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民意とは何?

2010-01-27 06:06:24 | 社会科関連情報
名護市長選挙が行われ、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する新人の稲嶺進氏が1万7950票を獲得し当選しました。条件付きで移設を容認してきた現職の島袋吉和氏に1588票差をつけての当選です。

稲嶺氏は「辺野古の海に基地はつくらせないという信念を貫いていく」と移設反対をあらためて強調しています。

ここまではよくわかります。選挙結果にとやかく言うつもりはありません。
問題はここからです。

報道では、「5月末までに移設先を決定する鳩山内閣にとって日米が合意した辺野古案は極めて困難になった。」となっていました。
また、首相は記者団の質問に答え、「選挙結果は名護市民の一つの民意の表れだ」とコメントしています。

これには違和感を覚えました。

地元の人たちの声を尊重することが大切なことはもちろんわかります。
しかし、片や、昨日、次の報道もありました。

「1票の格差」が最大2.30倍となった昨年8月の衆院選は違憲だとして、広島市の有権者が広島1区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、広島高裁の広田聡裁判長は25日「格差が2倍を超える選挙は憲法違反」との判断を示した。

1票の格差が「2倍」で問題になってます。

計算してみましょう。
名護市の当日の有権者数は4万4896人です。
日本の有権者は1億434万4,170人なので、名護市の有権者の割合は0.04% にしかすぎません。しかも、移設反対に投票した人はその40%、0.017%です。 
 
この選挙の結果、すなわち0.017%の人の考えで、日米の間で何年もかけて協議してきた米軍基地の移転計画の是非を判断してもよいのでしょうか?

国家全体にかかわることを、一つの地方選挙で判断する。
私は、これには疑問です。
 
2倍の格差に疑問を呈するほど1票がもつ価値を尊重しながら、0.017%の判断で国家の進む道を決めるのは大きな矛盾だと感じます。

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