本来なら、公式の不適合報告書を作成し、問題の綿密な分析や再発防止策を明記すべきだという。
03年の設立以来、JNESはこうした報告書をわずか2通しか提出していない。法律ではこうした報告書の提出は義務づけられてはいないが、国際原子力機関(IAEA)は奨励している。
藤原氏はインタビューで、「わたしはたまたま定年間際で、わたしに対する被害はなにもない。だからばかなドン・キホーテになっても、告発すべきだと思った」と語った。
告発に踏み切ったきっかけは、ある原発の検査で好ましくない検査結果の隠蔽(いんぺい)と感じられる行為を目撃したことだ。09年3月、北海道電力泊原で新規の原子炉の検査を担当したとき、冷却水の検査で水温が上昇していた。JNESが提出した裁判書類と、藤原氏の訴えを受けたNISAの声明で、水温上昇が当初は記載されなかった事実が確認されている。
同氏によると、再検査で良好な結果が出たことから、上司は初回検査の結果を報告書に記載しないよう命じた。JNESとNISAはこの事実も認めている。
同氏が初回検査の記録を残すように抗議すると、上司は勤務評定を悪くすると脅したという。JNESはこの上司に対する取材を認めず、現在も在職しているかどうか確認することも控えた。
藤原氏の訴訟やJNES、NISAの提出文書によると、JNESは抗議を受けて初回検査の結果を記録に残した。ただ、同氏は上司の非を認めるよう求めたが、JNESは応じなった。
大阪大学の宮崎慶次名誉教授は、「検査結果がプラスになるには、それなりに明確な理由が必ずあるはずだ。それをそのような結果がなかったとするような行為は、技術者としては絶対にしてはいけないこと」だと指摘。事の背景は詳しくは知らないとしながらも、記録の記入を求めた藤原氏の主張は「まったく正しい」と述べた。
北海道電力の広報担当者はコメントを控えた。
【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com
インタビュー: 民主の「官僚排除」は間違い=石原東京都知事
東京都の石原慎太郎知事はロイターのインタビューに応じ、民主党連立政権による復興への取り組み姿勢を厳しく批判した。石原知事は、民主党のアイデンティティーは官僚排除だとし、その結果、行政が機能しなくなっていると指摘、「官僚に使われるのではなく、使いこなさなければいけない」と語った。
電力政策については「経産省と政治家、東電が結託して進めてきた」と語り、電力の自由化の流れの中で、地方自治体も発電ビジネスに参入できると指摘。東京への一極集中が進みすぎているとの見方を示し、分散化を図る必要があるとの考えも明らかにした。
インタビューは10日に実施した。主な内容は以下のとおり。
――政府の復興への取り組みをどう評価しているか
「ナポレオンが『真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である』という言葉を残している。今、まさに政府は『無能な味方』なってしまっている。情報は錯そうして中枢に集まらない。システマティックな情報管理ができていない。官僚をまったく使いこなしていない。官僚はお呼びじゃないからみんなそっぽを向いてしまっている」
――なぜそのようになっているのか
「財政破綻の問題も含めて日本をダメにしたのは、国家の官僚だ。その官僚の言いなりになったのは自民党の責任だ。その政権に愛想を尽かして私は国会議員を辞めたが、その次に出てきた民主党政権が何を旗印にしたのかと言えば、『官僚を使わない』だった。私と同じ歴史認識を一定程度は持っていたんだろう。しかし、そのやり方が間違っている。それだけが一つのアイデンティティーになってしまって、官僚はダメだ、けしからんという強烈な思い込みに囚われている。官僚を動かす政治家がいなくなってしまった。復旧・復興も役所が動かなかいから進まない」
「官僚には経験や知識はある。ないのは発想力だ。その官僚を一切使わないのは、非常に乱暴で、稚拙。恐ろしい話だ。行政というのは、官僚を使うことで動いてくる。自民党のように、官僚に使われてはいけないが、使いこなさないといけない。例えば、大きな問題があるにせよ、事務次官会議は非常に象徴的で大事な会議だ。復旧・復興に向けて各省庁に横串を刺すことができるのが事務次官会議だ。官僚のアイデンティティを持たせないと、官僚は動かない。省庁をまたいで横串を刺せる政治家はほとんどいないのが現状だ」
――震災後、日本の課題は何か
「先日、EUの新しい大使があいさつに来た。災害を踏まえて新しい連帯感をもう一度結び直して、復活しないといけないのではないかと話していった。まさにその通りだ。日本が変わって、少し違う日本、確かな日本になっていくためには、この災害をどのようなかたちで克服しなければならないのか考えないといけない。しかし、それを主導し、引っ張っていく力が政治家にない。言葉がないからアイデアが出てこない。言葉がものすごく貧しくなってしまっている」
――経済的にはどんな施策が必要か
