このブログでは、東日本大震災の2日後から、世界の新聞社・通信社がこの震災をどう報道したかを毎日切り取ってきました。
あれから10年になるあたり、当時の記事を再掲して当時の様子を振りかえっています。
今回は、2011年4月16日付けの記事 その2です。
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続きます。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
【コラム】人口減少亡国論
戦後が終わって災後が始まる。 東京大学の御厨貴教授の言葉が日本で話題になっている。 3月11日の東日本大地震後の危機意識と決起が交錯する。 3月11日が戦後高度成長型の政治・経済・文化に終止符を打ったというのが御厨教授の話だ。 同時に近代化の出発点である明治維新型の国土創造を提言した。 戦後の常識でなく異端の「災後政治」に対する注文だ(読売新聞寄稿)。 日本は新しい復興のモデルを作りだすのか。
政治の地殻変動は避けられない。 菅直人内閣の遅い対応が十字砲火を浴びている。 菅内閣の崩壊は時間の問題だ。 10日の地方選挙で民主党は惨敗した。 分権と和の政治が日本内閣制の要諦だ。 首相が閣僚罷免権を行使した例はほとんどない。 消防隊を送ろうとしても、自治体の首長との協議を経なければならない。 強力なリーダーシップ、迅速な意思決定が難しいシステムだ。 大連立の政治工学ではなく直選首相制が処方せんに浮かび上がるかもしれない。 日本国民の政治不信と自粛ムードは何を意味するのか。 国民の心理状態の変化は新しい体制をはらむ母胎だ。
経済はマイナス成長が問題ではない。 財政(赤字国債発行)・エネルギー需給(原発増設の中止と化石燃料の代替)・環境問題(原発地域の空洞化と炭素排出の増加)が足を引っ張っている。 悪循環だ。 長期沈滞の憂慮が出てくる。 さらに遠くに目を向ければ音のない危機がある。 人口問題だ。 少子化と高齢化だ。 3月11日の大地震は日本社会の高齢化を克明に表した。 年齢が確認された死亡者7935人(7日基準)の55%が65歳以上の高齢者だった。 日本は世界で初めて超高齢社会に入った国だ。 昨年基準で国民の平均年齢は45歳。 人口も減り始めた。 人口構成比はさらに大きな問題だ。 高齢者の比率が高まり、生産年齢人口が減っている。 50年前は10人以上の生産年齢人口が1人の高齢者を扶養した。 今では3人が1人の高齢者を扶養している。 2055年には1対1となる。 現役の減少は消費者・生産者・納税者の減少と同じだ。 高齢者は医療・福祉費を膨らませる。 国内総生産(GDP)を減らし、財政に圧力を加える国力衰退の人口構造だ。 若者が減れば社会も活力を失う。 第2次世界大戦敗戦直後(1947-49年)のベビーブーマー(団塊世代800万人)が戦後復興の牽引車だったのとは天地の差だ。 日本の危機意識の根底にはこういうものがあるのかもしれない。 日本は人口減少・高齢化の中で再建するのか。 世界は人口との戦争も見守っている。
【コラム】悪いリーダーシップ
1941年12月7日、東京朝日新聞は「日米会談重大局面」「交渉本論しばらく停滞か」などの日米会談内容を掲載していた。 そして翌朝6時、大本営は突然「帝国陸海軍は今日8日未明、西太平洋で米・英国軍と戦闘状態に入った」と発表した。 これが真珠湾襲撃で始まったいわゆる太平洋戦争だが、遠山茂樹らが『昭和史』(1955年出版)で「戦争開始は日本国民にも奇襲だった」と明らかにしたように、日本国民にも開戦は青天の霹靂だった。
裕仁天皇は12月8日正午、「万世一系の皇位を継ぐ大日本帝国天皇は、忠実で勇敢な汝ら臣民にはっきりと示す」と始まる宣戦教書を発表するが、奇襲開戦は11月5日に裕仁天皇と首相兼内相・陸相を兼任した東條英機内閣が一緒にした御前会議ですでに決定した「帝国国策遂行要領」を実践に移したものだった。 開戦の過程で一般国民は徹底的に排除された。
