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11月14日は新聞休刊日

2022-11-14 05:30:52 | 社説を読む
今日は新聞休刊日なので、昨日のコラムを紹介します。
 
・ 日本で記録に残る最初の糖尿病患者は、平安貴族で栄華を極めた藤原道長だといわれる。のどの渇きや視力低下など、当時の文書には糖尿病や合併症とおぼしき症状が記されている。1994年、国際糖尿病会議の日本での開催にあたり発行された記念切手には、道長の肖像が用いられた
 
▲その糖尿病、病名を巡る動きがあった。患者や医療関係者らでつくる日本糖尿病協会(清野裕理事長)は今月、正しい理解を深める目的から、将来の病名変更に向けて提言していく考えを示した。糖尿病の名称は「蜜尿病」とも呼ばれていたのが1907年に統一された
 
▲重症化を防ぐための血糖値の管理や治療法は近年、大きく進歩している。にもかかわらず糖尿病の人が就職や生命保険加入などで不利な扱いを受けるケースはなお多いという
 
▲古い疫学データに基づく偏見も根強い。「糖尿病」という言葉に蓄積した負のイメージが、社会生活や前向きに治療に取り組むことへの障壁になっていると協会は指摘している
 
▲1世紀以上定着した名称を変えることは、影響も大きい。インターネットでは「高血糖症」などの候補が早くも取り沙汰されている
 
▲国内で糖尿病が強く疑われる人は1000万人を超し、さらに同数程度が予備群と目されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療施設から足が遠のく悪影響も懸念される昨今だ。きょうから全国糖尿病週間、今や国民病とすらいえる身近な疾病と社会の向き合い方についても考えたい。
 
・ 「指点字」をご存じだろうか。目と耳のいずれも不自由な人向けのコミュニケーション手法だ。相手の手に自分の指を重ね、点字タイプライターに見立ててタップする。左手の人さし指で打てば「あ」、といった具合だ。慣れるとかなりの速さでやりとりできるという。

▼盲ろうの東京大教授、福島智さん(59)の母令子さんが約40年前に考案した。福島さんの半生を描いた映画「桜色の風が咲く」が公開中だ。9歳で視力、18歳で聴...

 
・ 小紙の編集局には、アルバイトの大学生が何人かいる。先日、偶然聞こえた学生とデスクの会話である。「私、プログラミングを勉強しようと思うんです」「あれ? 文系じゃなかったの」「基本的なスキルだけでも、持っていると違うんです」。 

▼その学生が言うには、デジタル分野の知識や技術の「ある」「なし」が、就職活動だけでなく入社1年目からの給与の差にもつながる、と。大学に通い、リポートを書き、空いた時間に専門学校にも行くという。デスクの返答は、案に違(たが)わず「大変だねえ」だった。 

▼ある大手銀行の採用事情を報じた、1年前の記事を思い出す。デジタル技術に通じた人材なら、初任給が1千万円に届く可能性も―。麻雀牌(ぱい)を手に確率の研究に励んだ遠いわが学生時代とはわけが違う。社会に出る上で「デジタル」は学生必携の通行手形となった。 

 
 
・ フォルテシモならば「極めて強く」。フェルマータは「音を延ばす」、カンタービレは「歌うように」
 
▼楽譜上で曲のテンポや雰囲気を演奏者に伝える音楽用語(楽語)が使われるようになったのは十八世紀以降という。大半がイタリア語。当時、音楽文化の中心がイタリアにあったためという
 
▼「速く」のプレスト、「歩くような速さで」のアンダンテ。曲の速度を指示する用語だけでも数多い。速度に例えるなら、岸田首相の譜面にたびたび登場するのはラルゴだろう。「極めて遅いテンポで」
 
▼死刑執行をめぐる問題発言で葉梨前法相を交代させたが、この経緯がいかにもラルゴである。法相という職について「朝、死刑のはんこを押し、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけ」。人の命そのものをもてあそぶかのような言葉に法相の資格はなく、ただちに更迭すべきなのにそれができない。いったん厳重注意で収めようとし、与野党の批判を見て、ようやくである
 
▼旧統一教会との関係が問題になった山際前経済再生担当相を交代させた時もそうで、毎度、決断が遅く、結果、後手後手に回る。テンポの遅すぎる曲に国民の方はいらだち、不安さえも感じる
 
▼首相が作曲法を改めぬ限り、政権はモレンドとなる。ドビュッシーの「月の光」の最後に出てくる。用語の意味は「だんだん弱く、消え入るように」である。
 
※ 中日新聞がうまい!

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