「消費税を上げないといけない。こんなに安い消費税で過ごしている先進国はない。今回だってせいぜい10%の引き上げだ。なぜ欧州並みに20%や25%にしないのか。高福祉・低負担などという政策は続かない。この国債残高では、日本がもし欧州の一国だったとしてEUに入ろうとしても入れてくれないでしょう。入っていたとしたらユーロを使わないでくれと言われてしまう」
「世界の中で国家財政の公会計を単式簿記で行っている先進国は日本だけだ。どの国も複式簿記発生主義会計を導入している。正確な財務諸表が出てこないから、官僚が勝手なことする。与党幹部によれば、政府には隠し金はある。それをちゃんと吐き出させなければいけない。法律的に追及するためには、会計制度を変えてきちんとした財務諸表を作らなければ無理だ。こんな状態をなぜ続けているのか。結局、財務省が一番偉くて、自分の権限を守るために続けている」
――天然ガス発電所の建設計画を打ち出したが
「天然ガス発電所は割と安価に建設できる。東京湾の埋め立て地に作れば土地の収用費も掛からないので、2基や3基作ったらいいんじゃないかと考えている。アセスメントも入れて着工して7年くらいで完成するので早くやったらいい。東京がやるなら資金調達を手伝いたいと言っている海外ファンドは沢山ある」
――電力行政の問題は
「電力行政は、経産省と政治家、東電が結託して進めてきた。それが電力の自由化、民営化の時代になってきた。個人の住宅が屋根に付けるソーラー発電だって自家発電なのだから、余力がある地方自治体も同じように進めたらいい。電力は必ず売れる商品だ。豊富な電力が供給され、可能性のある地域だったら必ずまた新しい産業も起こってくるだろう」
――今後の東京のあり方はどうなるか
「東京はいささかものごとが集中してしまっている。これは国家としては良くない。もっと分散しないといけない。23区ほど世界で最も地下鉄の駅が止まる地域はない。神奈川や埼玉、千葉などから人が来て昼間人口は400万人増える。これはあまり健全ではない。東京からも神奈川や埼玉、千葉などに行く人がいた方が健全だ。しかも、その人々たちの使っている交通や水などのライフラインは東京が費用を持っている」
――菅首相が退陣する見通しの中で大連立の話も出ている
「大連立ができれば、再軍備、憲法改正、税制改正をやるべきだ。みんなが怖がってタブーになり、できていない課題だ。自民主体の大連立は近い将来したらいい。その方が手っ取り早く物事が進む。自民党は党の沽券(こけん)があるから今の時点では乗り気じゃないのだろう。2年先の総選挙で民主党を大敗させようとしているのに、それで『よくやった』という評価を得てしまうわけにはいかない。そう簡単には一緒には舟に乗れないんでしょう」
(ロイターニュース 布施太郎;編集 北松克朗)
【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html
日米2プラス2、なんと中国に「国際規範の順守」を要求
日本メディアによると日米両政府は21日午前にワシントンで外務、防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開く。共同発表案の概要も14日に複数の日米消息筋が明らかにした。米軍と日本の地方自治体の災害時の連携強化を明確に打ち出しているほか、国際規範の順守と「責任ある行動」を中国に求め、これを日米の新たな共通戦略目標としている。
共同発表案は「政府全体のレベルでの両国の情報共有および関連措置が必要不可欠。民間を含む各レベルの協力も強化する」としている。これは福島第1原発事故で日本側が米軍の支援を直ちに受け入れなかったことへの反省に立ったものと思われる。
共通戦略目標の調整は07年5月以来となる。新たな目標は中国に「国際問題において責任ある行動」を期待し、軍事費の透明性向上と同時に、政策や行動における国際規範の順守を求めている。台湾に関しては、馬英九政権と大陸が良好な関係を保持していることを歓迎。台湾海峡問題の「対話を通じた平和的な解決」を呼びかけ、中国の武力行使を牽制している。(編集NA)
男女比アンバランスによる問題、各国各様
昔から、「男大当婚女大当嫁(大人になれば男は娶り、女は嫁ぐべき)」と言われている。しかし、男女の比率がアンバランスになれば、娶るのも嫁ぐのも難しくなるのは当然だ。
韓国メディア報道によると、韓国では、結婚適齢期の男性が来年から激増、「花嫁さん探し」が困難になると予想されている。結婚適齢期にある韓国人の男女比は現在1.19対1だが、来年は1.23対1に達する見通し。また、最新統計データによると、インドでは、男性人口が女性人口に比べ約4千万人多くなっている。