この戦争で陸軍114万人、海軍44万人、軍属150万人、一般国民180万人、都合500万人に近い日本人が命を失った(『太平洋戦争による我国の被害綜合報告書』)。 沖縄では女子学生が命を投じる「ひめゆり部隊」まであった。 しかしその結果として領土を広めるどころか、その間奪った土地まですべて返さなければならなかった。
筆者は米国の10分の1にすぎない経済力でこうした戦争を起こした理由を不思議に思っていたが、猪木正道が『軍国日本の興亡』(1995年出版)でこの戦争を「自爆戦争」と規定したのを見て理解できた。 1936年8月7日、首相の広田弘毅と外相・陸相・海相らは陸軍はソ連、海軍は米国を敵国と想定し、軍備を大幅に増強するという「帝国外交方針」を決定した。 この無謀な「帝国外交方針」に日本人の悲劇が予見されていた。
良いフォロワーシップに悪いリーダーシップが日本政治の一つの特徴だ。 大地震の悲しみに共感しながら韓日両国民が初めて一つになろうという時に出てきた検定教科書の「竹島は日本の領土主張」は、悪いリーダーシップが現在進行形であることを見せている。 こういう悪いリーダーシップを追放する時、日本人が大地震の際に見せた良いフォロワーシップは、隣国の人々にいかなる恐怖もなく純粋な感動として迫ってくるだろう。
イ・ドクイル歴史評論家
マッコリの抗がん物質含有量、ビールやワインの最大25倍
日本の13都県からの食品輸入が事実上の中断
放射性物質の汚染が懸念される東京都など日本の13都県で生産された食品に対し、韓国は事実上の輸入中断に準じる措置を下した。
食品医薬品安全庁は14日、「来月1日から、福島原発事故後に放射性物質(放射性ヨウ素・セシウムなど)が食品から検出された日本の13都県で生産された輸入食品について、放射性物質は一切検出されていないという政府証明書の提出を要求する方針だ」と明らかにした。
来月から日本政府の発行証明書を添付しなければ韓国向けの食品輸出ができない日本の都県は、すでに一部食品の輸入中断措置が取られている福島県・茨城県・栃木県・群馬県・千葉県の5県と、地域産食品から放射性物質が検出された宮城県・山形県・新潟県・長野県・埼玉県・神奈川県・静岡県と東京都だ。
対象食品は農林産物と加工食品・食品添加物・健康機能食品などすべての食品を含む。
しかし、畜水産物安全業務を担当する農林水産部との調整は終わっておらず、14日の発表では日本産の畜水産物は対象食品から除外された。
食品医薬品安全庁のソン・ムンギ食品安全局長は、「日本政府の検査証明書で放射性ヨウ素やセシウムが微量でも残留していると確認された製品を輸入する場合は、放射性ストロンチウムとプルトニウムなどに対する検査証明書を追加で提出しなければ国内搬入はできない」と話した。
このうちストロンチウムの場合、検査に通常4週間以上、費用も1件当たり100万ウォン程度必要とされる。こうした負担を輸入業者が一手に引き受けることになり、事実上輸入中断と同等の効力があると予想されている。
福島原発近海の放射能数値が低下…依然予断許さず
日本の福島第一原発の取水口付近の海水の放射性物質汚染濃度が依然として法定基準の2500倍に達すると調査された。14日のNHKによると、原発運営会社の東京電力が福島第一原発2号機取水口付近で2日前に採取した海水を調査した結果、ヨウ素131は1cc当たり100ベクレルで、法定基準の2500倍に達した。
同じ場所で今月2日には基準値の750万倍のヨウ素検出され、その後10日には基準値の5000倍、11日には基準値の3500倍が検出された。原子力発電所近海の放射性物質汚染濃度は低くなってはいるが依然として高い水準にあるということだ。5号機と6号機の放流口付近の海水からは1cc当たり1.7ベクレルのヨウ素131が検出された。 これは法定基準の43倍だ。
