新年明けましておめでとうございます。今年は、明るいニュースが多く流れることを祈っています。
朝日新聞
・ 政治改革30年の先に 権力のありかを問い直す
読売新聞
・ 米中対立の試練に立ち向かえ 新時代に適した財政・社会保障に
毎日新聞
・ 次の扉へ AIと民主主義 メカニズムの違いを知る
日本経済新聞
・ 不確実性にたじろがず改革進めよ
中日新聞
・ 分断の時代を超えて 年のはじめに考える
※ 産経は社説(主張)は休みです。
読売です。
「米国が内向きの政治に転じ、欧州は、ポピュリズムの横行と英独仏の混迷で求心力が低下した。世界の安定を支えてきた軸が消えつつあるようだ。こうした中で、最も警戒すべきなのは、米国と中国の覇権争いによる混乱である。
「米国が直面する最大の脅威」「中国の経済的侵略」と米政権高官の対中認識は厳しい。超大国の座を脅かされた米国は、かつて「戦略的パートナー」と呼んだ中国への姿勢を一変させている。
トランプ政権のみならず、野党民主党も同じ認識を共有する。
世界1位と2位の経済大国の対立は、安全保障や通商、ハイテクなど多岐にわたり、相当長い間続くと覚悟すべきである。
米国とソ連による冷戦の終結宣言から30年、「新たな冷戦」に怯え、身をすくめていても意味はない。米国の同盟国であり、中国と深い関係にある日本こそが、地域の安定と繁栄を維持する責務を、粘り強く果たさねばならない。」
朝日が政権批判だけにこだわっている中で、読売のこの社説は、冷静に今の日本を見ています。
朝日は大丈夫か?
毎日です。
「プラットフォーマーと呼ばれるグーグルやフェイスブックの主な収入源は広告だ。利用者のネット履歴を基に、細かく狙いを絞った広告の配信をビジネスモデルにしている。
利用者は無料でサービスを受ける代わりに、好みなどの個人情報を差し出す。それがビッグデータとして集積された段階で莫大(ばくだい)な市場価値を生むように設計されている。
強力なAIは利用者の消費性向を知り尽くそうとする。その精度が高いとしたら、政治分野に応用することは容易だろう。ケンブリッジ社の例がそれをうかがわせた。
人類は過去にも情報爆発を経験している。15世紀の印刷技術発明や20世紀に登場したテレビ放送だ。
ただ、デジタル革命による情報爆発の特質は、その量が膨大過ぎて人間が共有できなくなったことだ。情報の海に飛び込んだ人間は、好みの情報にすがる。そこにフェイクニュースが紛れ込み、AIでカスタマイズされた情報が追いかけてくる。
脳科学者の茂木健一郎氏は「情報爆発と個々人の処理能力のギャップに目をつけると、悪用を含めいろんなことができる。その意味でAIが人間を超すシンギュラリティーはすでに起きている」と指摘する。
インターネットが普及し始めた当初、IT(情報技術)は情報格差をただし、人を水平方向につなぐ技術と思われていた。「eデモクラシー」という夢の構想も語られた。
ところが、ビッグデータとAIの組み合わせは、巨大IT企業群とユーザーを垂直に再編している。
政治的に見れば、SNS(交流サイト)は人びとの不満を増幅させて社会を分断する装置にも、権力者が個々に最適化させたプロパガンダを発信する道具にもなり得る。
民主主義の価値は試行錯誤を重ねるプロセスにある。人間は一人ひとり違うからこそ、対話を続けて集団の共感を維持しようとする。処理の速さと分類を得意とするAIとは根本的なメカニズムが異なる。」
AIと民主主義が相容れないことを説明しています。
AI情報の寡占化が問題なのです。逆に、AI情報を誰もが使える時代が来ると・・・・。
想像力がかき立てられます。
日経です。
「平成最後の元旦を迎えた。5月には新元号の時代が始まる。日本は平成の「停滞の30年」を脱してどう針路をとるべきだろうか。
世界はめまぐるしい変化の渦中にある。米国をリーダーに世界の集団的な安全保障や自由貿易を守ってきた体制は大きく揺らいだ。
トランプ米大統領は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、地球温暖化を防ぐパリ協定に従わない姿勢を示した。世界貿易機関(WTO)の紛争解決の機能は瀕死(ひんし)の状態だ。」
平成30年を「停滞の30年」とまとめました。
私なら「情報が網になった30年」とまとめます。
中日です。
「思い出されるのは、戦前ドイツで注目の政治学者カール・シュミットの政治論です。
政治学者三谷太一郎氏の簡明な説明を借りれば、国民を友と敵に分断する政治です。敵をつくることで民衆に不安と憎悪を募らせ、自己への求心力を高める。
敵をつくるだけで対話も議論もありません。その結果、多数派が少数派を抑圧し圧殺してしまう。独裁の理論化といわれます。
ナショナリズムもポピュリズムも同種です。
排外主義は国民を熱狂させやすい。ポピュリズムは目的遂行のため事実を隠すことがあります。
ヒトラー政権が用い、戦前戦中の日本も同じようなものでした。英米はきらったそうです。
今、シュミット流の分断政治が内外で進んでいるかのようです。 多数派の独走。議会手続きを踏んだふりをして数の力で圧倒してしまう。実際には国民の権利が奪われているのです。
では健全な民主主義を取り戻すにはどうしたらいいか。
分かり切ったことですが、まずうそをつかないことです。」
2019年の元日の社説は、中日がもっとも秀逸だと思います。
重い言葉です。
朝日新聞
・ 政治改革30年の先に 権力のありかを問い直す
読売新聞
・ 米中対立の試練に立ち向かえ 新時代に適した財政・社会保障に
毎日新聞
・ 次の扉へ AIと民主主義 メカニズムの違いを知る
日本経済新聞
・ 不確実性にたじろがず改革進めよ
中日新聞
・ 分断の時代を超えて 年のはじめに考える
※ 産経は社説(主張)は休みです。
読売です。
「米国が内向きの政治に転じ、欧州は、ポピュリズムの横行と英独仏の混迷で求心力が低下した。世界の安定を支えてきた軸が消えつつあるようだ。こうした中で、最も警戒すべきなのは、米国と中国の覇権争いによる混乱である。
「米国が直面する最大の脅威」「中国の経済的侵略」と米政権高官の対中認識は厳しい。超大国の座を脅かされた米国は、かつて「戦略的パートナー」と呼んだ中国への姿勢を一変させている。
トランプ政権のみならず、野党民主党も同じ認識を共有する。
世界1位と2位の経済大国の対立は、安全保障や通商、ハイテクなど多岐にわたり、相当長い間続くと覚悟すべきである。
米国とソ連による冷戦の終結宣言から30年、「新たな冷戦」に怯え、身をすくめていても意味はない。米国の同盟国であり、中国と深い関係にある日本こそが、地域の安定と繁栄を維持する責務を、粘り強く果たさねばならない。」
朝日が政権批判だけにこだわっている中で、読売のこの社説は、冷静に今の日本を見ています。
朝日は大丈夫か?