一方、ロシアの悩みは、「女性人口上位の国」になりつつあることだ。今年3月に実施されたロシア国勢調査の結果によると、2002年に46.6%だった男性人口の割合は今年46.3%まで低下、結婚適齢期のロシア人男性は「供給不足」となっている。この現象の背景には、かなり特殊な原因がある。第二次世界戦争中、旧ソ連の戦死者は900万人に上り、その圧倒的多数が男性だった。また、酒好きのロシア人男性が心臓病にかかる割合はかなり高く、平均寿命は女性より短い。ロシアと同様、ニュージーランドでも「男性不足」が起こっている。労働力市場のグローバル化が進んでいることから、ニュージーランドの中年・青年男性は続々と米国やオーストラリアに出て行き、結婚・出産期のニュージーランド男性が「引く手あまた」の状態がもたらされている。
男女比のアンバランス状態は、一連の社会問題を招く原因だと専門家は指摘する。まず、配偶者を見つけることがますます難しくなる。次に、従来の家庭・社会の安定が脅威にさらされ、不倫や同性愛などの歪んだ社会現象が起きやすくなる。3番目に、労働力市場のバランスも失われ、国家の経済発展に悪影響を及ぼす恐れがある。
男女比のアンバランス現象は今や、各国の関心の的となっている。ある国では、男性が“売れ残り”、別の国では女性が売れ残っている。国際結婚という選択肢は、この問題を解決するための良い方法かもしれないが、大量の混血児が誕生することで、民族国家に新たな問題をもたらす可能性が高い。各国は、胎児の性別判定技術の濫用禁止や社会保障制度の見直しなど各種措置を講じて、国民の老後の生活を保障し、「子供を老後の保障とする」という伝統的な考え方の払拭(ふっしょく)に取り組んでいる。しかし、この問題が完全に解決されるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。(編集KM)
チャイナネット
http://japanese.china.org.cn/
東日本大震災から3カ月 日系車メーカーの今
日本3大自動車メーカーのホンダ、トヨタ、日産は3月18日、日本にある工場の操業停止を発表した。このとき、ほぼ全ての日系自動車メーカーが、グローバル戦略の配置により震災後の経営を過度に心配する必要はなく、さらに部品の多くは震災前に各国・地域に発送済みだと強調し、3カ月は持ちこたえられると見られていた。東日本大震災から3カ月が経った今、日本の大手自動車メーカーの生産・販売状況はどうなっているだろうか。
地震により、日系自動車メーカーは揃って減産に乗り出し、その影響は市場にも現れた。
生産・販売台数の統計を見ると、5月の自動車販売台数トップ10社のうち、生産に余裕があった日系自動車メーカーは東風日産だけで、これまで常連だった一汽豊田と広汽本田は供給不足によりランク外となった。また、個別車種も地震の影響を大きく受けた。1月に1万台以上を売り上げた東風本田のスポーツ用多目的車(SUV)「CR-V」は5月、SUV市場のトップ5から外れ、販売台数は約5000台にとどまった。
乗用車市場でトップ10入りした日系自動車は日産「サニー」だけだった。そのほか、好調な売上げを維持していた広汽本田「オデッセイ」も多機能乗用車(MPV)市場のトップ5から外れた。
これと同時に、多くの韓国系、欧米系の自動車メーカーは、パーツの提携企業を変える動きに出ている。ロイター通信の報道によると、ヒュンダイ傘下のヒュンダイモービスは、日本の三菱自動車とスバルの2社から総額約2億3300万ドルのライトを受注したと発表した。ヒュンダイモービスが日本の自動車メーカーにパーツを供給するのは初めて。同社は早くにBMW、フォルクスワーゲン、クライスラーにライトを供給することに同意していた。
国内で売上げ大幅減が懸念され始めた6月4日、トヨタの豊田章男社長は韓国で、同社の世界での生産は11月に通常水準に回復するとの見通しを示した。
トヨタの中国法人は、中国の各完成車工場での生産は6月上旬から通常水準に順次回復すると表明。また、ホンダの中国法人も、震災による中国での自動車生産への影響は徐々に解消されていると発表した。部品の供給増加に伴い、ホンダの中国での生産は回復し、広汽本田と東風本田の生産は8月には通常レベルに回復すると見られる。
大紀元http://www.epochtimes.jp/
頻発する暴動、激しさ増す抗争手段 中国、社会対立が一層激化
6月に入ってから、中国各地で大規模な暴動が相次いでいる。1日、広東省潮州市近郊で起きた賃金不払いをめぐる傷害事件で1万人の出稼ぎ労働者が抗議活動に参加した。そして10日、広州市郊外の新塘鎮では露天商への横暴な取り締まりが発端で出稼ぎ労働者1万人が参加する暴動事件に発展した。さらに12日と13日、河南省鄭州市と湖南省長沙市で土地の強制収用に反発した農民が公務執行者と激しく衝突した。
これらの事件の起因はそれぞれ違うが、事件の主役はいずれも出稼ぎ労働者や農民など社会の貧困層に属する人たち。長年にわたり格安の労働力として中国の経済を支えてきたが、社会の最下層で不公平を強いられてきた労働者の不満がついに爆発したようだ。彼らの抗争手段は激しさを増していく一方で、政府もその制圧にたびたび軍隊を出動させ、対応はますます高圧的になっている。「社会の対立が一層激化した」と専門家は見ており、中国の官民闘争は新たな段階に入ったと言える。
