ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58 (スコア付き)
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58 (スコア付き) 作曲年代:1805年~1806年 ピアノ: クリスティアン・ツィマーマン 指揮: レナード・バーンスタイン 管弦楽: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 00:00 第1楽章 Allegro moderato (ト長調) 14:23 カデンツァ(ベートーヴェンによる) 19:19 第2楽章 Andante con moto (ホ短調) 24:55 第3楽章 Rondo: Vivace (ト長調) 《ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58》は、1806年にルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが完成させたピアノ協奏曲である。同時期の作品に《ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61》《歌劇『フィデリオ』作品72》などがある。初演は1808年12月22日、オーストリア・ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場にて《交響曲第5番ハ短調 作品67『運命』》や《交響曲第6番ヘ長調 作品68『田園』》などとともにベートーヴェンのピアノ独奏で行われた。《ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73『皇帝』》の初演は耳の疾患のため別人により行われたため、作曲者自身の独奏で初演された最後の協奏曲となった。ベートーヴェン中期を代表する作品であり、また協奏曲としての先駆的作品の代表格としても知られる。 《ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37》までは、比較的それまでの形式に沿った伝統的な協奏曲であったのに対して、第4番以降では挑戦的な音楽表現が多く盛り込まれている。例えば、オーケストラによる呈示のあとピアノが登場する形式が伝統的であるところを、この作品ではピアノにより開始する。また、第2楽章は通常LargoやAdagioといった瞑想的なロマンスが置かれることが多いところを、Andanteで弦楽強奏により開始する。第3楽章は主調のト長調ではないハ長調で開始し、C管トランペットとハ長調主音 (C) と属音 (G) のティンパニをこの楽章のみ加えている。その他にもそれまで伴奏に回ることが多かったオーケストラを、ピアノと対等に扱うためのオーケストレーションの工夫が随所に凝らされている。また、第1楽章には有名な「運命動機」も登場する。 なお、この協奏曲の初演後すぐに生涯最後のピアノ協奏曲である《ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73『皇帝』》のスケッチに取り掛かっている。