毎日です。
「プラットフォーマーと呼ばれるグーグルやフェイスブックの主な収入源は広告だ。利用者のネット履歴を基に、細かく狙いを絞った広告の配信をビジネスモデルにしている。
利用者は無料でサービスを受ける代わりに、好みなどの個人情報を差し出す。それがビッグデータとして集積された段階で莫大(ばくだい)な市場価値を生むように設計されている。
強力なAIは利用者の消費性向を知り尽くそうとする。その精度が高いとしたら、政治分野に応用することは容易だろう。ケンブリッジ社の例がそれをうかがわせた。
人類は過去にも情報爆発を経験している。15世紀の印刷技術発明や20世紀に登場したテレビ放送だ。
ただ、デジタル革命による情報爆発の特質は、その量が膨大過ぎて人間が共有できなくなったことだ。情報の海に飛び込んだ人間は、好みの情報にすがる。そこにフェイクニュースが紛れ込み、AIでカスタマイズされた情報が追いかけてくる。
脳科学者の茂木健一郎氏は「情報爆発と個々人の処理能力のギャップに目をつけると、悪用を含めいろんなことができる。その意味でAIが人間を超すシンギュラリティーはすでに起きている」と指摘する。
インターネットが普及し始めた当初、IT(情報技術)は情報格差をただし、人を水平方向につなぐ技術と思われていた。「eデモクラシー」という夢の構想も語られた。
ところが、ビッグデータとAIの組み合わせは、巨大IT企業群とユーザーを垂直に再編している。
政治的に見れば、SNS(交流サイト)は人びとの不満を増幅させて社会を分断する装置にも、権力者が個々に最適化させたプロパガンダを発信する道具にもなり得る。
民主主義の価値は試行錯誤を重ねるプロセスにある。人間は一人ひとり違うからこそ、対話を続けて集団の共感を維持しようとする。処理の速さと分類を得意とするAIとは根本的なメカニズムが異なる。」
AIと民主主義が相容れないことを説明しています。
AI情報の寡占化が問題なのです。逆に、AI情報を誰もが使える時代が来ると・・・・。
想像力がかき立てられます。
日経です。
「平成最後の元旦を迎えた。5月には新元号の時代が始まる。日本は平成の「停滞の30年」を脱してどう針路をとるべきだろうか。
世界はめまぐるしい変化の渦中にある。米国をリーダーに世界の集団的な安全保障や自由貿易を守ってきた体制は大きく揺らいだ。
トランプ米大統領は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、地球温暖化を防ぐパリ協定に従わない姿勢を示した。世界貿易機関(WTO)の紛争解決の機能は瀕死(ひんし)の状態だ。」
平成30年を「停滞の30年」とまとめました。
私なら「情報が網になった30年」とまとめます。
中日です。
「思い出されるのは、戦前ドイツで注目の政治学者カール・シュミットの政治論です。
政治学者三谷太一郎氏の簡明な説明を借りれば、国民を友と敵に分断する政治です。敵をつくることで民衆に不安と憎悪を募らせ、自己への求心力を高める。
敵をつくるだけで対話も議論もありません。その結果、多数派が少数派を抑圧し圧殺してしまう。独裁の理論化といわれます。
ナショナリズムもポピュリズムも同種です。
排外主義は国民を熱狂させやすい。ポピュリズムは目的遂行のため事実を隠すことがあります。
ヒトラー政権が用い、戦前戦中の日本も同じようなものでした。英米はきらったそうです。
今、シュミット流の分断政治が内外で進んでいるかのようです。 多数派の独走。議会手続きを踏んだふりをして数の力で圧倒してしまう。実際には国民の権利が奪われているのです。
では健全な民主主義を取り戻すにはどうしたらいいか。
分かり切ったことですが、まずうそをつかないことです。」
2019年の元日の社説は、中日がもっとも秀逸だと思います。
重い言葉です。