出稼ぎ労働者が強いられる理不尽の数々
「殴ったのはお前らが出稼ぎの田舎もんだから!」-広州市郊外で起きた暴動事件で、取り締まりに当たった当局保安員は露天商を営む妊婦の女性を殴りながら、こう叫んだという。この暴言が同省人の出稼ぎ者らの義憤を募り、日頃から現地住民に見下されて溜まっていた屈辱感がマグマのように噴き出した。
彼らは現地社会との貧富の格差が大きく、医療、就業、住宅などいかなる保障も受けられず、「汚い、くさい、教養がない」と現地住民から軽蔑されている。戸籍がないため、子供を学校に入れるのもバイクのナンバープレートを購入するのも現地住民より高い費用を支払わされる。不満を当局に訴えても、現地社会で何の人脈もない彼らに耳を傾ける人はいない。いくら働いても、不遇を我慢しても、ピラミットの最底辺にいる運命を変えられず、彼らは社会から無視され続けている。
暴動参加者はほとんどが事件と直接関係のない人で、彼らに具体的な訴えはない。ちょっとしたきっかけで、社会への不満が彼らを暴動に駆り立て、権力の象徴である庁舎や警察車両にうっ憤をぶつける。
米中国語ニュースサイト・博訊網によると、中央政府は広州市郊外の新塘鎮の事態を重く見ており、徹底的に制圧するよう命じているという。「ほかの暴動とは性質が違う。流動人口の多い地域のため、暴動が蔓延すると、事態を制御できなくなる」とある上層部メンバーが話す。広東省には出稼ぎ労働者が2000万人いると言われている。
激しさを増す抗争手段
数年前までは、政府庁舎前で跪(ひざまず)いて問題解決を懇願する陳情活動が多く見られた。その後、焼身自殺など死をもっての抗争にヒートアップ。しかし、跪こうが自殺しようが、当局者は彼らの境遇に同情することはなかった。死んでも無駄だと悟った彼らは「命を失っても、皇帝を引きずりおろす」という考えに変わり、政府の人間を道連れにしようと爆発事件を起こしたりなど、抗争手段はエスカレートし始めている。
米紙ワシントンポストは、毎日のように起きている暴動について、これまで農村で多発していた暴動が都市部でも繰り広げられ、政府庁舎を攻撃するなど過激な行動を真似する人がこれから出てくるだろうと危惧している。英BBCによると、中国で毎年18万件の暴動が起きているという。
四川省在住の市民活動家・黄氏は一連の事件について、こう指摘した。
「市民は日頃、不満を解決するルートがなく、ちょっとしたきっかけで大きな暴動へと発展するのがすでに一つのパターンとなった。政府は高圧的な手段で今回の暴動を抑えられたが、インターネットが普及している今、市民は政府の対応にますます憎悪の念を抱くようになる。高圧的な弾圧はさらに大きな暴動を誘発するに違いない」
中国最高人民法院の張軍副院長は12日、国と社会を極端に敵視する者に対して、「死刑判決および即執行も辞さない」と語気を荒げて述べた。このヒステリックな発言はまさに当局者の不安な心情を表している。暴動に参加する人はすでに死を恐れていない。沸点に達しようとする人々の不満はもはや解消できない段階まで来ていると当局者に分かっているからだ。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
日本を模倣する韓国、中国コピー商品の非難とはあつかましい
韓国の有名商品を模倣する‘コピー王国’中国の実態を伝えるオンライン中央日報の記事(先月17日付)が日本のポータルサイトで紹介された後、日本のネットユーザーから韓国を非難する声が出ている。
韓国が日本の菓子製品をコピーした例を取り上げながら批判しているコメントが多い。 ヤフージャパン、2ちゃんねる、ライブドア、izaなど日本の主要ポータルサイトには、該当記事の下に「韓国もパクっているくせに中国を批判するのか」という内容のコメントが数百件も書き込まれた。 「中国のコピー商品を指摘するあつかましさに驚く」「泥棒が泥棒の話をする」「韓国は言う資格がない」などというコメントが続いた。 izaには「厚顔無恥こそ韓国の特性」と書かれていた。 「韓国こそが日本のものをコピーしている後進国」ということだ。
一方、駐韓日本大使館や日本貿易振興機構(JETRO)の関係者は本社を訪問し、「過去には韓国の日本の商品をコピーする例が多かったが、最近は著しく減っている。韓国も中国のコピー商品に苦しんでいるだけに、韓日両国が力を合わせて中国のコピー商品に対応できればいい」と述べた。
◇韓国産の日本菓子コピー商品、釈明は?=中国が韓国のサムスン(Samsung)「anycall」や「L0CK&LOCK」を模倣して「Samsong Amycall」や「LQCK&LQCK」を販売している。 一見で粗雑な偽物と分かる。 中国コピー商品はどこからどこまでか範囲が分からないほど広がっている。 にもかかわらず、韓国はこれを批判する資格がないというのが日本人の考えだ。 日本ネットユーザーは「セウカン、コレパプ、チョコソンイなどの韓国の菓子が日本の商品とほとんど同じだが、これをどう説明するのか」と日本製品と比較する写真を載せた。
