あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 作品125【ベーム&VPO】(スコア付き)

2024-01-27 06:30:08 | 音楽雑感&関連サイト

ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 作品125【ベーム&VPO】(スコア付き)

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン: 交響曲第9番ニ短調 作品125『合唱付き』(スコア付き) 作曲年代:1822–24年 ソプラノ独唱:ギネス・ジョーンズ メゾ・ソプラノ独唱:タティアナ・トロヤノス テノール独唱:ジェス・トーマス バス独唱:カール・リッダーブッシュ 合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団 コーラス・マスター:ノルベルト・バラッチュ 指揮:カール・ベーム 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

00:00 第1楽章 Allegro ma non troppo, un poco maestoso (ニ短調) 16:50 第2楽章 Molto vivace (ニ短調) – Presto (ニ長調) 28:59 第3楽章 Adagio molto e cantabile (変ロ長調) 45:39 第4楽章 Presto (ニ短調) –48:33 Allegro assai (ニ長調) –52:22 Presto (ニ短調) –53:13 Allegro assai (ニ長調) –56:08 Allegro assai vivace. Alla marcia (変ロ長調 – ニ長調) –1:00:59 Andante maestoso (ト長調) –1:03:17 Adagio ma non troppo, ma divoto (ト短調) –1:05:34 Allegro energico, sempre ben marcato (ニ長調) –1:08:21 Allegro ma non tanto (ニ長調) –1:11:06 Poco Allegro, stringendo il tempo, sempre più Allegro – Prestissimo (ニ長調)

《交響曲第9番ニ短調 作品125》は、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した生涯最後の交響曲である。作曲は《交響曲第8番》の完成から約5年後の1817年に、ロンドンのフィルハーモニック協会から交響曲の作曲の委嘱を受け本格的に開始された。この頃のベートーヴェンは、難聴(既に全聾と考えられる)による精神不安定に加え、不摂生による腹痛や下痢などの健康問題や、甥・カールの後見人問題など、様々な問題により作曲活動は停滞していた。一方、当時忘れ去られていたバッハの楽譜を読み漁ることで対位法を研究しており、このことが晩年の傑作に大きく影響した。 交響曲に声楽を含めるという発想は作曲開始当時からあったようで、第4楽章の「歓喜の歌」の旋律が作られたのは1822年頃と考えられる。全楽章の初稿が完成したのは1824年で、さらなる改訂を経て1824年5月7日、ウィーンのケルントナートーア劇場において、《ミサ・ソレムニス》や《「献堂式」序曲》とともに初演された。初演は大成功で、第2楽章が2回もアンコールされた逸話が残っている。初演後も1826年の出版まで改訂されている。 声楽を含めるということ以外にも、ベートーヴェンは交響曲に様々な革新的アイデアを含めることを貫いた。楽章構成について、《交響曲第8番》までは第2楽章に緩徐楽章、第3楽章にスケルツォ(またはメヌエット)が配置されていたが、《交響曲第9番》でこれらが逆転した。この手法は、初期のヨーゼフ・ハイドンの交響曲に例があり、ベートーヴェンが復活させたことになる。楽器編成については、《交響曲第5番》で導入した楽器に加え、打楽器群(シンバル、バスドラム、トライアングル)を導入し、またホルンは4本と、当時の最大規模の管弦楽編成となった。ティンパニについては、《交響曲第8番》で実践済みのF音のオクターブ調律が、F音を主音としないニ短調の第2楽章で効果的に用いられているほか、第3楽章終盤 (44:55) では同時に2音叩く指示がある。ホルンは、特に第2楽章の4番ホルンで旋律楽器としての使用が顕著で、当時のナチュラルホルンでは演奏は相当難しかったものと考えられる。対位法の使用も顕著で、先述のバッハ研究の成果と考えられる。 《交響曲第9番》の演奏には、ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社が1864年に出版した楽譜(ブライトコプフ旧版)が100年以上用いられてきたが、20世紀後半から出版され始めた批判校訂版により混乱をきたしつつある。議論となっている主な箇所は2点ある。1点目は第1楽章の第2主題で変ロ長調に転調後の2小節目2拍目裏の音である(02:34部分)。第1フルートと第1オーボエの音はブライトコプフ旧版ではB♭であるが、批判校訂版ではD音のものがある。この変更は自筆譜に基づくが、ベートーヴェンの書き間違いと主張する演奏家も多い。2点目は第4楽章の行進曲に入る直前で合唱が “Gott” と歌う部分(56:00部分)である。ブライトコプフ旧版ではティンパニのみにデクレッシェンドが付されているが、批判校訂版では全楽器にデクレッシェンドがあったり、全くなかったりする。他にも旧版と新版には多数の差異があるが、中には現代の楽器で演奏しやすいように変更した部分も含まれているため、複数の版の解釈を織り交ぜた演奏も多くなっている。

 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。