野球:日本行きをためらう外国人選手たち
震災とデフレは、外国人助っ人の情勢も変化させています。
挑戦日報から引用します。
http://www.chosunonline.com/news/20110904000024
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韓国の助っ人外国人投手に対する日本プロ野球界の視線が熱い。
8月24日に仁川文鶴球場で行われたSKと斗山の試合には、阪神タイガースのスカウトが訪れた。斗山の先発ニパートの投球を見るためだった。メジャーリーグのワシントンのスカウトも姿を見せた。今冬に本格化するスカウト合戦に先立ち、事前調査を行うためだ。
今季の韓国プロ野球には「良質」の助っ人外国人が多い。助っ人全盛時代をほうふつさせるほどだ。
斗山のニパート、LGのジュキチ、リズ、KIAのトレビスなど新規加入の優秀な助っ人が、前半戦の見どころを提供した。KIAのロペスを筆頭に、SKのグローバー、ロッテのサドスキー、ネクセンのナイトなど韓国に来て数年になる助っ人も、自分の役目をしっかりと果たした。後半戦では、SKのゴーデン、サムスンのマティス、ジャーマノ、ハンファのバティスタなど、途中移籍してきた助っ人選手も目覚ましい活躍を見せている。「シーズン中盤に獲得する助っ人は成功しにくい」という固定概念を打ち破った格好だ。
実力派の助っ人投手たちが一挙に韓国にやって来た理由は何か。各チームが心血を注ぎ、足労を惜しまず、投資を進めてきたからだ。
2009年にロペスやグトームソンを中心にKIAが韓国シリーズで優勝を収めた後、特級クラスの助っ人投手に対する需要が爆発した。フリーエージェント(FA)の資格を持つ(国内の)大物投手のスカウトは現実的に難しく、リスクが高いという点が考慮されてのことだった。
しかし、これまで韓国の助っ人市場は日本の攻勢の前に弱さを露呈していた。一部を除いたA級クラスの助っ人投手は、韓国での成功を引っ提げて日本進出を果たした。認めたくはないが、これまで韓国プロ野球は、日本進出への足場としての役目を果たしてきたのだ。
理由はもちろん年俸の格差によるものだった。日本に渡って1年目に成功すれば、翌年からは韓国とは比べものにならない巨額の年俸を手にすることができた。韓国で実力が検証済みの投手は、初年度から割高の年俸を手にすることができる。
かつて斗山で助っ人としてプレーし中日などで活躍したウッズ、KIAから今は巨人に移籍したグライシンガーなどは、韓国を経て日本で成功した代表的なケースだ。最近では斗山のリオスとヒメネスが、それぞれヤクルトと楽天のユニホームを着ている。
だとすれば、今年もやはり、韓国チームに在籍している助っ人外国人たちの日本行きが相次ぐのだろうか。今年ばかりはやや違った展開が予想されている。すでに斗山のニパートやLGのジュキチなど長身の若手助っ人は「チャンスが来たら、メジャーリーグには挑戦するとは思うが、日本へは行きたくない」と口をそろえる。単なる所属チームに対する「礼儀」レベルのインタビューといった意味合いを超え、何らかの本心が感じられるのは、一体なぜか。
これには内・外共に要因がある。まず外部要因として日本行きをためらう最大の原因は、今年初めに日本を直撃した東日本大震災の余波だ。日本にいる外国人選手たちの間でも「脱日本現象」は取り沙汰されている。金泰均(キム・テギュン)も帰ってきた。「安全」に特に敏感な外国人選手であれば、日本行きをためらうのは当たり前だろう。
また、助っ人投手に対する韓国市場の破格の待遇も、日本行きをためらわせる内部的要因となっている。優秀な助っ人投手に対する需要が高まり、競争が激しくなったことで、獲得のための資金が年々上昇している。助っ人外人の初年度年俸上限ラインである30万ドル(約2280万円)は、ずいぶん前に有名無実化した。日本野球が提示する年俸との実質的な格差はますます縮まってきている。
日本野球について誰よりも詳しいSKの金星根(キム・ソングン)前監督は今月初め、日本で吹き荒れる助っ人の年俸デフレ現象について説明した。金前監督は「日本は最近、助っ人の年俸が高ければ獲得を見送っている。最近ソフトバンクとも話したが、助っ人の年俸が2000万-3000万円だと聞いて驚いた」という。また「オリックスで活躍しているドミニカ共和国出身のフィガロは、昨冬にSKがスカウトしようとしていた選手だ。しかし、オリックスが多少先に動いた。韓国に来ていたら間違いなく10勝はできる投手だ。ところで同選手は、オリックスと何と30万ドルで契約したと聞いた」と、驚きの表情を浮かべた。
選手の立場からすれば、すでに適応した韓国でも高額の年俸をもらうことができるのに、あえて内外共に望ましくない日本行きを選択する理由が減っているというわけだ。