韓国の日本菓子摸倣問題は以前から提起されてきた。 その度に国内企業は「摸倣ではなくベンチマーキングであり、単にコピーしたというには無理がある」という立場を固守してきた。 1971年に登場した農心(ノンシム)「セウカン」は日本のカルビーが64年に出した「かっぱえびせん」と装紙・形・味が似ている。 オリオンの「コレパプ」と「チョコソンイ」はそれぞれ森永の「おっとっと」、明治の「きのこの山」と似ている。 実際に味・包装も似ている。 日本のフジテレビは07年、ある情報番組で日本と韓国の菓子を集中的に比較しながら「でたらめな盗作商品」と公に非難したりもした。
オリオンの関係者は「コレパプの場合、80年代に森永の関係者がオリオン工場に派遣され、技術を提携した」とし「ただ、チョコソンイは日本の明治と提携があったかどうかは確認されていない。 しかし現在、明治との法的紛争はない」と伝えた。 コレパプは中国で「パプコレ」など名前を少し変えただけのコピー商品まで流通している。 オリオンの関係者は「業者に警告状を送る形で対応している」とし「コピー商品は味など品質自体が落ち、市場で自然淘汰されている」と伝えた。 国内菓子会社の抗弁にもかかわらず、日本では「韓国が日本の菓子をコピーした」という世論が消えていない。
◇「韓日が共同でコピー文化に対応を」=日本財務省の05-09年摸倣品輸入摘発統計によると、韓国産は05年の44.9%から07年には20.0%、09年には6.8%と大きく減っている。
駐韓日本大使館参事官は「過去には韓国もコピー商品を作る国という認識が強かったが、今はかなり変わっているのを実感した。韓国にこのようにコピー商品を強く非難する文化が定着していたことを知らなかった」と述べた。 また「中国のコピー商品を告発する記事が日本で非常に話題になった」とし、記者との面談まで求めた。 参事官は本社を訪問し、「韓国で知的財産権問題が深く論議されるということ自体が非常に新鮮だった」とし「韓国も日本とともに中国のコピー商品に積極的に対応することを望む」と話した。
現在、30余りの駐韓日系企業は知的財産権問題研究グループIPG(Intellectual Property Group)を運営し、国内で流通するコピー商品の根絶に向けて多角的な努力をしている。 消費者の被害と企業イメージの毀損を防ぐため、コピー商品を見分ける方法を記述したパンフレットを配布し、09年からは仁川空港公社の税関職員にコピーブランド区別法をテーマにセミナーも開いている。 IPGを総括している日本貿易振興機構(JETRO)ソウル事務所知的財産チームの関係者は「消費者に正規商品の品質の重要性を認識させることがコピー商品購入防止に最も効果的。玩具や文房具製品などコピー商品を使用すれば人体に有害になる製品であるほど品質を強調することが重要だ」と説明した。 JETRO知的財産チームのチョ・ゴンドン主任は「韓国・日本企業間のライセンス活性化に力を注ぐなど、韓日間の調和した共存のためにIPGが努力している」と伝えた。
【コラム】米国の独島表記の問題点(1)
私は先月20日、慶煕(キョンヒ)大学水原(スウォン)キャンパスで開催された領土問題関連シンポジウムで、尖閣諸島とクリル列島(千島列島)、独島(ドクト、日本名・竹島)問題を比較する論文を発表した。この席である討論者が米国地名委員会の独島表記に関する最近の検索結果を提示した。Takeshima、Takesima、Liancourt Rocks、Tokto、Tokdo、Dogdoなどと記載されていた。韓国政府の公式表記「Dokdo」はなかった。
振り返ると、08年7月に独島の主権国家が「韓国」から「未指定」に変わり、また「韓国」に原状復帰した事件があった。韓国政府はこれを契機に独島の外交基調を「静かな外交」から「沈着かつ断固たる外交」に変えた。あれから3年近く過ぎた。にもかかわらず、世界的な地名委員会のサイトにまだ「Dokdo」という公式表記が正しく記載されていないのだから、これをどう理解するべきだろうか。
これは尖閣諸島に対する表記とはあまりにも対照的だ。尖閣諸島の主権国家は日本で、表示された名称の7つのうち6つが「Senkaku」「Sento」などの日本の名称だった。残り一つだけが英国名称の「Pinnacle Islands」だ。中国や台湾側が主張する「釣魚島」という名称はどこにもなかった。すなわち米国地名委員会サイトは中国側の主張を完全に否認したのだ。日露間で問題になっているクリル列島(北方四島)はロシアを主権国家としながらも、四島の名称は80%以上が日本の名称だ。この3つのケースを考慮する場合、米国地名委員会が日本側に多くの点数を与えていることが分かる。
