リヒャルト・シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』作品20 TrV 156 (スコア付き)
リヒャルト・シュトラウス: 交響詩『ドン・ファン』作品20 TrV 156 (スコア付き) 作曲年代:1889年 指揮:デイヴィッド・ジンマン 管弦楽:チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
《交響詩『ドン・ファン』作品20》は、ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスが1889年に作曲した交響詩である。「ドン・ファン」とは、17世紀のスペインの伝説上人物で、容姿端麗な美男として数多くの文学作品に描写されている。シュトラウスは、ニコラウス・レーナウの詩に描かれたドン・ファンを交響詩に描いた。 初演は1889年11月11日にドイツ・ヴァイマールで作曲者自身の指揮で行われた。シュトラウス初期の成功作品として、今もなお演奏機会の多い作品である。 交響詩は、プレイ・ボーイの貴族ドン・ファンが女性を追い求めるが満たされず、最終的に訪れる悲劇的な死までを描く。冒頭はAllegro molto con brioで、「悦楽」を表すとされる上昇音型で始まる。0:16からの主題はドン・ファンの女性を追い求める行動力を表している。2:24からの美しい旋律は追い求める女性を描いているとされる。9:44のホルンの勇ましい旋律が登場してからは、様々な旋律が交錯しドン・ファンの満たされぬ苦悩を描く。終結部はドン・ファンの死を暗示するようにホ短調で静かに終わる。