あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

生徒指導提要の改訂に関する協力者会議(第7回) 議事要旨

2022-05-14 07:00:30 | 生徒指導・教育相談・キャリア教育

文部科学省より生徒指導提要の改訂に関する協力者会議(第7回) 議事要旨を紹介します。

ここから https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/168/gijiroku/1413457_00008.htm

1.日時

令和4年3月29日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

Web開催(Zoom)

3.議題

  1. 生徒指導提要の改訂試案
  2. その他

4.出席者

委員

   浅野委員,新井委員,池辺委員,石隈委員,伊藤委員,伊野委員,大字委員,岡田 俊委員,岡田 弘委員,奥村委員,栗原委員,笹森委員,七條委員,髙田委員(代理人出席),土田委員,野田委員,針谷委員,藤田委員,三田村委員,三村委員,宮寺委員,八並座長,山下委員
   

オブザーバー

   小野オブザーバー,滝オブザーバー,宮古オブザーバー  

文部科学省

清重児童生徒課長, 鈴木生徒指導室長

5.議事要旨

【座長】  第7回生徒指導提要の改訂に関する協力者会議を開催する。本日は、昨年末からの経緯や今後の流れについて事務局より説明していただき、私から生徒指導提要の試案の内容を説明し、デジタルテキストのデモンストレーションを行う。残りの時間をフリートーキングとさせていただく。
【事務局】  原稿については、1月末から本会議の委員及びオブザーバーに編さん作業を実施させていただき、第6回会議において委員の皆様に素案をお示ししたところだが、原稿については、中身の精査を行うため、事務局としてはもう少し御議論いただく時間をいただきたいと考えている。
 具体的には、新年度4月以降、各章御執筆いただいた方や委員の協力を得ながら、それぞれの章を少し詳細に詰めていく作業を進めさせていただきたい。可能な限りこの会議の委嘱いただいている委員の皆様におかれては、令和4年度以降も協力をお願いできないか。
最終的には夏頃をめどに完成させていただき、文部科学省のホームページ等々で公表できればと考えている。
【座長】  皆さまの御協力で一通りのものはできたが、御執筆いただいた原稿を基に全体の一貫性などを調整していきたい。各章の記載の調整も、委員の協力を得ながら調整を進めたい。事前にいじめや自殺の現状等についてヒアリングをお願いした新井委員に副座長として各委員の協力を得ながら、各章を集中的に御確認していただくことを考えているがよろしいか。
(「異議なし」の声あり)
【座長】  それでは、今後の確認に関しては、各執筆分に関わる委員の協力を得ながら、新井委員を中心に調整を進めていく。もちろん私も当然参加する。最後の刊行に関しては、デジタルテキスト化という大きな作業が残っており、私と事務局で進めていきたい。
 では、続いて資料3の生徒指導提要の試案の内容に関して、改めて御説明させていただく。
 第Ⅰ部は生徒指導の基本的な進め方で、第1章、生徒指導の基礎、1.1が生徒指導の意義・実践上の視点、1.2が生徒指導の類型、1.3が生徒指導の方法、1.4が生徒指導の基盤、1.5が生徒指導の取組上の留意点となっている。特に外部から御要望があった点に関しては、1.5のところで、児童の権利の理解やICT関係等々記述はしている。
 第2章が生徒指導を意識した教育課程で、特にここは学習指導要領と生徒指導の関連性に関して記述したものである。2.1が児童生徒の発達を支える教育課程。新学習指導要領では、総則部分で、児童生徒の発達の支援が小・中・高一貫して出てくる。特別の教科道徳や特別活動は、学習指導要領の領域ということで入れている。2.1が児童生徒が発達を支える教育課程、2.2が生徒指導を意識した教科の指導、2.3が生徒指導を意識した道徳教育、2.4が生徒指導意識した総合的な学習、もしくは探求の時間、2.5は生徒指導を意識した特別活動になっている。
 今回、力を入れているのは第3章の生徒指導体制である。いわゆるチーム学校を意識した生徒指導体制である。3.1がチーム学校における学校組織、3.2が生徒指導体制、3.3が教育相談体制となっている。3.4が、従来の学級担任、あるいはホームルーム担任が1人で抱え込むような生徒指導ではなくて、教職員がチームとなって支援していくチーム支援に関して書かれている。具体的には、生徒指導と教育相談が一体となったチーム支援、3.3が危機管理体制である。3.6が生徒指導に関する法制度等の運用ということで、校則、懲戒等々を扱っている。3.7が学校・家庭・関係機関との連携・協働になっている。
 第Ⅱ部は個別の課題に対する生徒指導で、関連法規、あるいは組織面、体制面、未然防止、早期発見・早期対応、課題解決という構成になっている。第Ⅱ部では、先生方がもしトピックとして何か勉強したいときには、各章を取り出して見ていただくと、必要な法的な知識、組織体制、あるいは未然防止の考え方、早期発見・対応の考え方や課題解決の方法を理解できるようにしている。現行の生徒指導提要はこの部分は非常にページ数も少ないが、今回の改訂版では、Ⅱ部は肉厚になっており、内容も異なっている。
 第4章いじめ、第5章暴力行為、第6章少年非行、第7章児童虐待、第8章自殺、第9章中途退学、第10章不登校、第11章インターネット・携帯電話にかかわる問題、第12章性に関する課題となっている。
 第13章に関しては、現行の生徒指導提要にない、現代的な課題を取り入れた。節としては、13.1は発達障害等に関する課題と対応、13.2で精神疾患に関する課題と対応、13.3で健康問題に関する課題と対応、13.4で家庭的状況となっている。
 第1章の意義のところで定義を述べている。皆さんから御指摘もあった自己指導力に関しては、それに関しては生徒指導の意義部分で述べている。