韓国政府消息筋は「長く使用してきた‘Tokdo’という英語表記を‘Dokdo’に変えた後、米国地名委員会に繰り返し変更要請をしてきたが、まだ受け入れられていない」と話した。鬱陵島(ウルルンド)の「道洞(ドドン)」も同じだ。現在「Dodong」に名称が変わったが、米国地名委員会の表記はまだ以前のままの「Todong」となっている。
しかし「Kangnam」から「Gangnam」に変わったソウル江南(カンナム)は、米国地名委員会サイトに新旧名称がともに表示されている。釜山(プサン)や金浦(キンポ)なども同じだ。
「Dokdo」という韓国の公式英語表記が米国地名委員会サイトに出てこないのは、まずはデータベース化が遅れているためと解釈できる。しかしこれだけが原因かどうかは疑わしい。尖閣諸島に対しては日本側の主張だけ聞き入れた米国地名委員会が、独島に対しては韓日双方の主張を同時に明記し、また韓国の公式名称を外している点が釈然としない。独島は行政上では小さな単位だが、韓国人の胸の中では非常に大きな存在だ。そのためか韓国人の心は「Dokdo」表記の遅延を容認できないようだ。米国が独島に対しては政治的に中立であるため、こうした姿勢の反映が地名の表記に表れたという話もあるが、政治的な判断を介入させれば客観性を失うことになる。とにかく独島の英語表記が一日も早く「Dokdo」に定着することを希望する。
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
東日本巨大地震:日本経済、V字回復か
東日本巨大地震の影響に苦しむ日本経済が近くV字回復する、との見方が専門家の間から出始めている。内閣府の外郭団体、経済企画協会は8日、民間を含む41の研究機関やエコノミストの成長率予測をまとめた6月の「ESPフォーキャスト調査」を発表した。それによると四半期ごとの成長率予測では、4-6月期はマイナス2.97%と大幅なマイナス成長が予測されるが、7-9月期は4.04%と大幅なプラス成長に転じ、10-12月期は5.24%と成長はさらに加速するとしている。ゴールドマン・サックスも今後の日本経済の見通しについて「4-6月期には底を打つ」と予測している。
震災前の予想では10月以降、景気不振から抜け出すとの見方が大勢を占めていた。しかし上記の予想では、震災が逆に経済回復を後押しする形になるということだ。
■日本経済はV字回復するとの見方が大勢
日本政府は今月8日、1-3月期の成長率がマイナス3.5%(前期比、年率換算)を記録したと発表した。昨年10-12月期のマイナス3.0%に続く2期連続のマイナスだ。しかしこれはむしろ前向きに解釈された。今年5月の時点で日本政府はマイナス3.7%を予想していたが、実際はそれほど悪化していなかったからだ。
LG経済研究院のイ・ジピョン研究員は「産業生産の増減率を見ると、今年3月にはマイナス15.5%だったが、4月には1.0%とプラスに転じた。このことから産業生産は3月にはすでに底を打っていたことが分かる。そのため成長率も4-6月期には底を打ちそうだ」と述べた。トヨタ自動車は震災の影響で、2011年度の純利益を前年比で31%のマイナスと予想している。しかし地震直後に10月と予想していた生産回復の時期が、実際は6月ですでに通常の90%にまで達していたため、回復のペースは予想以上に順調なことが分かった。
■電力不足がカギに
あくまで少数の意見ではあるが、電力不足やサプライチェーンの崩壊による長期の停滞を心配する声も根強い。複数のエコノミストが日本経済回復の障害として指摘するのは、電力不足と円高だ。日本国内で稼働する54基の原発のうち、震災による直接・間接の影響で現在は30基以上が稼働を中断している。東京電力は発電所全体の27.5%、東北電力は26.3%が被害を受けた。そのため日本では、これまで停止していた火力発電所の再稼働を進めており、また火力発電の中でも液化天然ガス(LNG)を燃料とする発電所を新たに建設するなど、電力難の克服に向け全力を挙げている。しかし電力需要がピークに達する7月と8月は7%から10%程度の電力不足が見込まれており、電力不足が深刻化すれば、生産回復の足かせになるのは間違いない。そのためドイツ銀行などは「7-9月期以降もV字回復とまでは行かず、ゆっくりとした回復にとどまる」と予想している。
短期的には回復が見込めても、長期的の見通しはやはり暗いとの見方もある。早稲田大学の野口悠紀雄教授は「震災からの復興投資で一時的には成長に転じたとしても、日本経済全体が震災以前の水準にまで回復するにはなお多くの時間が必要だ」と主張する。しかしLG経済研究院のイ・ジピョン研究員は「円高はG7各国が協力すれば阻止することができるし、電力不足も徐々に解消されてきており、どちらかといえば楽観的な見方の方が優勢だ」と述べた。
【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/
元原発検査員、内部文書公表でずさんな実態を告発
原子力安全基盤機構(JNES)で原子力発電所の検査を担当していた藤原節男氏(62)は、内部文書を公表し、当局による検査のずさんさを訴えている。