震災とデフレは、外国人助っ人の情勢も変化させています。
挑戦日報から引用します。
http://www.chosunonline.com/news/20110904000024
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韓国の助っ人外国人投手に対する日本プロ野球界の視線が熱い。
8月24日に仁川文鶴球場で行われたSKと斗山の試合には、阪神タイガースのスカウトが訪れた。斗山の先発ニパートの投球を見るためだった。メジャーリーグのワシントンのスカウトも姿を見せた。今冬に本格化するスカウト合戦に先立ち、事前調査を行うためだ。
今季の韓国プロ野球には「良質」の助っ人外国人が多い。助っ人全盛時代をほうふつさせるほどだ。
斗山のニパート、LGのジュキチ、リズ、KIAのトレビスなど新規加入の優秀な助っ人が、前半戦の見どころを提供した。KIAのロペスを筆頭に、SKのグローバー、ロッテのサドスキー、ネクセンのナイトなど韓国に来て数年になる助っ人も、自分の役目をしっかりと果たした。後半戦では、SKのゴーデン、サムスンのマティス、ジャーマノ、ハンファのバティスタなど、途中移籍してきた助っ人選手も目覚ましい活躍を見せている。「シーズン中盤に獲得する助っ人は成功しにくい」という固定概念を打ち破った格好だ。
実力派の助っ人投手たちが一挙に韓国にやって来た理由は何か。各チームが心血を注ぎ、足労を惜しまず、投資を進めてきたからだ。
2009年にロペスやグトームソンを中心にKIAが韓国シリーズで優勝を収めた後、特級クラスの助っ人投手に対する需要が爆発した。フリーエージェント(FA)の資格を持つ(国内の)大物投手のスカウトは現実的に難しく、リスクが高いという点が考慮されてのことだった。
しかし、これまで韓国の助っ人市場は日本の攻勢の前に弱さを露呈していた。一部を除いたA級クラスの助っ人投手は、韓国での成功を引っ提げて日本進出を果たした。認めたくはないが、これまで韓国プロ野球は、日本進出への足場としての役目を果たしてきたのだ。
理由はもちろん年俸の格差によるものだった。日本に渡って1年目に成功すれば、翌年からは韓国とは比べものにならない巨額の年俸を手にすることができた。韓国で実力が検証済みの投手は、初年度から割高の年俸を手にすることができる。
かつて斗山で助っ人としてプレーし中日などで活躍したウッズ、KIAから今は巨人に移籍したグライシンガーなどは、韓国を経て日本で成功した代表的なケースだ。最近では斗山のリオスとヒメネスが、それぞれヤクルトと楽天のユニホームを着ている。
だとすれば、今年もやはり、韓国チームに在籍している助っ人外国人たちの日本行きが相次ぐのだろうか。今年ばかりはやや違った展開が予想されている。すでに斗山のニパートやLGのジュキチなど長身の若手助っ人は「チャンスが来たら、メジャーリーグには挑戦するとは思うが、日本へは行きたくない」と口をそろえる。単なる所属チームに対する「礼儀」レベルのインタビューといった意味合いを超え、何らかの本心が感じられるのは、一体なぜか。
これには内・外共に要因がある。まず外部要因として日本行きをためらう最大の原因は、今年初めに日本を直撃した東日本大震災の余波だ。日本にいる外国人選手たちの間でも「脱日本現象」は取り沙汰されている。金泰均(キム・テギュン)も帰ってきた。「安全」に特に敏感な外国人選手であれば、日本行きをためらうのは当たり前だろう。
また、助っ人投手に対する韓国市場の破格の待遇も、日本行きをためらわせる内部的要因となっている。優秀な助っ人投手に対する需要が高まり、競争が激しくなったことで、獲得のための資金が年々上昇している。助っ人外人の初年度年俸上限ラインである30万ドル(約2280万円)は、ずいぶん前に有名無実化した。日本野球が提示する年俸との実質的な格差はますます縮まってきている。
日本野球について誰よりも詳しいSKの金星根(キム・ソングン)前監督は今月初め、日本で吹き荒れる助っ人の年俸デフレ現象について説明した。金前監督は「日本は最近、助っ人の年俸が高ければ獲得を見送っている。最近ソフトバンクとも話したが、助っ人の年俸が2000万-3000万円だと聞いて驚いた」という。また「オリックスで活躍しているドミニカ共和国出身のフィガロは、昨冬にSKがスカウトしようとしていた選手だ。しかし、オリックスが多少先に動いた。韓国に来ていたら間違いなく10勝はできる投手だ。ところで同選手は、オリックスと何と30万ドルで契約したと聞いた」と、驚きの表情を浮かべた。
選手の立場からすれば、すでに適応した韓国でも高額の年俸をもらうことができるのに、あえて内外共に望ましくない日本行きを選択する理由が減っているというわけだ。