 第Ⅱ部との関連で重要になる類型に関しては、編さんチームの見解も含めて、このような形で提示している。現行の成長を促す指導は、改訂版では発達支持的生徒指導としている。この指導は全ての児童生徒が対象で、日常の授業での生徒指導や社会的な資質・能力の育成に働きかけるものを含む。
 課題予防的な生徒指導は、現行の提要とは若干異なり、2つに分けて、課題未然防止教育と早期発見・早期対応となっている。通常予防的といったときには、日常会話のレベルでは、防止教育も含まれているという意味で、この類型に課題未然防止教育を含めている。
 課題解決的生徒指導に関しては、従来と同じ。
 発達支持的生徒指導と課題未然防止教育を、ブルーで色分けし、積極的・先行的としている。課題未然防止教育は先手打って防止教育を実施するという意味で、積極的・先行的である。アメリカのスクールカウンセリングは、脚注にも書いているが、いわゆるプロアクティブと呼ばれる生徒指導である。プロアクティブとは、積極的、先手を打つという意味で、先手型とも呼ばれている。今回の改訂版の中では、課題が起きてから何かをするのではなくて、起きないようにどうするか、あるいは、子どもたちの個性やよさを発見や、社会的資質を伸ばしていくことを支えるということを重視している。
 生徒指導の方法では、児童生徒理解ということで、児童生徒理解の全般的な留意点を述べている。
 課題解決的生徒指導では、児童虐待やネットを利用したいじめ等もあり、学校だけで対応することは非常に難しい。教職員個々が抱え込むのではなく、児童生徒の実態把握、アセスメントを行い、それに基づきどのように解決していくかというプランニングをする。アセスメントからプランニングという手順を踏んで、組織的に展開するチーム支援のポイントと留意点を示している。
 現行の提要に記載のない部分は、生徒指導の基盤である教職員の同僚性である。職員室の雰囲気や教職員の人間関係が、生徒指導では非常に大事である。また、人を相手にする場合、教職員個人が、自己のメンタルヘルスをどう維持していくかが非常に大事になるので、それについても述べている。
 生徒指導マネジメントに関しては、PDCAサイクルということで、計画・実践・点検・次年度の改善というスパイラルな広がりについて述べている。
 家庭や地域の参画に関しては、方法論としては非常に難しいが、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動を活用して、地域を巻き込んだ生徒指導が非常に大事になってくる。その意味で、家庭や地域の参画を入れている。
 1.5は、特に御要望のあった点である。児童の権利の理解ということで、特に4つの原則を述べている。これは、教職員、児童生徒、保護者、地域でも必須だということを強調している。
 ICTの活用では、GIGAスクールの進行により、生徒指導と学習指導との関連づけが可能になる。学習情報、つまずき、悩みなどのデータを利用して、早期に課題発見して対応していくことが、可能となる。また、不登校児童生徒等の教育機会の確保という点でも、ICTの活用は非常に有用であると述べている。
 幼児教育と小学校の生徒指導の接続ということを取り上げている。これは現行の提要にはない。
 また、社会的な自立に向けた取組ということで、特に民法改正で18歳に引き下げられることに伴って、ひきこもりも視野に入れて、子ども・若者育成支援推進法等を踏まえた支援も必要であると述べている。
 2章のほうは、生徒指導を意識した教育課程ということで、学習指導要領との生徒指導の関連について述べている。
 形式的なこととして、今回デジタルテキストで刊行をするが、分量は現行の生徒指導とほとんど変わらないぐらいではないかと思っている。最終的には、デジタルテキストでホームページの公開を考えている。去年も第1章の「生徒指導の基礎」と、第Ⅱ部の第4章「いじめ」のサンプル原稿を、私が作成した。今回も、第1章と第4章のデジタルテキストを、私が作成したのでお見せする。
 PDFを表示しているが、左側にあるのはいわゆるしおりと呼ばれているもので、このしおりから簡単にジャンプが可能になっている。目次をクリックしてもらうと、目次からも指定箇所にジャンプできるようになっている。
 デジタルテキストに関しては、推敲中のものなので、完成版ではない。ラテフまたはラテックと呼ばれて論文作成のフリーソフトを利用して、デジタルテキストを作成しようと考えている。本文が12ポイントで、かなり文字は大きい。脚注の文字が小さいと思われれば、簡単に拡大・縮小を行える。それも、デジタルテキストの利点である。
 文字の赤いところには、外部リンク先を埋め込んでいて、クリックしてもらえば、該当するホームページが開く。
 索引もあるが、最終の索引ではあいうえおを付記しようと思う。索引のブルーの頁数をクリックすると、該当ページにジャンプする。
 第Ⅱ部に関しては、関係法規や学校の組織体制、未然防止、早期発見・対応、関係機関等で統一しているので、各トピックごとに取り出し、関連研修に使えるという形にしている。法規等については、今後改正があると思うが、そのときにはすぐデジタルテキストを事務局で修正し、マイナーバージョンアップできることもデジタルテキストの利点である。
 以上、私のほうから説明は終わらせていただく。
 それでは、次年度以降の改訂スケジュール及び生徒指導提要の試案等の内容について、御質問とか御意見があれば発言していただければと思います。(以下略)


【文部科学省関連サイト】

文部科学省小学校、中学校、高等学校中央教育審議会平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等教育に関する基本的な法律・計画などGIGAスクール構想の実現について統計情報、学校におけるICT環境の整備・運用について文部科学省/mextchannelStuDX Style

【教職員支援機構サイト】

NITS独立行政法人教職員支援機構校内研修シリーズ新学習指導要領編、国立教育政策研究所サイト中学校英語指導事例集独立行政法人日本学術振興会科学技術・学術政策研究所(NISTEP)

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。