藤原氏がJNESに安全管理の甘さを批判し始めたのは2009年7月。同年中に原子力安全・保安院 (NISA)にも訴えた。その後10年3月にJNES退職に追い込まれたという。
Courtesy of Setsuo Fujiwara
藤原節男氏と妻の修子さん
藤原氏は10年8月、JNESに復職を求める裁判を東京地方裁判所に起こした。JNESは裁判所への提出書類で、辞めてもらった理由は勤務成績の問題だとしている。JNESの広報担当者はコメントを控えた。これに対し藤原氏は、不当な退職に追い込まれたのは内部告発をしたためだとしている。
同氏は訴訟で、検査の問題を記録した「トラブル・クレーム対応の記録」という内部資料だとする書類を提出している。
この資料のなかには、たとえば、原子炉の検査過程において、起こった様々な問題が記録されている。藤原氏によると、この記録はトラブルに直接関わった検査員や記録を担当する部内の別のメンバーが記入し、JNESが問題を把握するために使っていた。また、別の提出書類には、ある原子炉の検査結果報告をめぐって藤原氏と上司がやりとりした電子メールの記録も含まれる。
JNESは、訴訟でこれらの資料の真偽にはコメントしていないが、藤原氏が内部機密文書を不適切に開示したと批判している。
トラブル・クレーム対応の記録には、3月の福島第1原発の事故に直接関係する項目はなく、他の原発での大きな事故につながるようなトラブルも記載されていない。ただ、検査員の不足や、一部の面で国際基準に満たない記録管理など、さまざまな面でのずさんさがうかがえる。
内部資料によると、たとえば、島根県での新たな原子炉冷却装置建設では、資格の有効期限が切れた溶接士を従事させていた。また、ある原子炉の稼働前の検査では、2人で行うべき検査を1人で行っていた。
NISAの当局者によると、内部告発制度を使って規制当局を正式に訴えたのは藤原氏が初めて。他の告発の対象は、電力会社やメーカーだという。
藤原氏は、記録に残されたトラブルやクレームに対するJNESの対応を批判した。内部でミーティングをし、エクセルで作成した記録には短いコメントを書くだけだからだ。本来なら、公式の不適合報告書を作成し、問題の綿密な分析や再発防止策を明記すべきだという。
03年の設立以来、JNESはこうした報告書をわずか2通しか提出していない。法律ではこうした報告書の提出は義務づけられてはいないが、国際原子力機関(IAEA)は奨励している。
藤原氏はインタビューで、「わたしはたまたま定年間際で、わたしに対する被害はなにもない。だからばかなドン・キホーテになっても、告発すべきだと思った」と語った。
告発に踏み切ったきっかけは、ある原発の検査で好ましくない検査結果の隠蔽(いんぺい)と感じられる行為を目撃したことだ。09年3月、北海道電力泊原で新規の原子炉の検査を担当したとき、冷却水の検査で水温が上昇していた。JNESが提出した裁判書類と、藤原氏の訴えを受けたNISAの声明で、水温上昇が当初は記載されなかった事実が確認されている。
同氏によると、再検査で良好な結果が出たことから、上司は初回検査の結果を報告書に記載しないよう命じた。JNESとNISAはこの事実も認めている。
同氏が初回検査の記録を残すように抗議すると、上司は勤務評定を悪くすると脅したという。JNESはこの上司に対する取材を認めず、現在も在職しているかどうか確認することも控えた。
藤原氏の訴訟やJNES、NISAの提出文書によると、JNESは抗議を受けて初回検査の結果を記録に残した。ただ、同氏は上司の非を認めるよう求めたが、JNESは応じなった。
大阪大学の宮崎慶次名誉教授は、「検査結果がプラスになるには、それなりに明確な理由が必ずあるはずだ。それをそのような結果がなかったとするような行為は、技術者としては絶対にしてはいけないこと」だと指摘。事の背景は詳しくは知らないとしながらも、記録の記入を求めた藤原氏の主張は「まったく正しい」と述べた。
北海道電力の広報担当者はコメントを控えた。
【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com
インタビュー: 民主の「官僚排除」は間違い=石原東京都知事
東京都の石原慎太郎知事はロイターのインタビューに応じ、民主党連立政権による復興への取り組み姿勢を厳しく批判した。石原知事は、民主党のアイデンティティーは官僚排除だとし、その結果、行政が機能しなくなっていると指摘、「官僚に使われるのではなく、使いこなさなければいけない」と語った。
電力政策については「経産省と政治家、東電が結託して進めてきた」と語り、電力の自由化の流れの中で、地方自治体も発電ビジネスに参入できると指摘。東京への一極集中が進みすぎているとの見方を示し、分散化を図る必要があるとの考えも明らかにした。
インタビューは10日に実施した。主な内容は以下のとおり。
――政府の復興への取り組みをどう評価しているか