日本政府は世界各国が食品に続き日本製工業製品まで忌避する現象が発生していることから、放射能は検出されていないという放射線測定証明書を発行することにした。
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
福島原発:避難区域の至る所にペットや家畜の死骸
「他人の所有物に手を出してはならない」縄で縛りつけたまま放置
日本政府も飼料を提供せず「マニュアルには動物保護の規定はない」
原発事故による放射能流出の影響で、避難指示区域に指定された福島第一原発から半径20キロ圏内の地域では、ペットや家畜の死骸が目立つようになってきた。
米国CNN放送は14日、原発から数キロ離れたある村で、置き去りにされた動物たちの悲惨な様子を報じた。画面には骨と皮だけになったビーグル犬が、記者から与えられた弁当を食べる場面が映し出された。この犬は首輪に縄が掛けられているため、自分で餌を探すことができないのだ。住民全員が避難して誰もいなくなった村の映像には、餌もなく餓死して路上で腐敗していく犬の死骸や、自らロープをかみ切ってさまよう犬の姿などが映し出されていた。
この映像を撮影した日本のフリー記者は、この犬に餌は与えたものの、首輪は解かなかった。CNNは「日本人は他人のものに手を出してはならないという意識が強いため、つながれた犬をすぐには離さない」と報じた。極限の状況においても日常生活の原則を守る日本人の特殊な文化のせいで、首輪を解いてあげれば、自分で餌を探して生き延びるであろう犬が、目の前で飢え死にしようとしているのだ。
地震発生直後から現地で動物保護の活動を行っているイサベラ・ガラオン・アオキ氏は「原発事故による深刻な被害は広く知られているが、捨てられたペットが飢え死にしている実態についても知ってほしい」と語る。アオキ氏が所属する動物愛護団体のメンバーは、日本政府が住民を避難させた「原発から半径20キロ圏内」に入り、放置されたペットを保護するとともに、家畜に餌を与え続けている。
すでに1カ月以上にわたりこの活動を続けているメンバーたちは、放射性物質を浴び続けており、将来的に健康に問題が生じる可能性もある。しかしアオキ氏は「動物たちを保護できるのなら、個人的なリスクは甘受したい」「われわれが(原発周辺の)動物たちを保護していると聞いて、住民たちは家の住所を記したメモを手渡し、“動物たちを何とか助けてほしい”と頼んでくる」などと述べた。また避難所ではペットを飼育することができないため、住民たちの中には「自宅に残したペットを探し出し、動物保護施設に預けてほしい」と頼む人もいるという。
イトウヒロコさんもこの団体を通じて、5歳の柴犬「ノン」と再会した。イトウさんはノンを抱きしめながら「助けてあげたかったが、あの時はどうしようもなかった」と涙ながらに語った。
ペットだけではない。牛や豚など数多くの家畜も飢え死にしている。原発から10キロ離れた村のある牛舎では、10頭以上の牛がすでに飢え死にしていた。動画投稿サイト「ユーチューブ」には、この様子を撮影した1分40秒の動画がアップされている。この牛舎で生き残った牛は、空っぽの飼い葉おけの前に首を出して、餌が与えられるのを待ち望んでいた。取材記者が水と飼料を与えると、たちまち多くの牛たちが集まってきた。牛舎に横たわり、かすかに息をしていた牛の目には涙がたまっていた。南相馬市のある畜産農家でも、飢え死に寸前の豚や、複数の豚の死骸が小屋の外に横たわっていた。
非公式の統計によると、日本では人口10人に1匹の割合で犬のペットを、13人に1匹の割合で猫のペットを飼っている。そこから推定したペットの数に、牛や豚、鶏などの家畜の数まで合わせると、原発から半径20キロ圏内では、少なくとも数十万匹の動物が飢え死に寸前の危機にさらされているとみられる。
しかしCNNによると、日本政府が動物たちに飼料を与える動きはみられないという。首相官邸から地方の小さな役場に至るまで、日本ではどこの官庁にも動物保護に関する規定がないからだ。