「ナポレオンが『真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である』という言葉を残している。今、まさに政府は『無能な味方』なってしまっている。情報は錯そうして中枢に集まらない。システマティックな情報管理ができていない。官僚をまったく使いこなしていない。官僚はお呼びじゃないからみんなそっぽを向いてしまっている」
――なぜそのようになっているのか
「財政破綻の問題も含めて日本をダメにしたのは、国家の官僚だ。その官僚の言いなりになったのは自民党の責任だ。その政権に愛想を尽かして私は国会議員を辞めたが、その次に出てきた民主党政権が何を旗印にしたのかと言えば、『官僚を使わない』だった。私と同じ歴史認識を一定程度は持っていたんだろう。しかし、そのやり方が間違っている。それだけが一つのアイデンティティーになってしまって、官僚はダメだ、けしからんという強烈な思い込みに囚われている。官僚を動かす政治家がいなくなってしまった。復旧・復興も役所が動かなかいから進まない」
「官僚には経験や知識はある。ないのは発想力だ。その官僚を一切使わないのは、非常に乱暴で、稚拙。恐ろしい話だ。行政というのは、官僚を使うことで動いてくる。自民党のように、官僚に使われてはいけないが、使いこなさないといけない。例えば、大きな問題があるにせよ、事務次官会議は非常に象徴的で大事な会議だ。復旧・復興に向けて各省庁に横串を刺すことができるのが事務次官会議だ。官僚のアイデンティティを持たせないと、官僚は動かない。省庁をまたいで横串を刺せる政治家はほとんどいないのが現状だ」
――震災後、日本の課題は何か
「先日、EUの新しい大使があいさつに来た。災害を踏まえて新しい連帯感をもう一度結び直して、復活しないといけないのではないかと話していった。まさにその通りだ。日本が変わって、少し違う日本、確かな日本になっていくためには、この災害をどのようなかたちで克服しなければならないのか考えないといけない。しかし、それを主導し、引っ張っていく力が政治家にない。言葉がないからアイデアが出てこない。言葉がものすごく貧しくなってしまっている」
――経済的にはどんな施策が必要か
「消費税を上げないといけない。こんなに安い消費税で過ごしている先進国はない。今回だってせいぜい10%の引き上げだ。なぜ欧州並みに20%や25%にしないのか。高福祉・低負担などという政策は続かない。この国債残高では、日本がもし欧州の一国だったとしてEUに入ろうとしても入れてくれないでしょう。入っていたとしたらユーロを使わないでくれと言われてしまう」
「世界の中で国家財政の公会計を単式簿記で行っている先進国は日本だけだ。どの国も複式簿記発生主義会計を導入している。正確な財務諸表が出てこないから、官僚が勝手なことする。与党幹部によれば、政府には隠し金はある。それをちゃんと吐き出させなければいけない。法律的に追及するためには、会計制度を変えてきちんとした財務諸表を作らなければ無理だ。こんな状態をなぜ続けているのか。結局、財務省が一番偉くて、自分の権限を守るために続けている」
――天然ガス発電所の建設計画を打ち出したが
「天然ガス発電所は割と安価に建設できる。東京湾の埋め立て地に作れば土地の収用費も掛からないので、2基や3基作ったらいいんじゃないかと考えている。アセスメントも入れて着工して7年くらいで完成するので早くやったらいい。東京がやるなら資金調達を手伝いたいと言っている海外ファンドは沢山ある」
――電力行政の問題は
「電力行政は、経産省と政治家、東電が結託して進めてきた。それが電力の自由化、民営化の時代になってきた。個人の住宅が屋根に付けるソーラー発電だって自家発電なのだから、余力がある地方自治体も同じように進めたらいい。電力は必ず売れる商品だ。豊富な電力が供給され、可能性のある地域だったら必ずまた新しい産業も起こってくるだろう」
――今後の東京のあり方はどうなるか
「東京はいささかものごとが集中してしまっている。これは国家としては良くない。もっと分散しないといけない。23区ほど世界で最も地下鉄の駅が止まる地域はない。神奈川や埼玉、千葉などから人が来て昼間人口は400万人増える。これはあまり健全ではない。東京からも神奈川や埼玉、千葉などに行く人がいた方が健全だ。しかも、その人々たちの使っている交通や水などのライフラインは東京が費用を持っている」
――菅首相が退陣する見通しの中で大連立の話も出ている
「大連立ができれば、再軍備、憲法改正、税制改正をやるべきだ。みんなが怖がってタブーになり、できていない課題だ。自民主体の大連立は近い将来したらいい。その方が手っ取り早く物事が進む。自民党は党の沽券(こけん)があるから今の時点では乗り気じゃないのだろう。2年先の総選挙で民主党を大敗させようとしているのに、それで『よくやった』という評価を得てしまうわけにはいかない。そう簡単には一緒には舟に乗れないんでしょう」
(ロイターニュース 布施太郎;編集 北松克朗)