あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

「右翼教科書」採択

2011-09-04 07:05:20 | 日本を見つめる世界の目
中国でよく話題にあがる日本の教科書問題。

論調が変わってきたそうです。

http://news.livedoor.com/article/detail/5833065/

から引用します。

----------------
「右翼教科書」採択

来春から使用される教科書の採択が8月31日で終了しました。そこで今日は何かあると思い出したように中国から批判される日本の教科書問題に関する記事が『環球網』に掲載されており(「「日本多地采用右翼教科书 专家:执迷不悟将吞苦果」」)、大変興味深かったので、これについて少し。

 いうまでもなく常に問題になるのは、「右翼教科書」についてです。具体的名称を挙げると育鵬社から発行されている教科書の採択についてです。「右翼教科書」というと「新しい歴史教科書をつくる会」が発行していた『新しい歴史教科書』が有名ですが、この記事では両者の関係について以下のように記載しております。

 育鵬社は保守的色彩が強い扶桑社の傘下の出版社である。扶桑社は右翼的学者の団体である「新しい歴史教科書をつくる会」と共に、歴史的事実を歪曲し、日本の侵略戦争を美化する教科書を出版し、各地の小中学校に推奨した。 「新しい歴史教科書をつくる会」は1997年の設立で、右翼の専門家により組織された。彼は日本が戦後しようしている教材は「自虐史観」に満ちあふれたものであるとし、侵略に道理があったこと、植民地支配にも良い面があったという人類の文明史観に反することを提唱した。 2007年2月扶桑社は「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書の販売拡大をこれ以上図るのが難しいとして協力関係をやめた。これ以降「新しい歴史教科書をつくる会」を除名された八木秀次前会長が設立した「日本教育再生機構」と協力し、できたのが「教科書改善の会」であり、引き続き教科書を執筆し、育鵬社から発行した。

 確かに扶桑社は「新しい歴史教科書をつくる会」と袂を分かちましたが、その最たる理由は彼らのつくった『新しい歴史教科書』があまりに右傾化しすぎているとの批判を受けたため、採択率が低く、採算がとれなかったが故と理解しております。 そのため、相変わらず「右翼教科書」とされていますが、理屈から言えば、新たに育鵬社から発行された教科書は以前のものよりは、右傾化度合いが少ないはずです。しかし、私自身、両者の教科書を比較したことがないので、確たることが言えないため、これについてはこれまでといたします。

 『時事通信』の「「つくる会」系教科書採択=中学の歴史、公民で-香川県教委」を引用し、香川県で初めて育鵬社の教科書が採択されたことを紹介しています。その上で、この教科書が東京都、大阪市、横浜市、愛媛県などでも採用されたことを挙げ、「右翼教科書が日本では益々”歓迎されている”ようだ」といつもの論調になっています。

 これだけだったら、いつものことと思ってスルーしたのですが、最後に『日本新華僑報』蒋豊編集長の意見、「右翼教科書は確かに一部の地区で採用されているし、採用されている範囲や勢いも増している。しかしだからといってこれが普及していると言って良いわけではない。日本社会にはこうしたことに反対する声が多数存在する。」を紹介していました。

 そして蒋編集長の、日本は多元的価値を有する社会であり、こうしたことが起こるのは極めて自然で、これに対して過敏になったり、緊張しすぎたりすることはないという意見も掲載されておりました。もっともやはり最後は日本が歴史を正面から見つめないと、痛い目に遭うことになるということを言うのを忘れないのはご愛敬というところで。

 こういっては失礼になるかもしれませんが、やっと中国のこうした「歴史」に関係する問題で、日本には多用な価値観が存在し、必ずしも右傾化一辺倒ではないということを紹介するようになったかというのが私の偽らざる感想です。

 「靖国参拝」=右傾化、「右翼教科書」=右傾化、ひいては軍国主義と来るのがこれまでの中国の論調の主たるもので、いつまでステレオタイプ的な報道を繰り返せば気が済むのかと、あきあきしているところにこの記事を見つけたわけです。なおかつ、この記事が掲載されたのが、あの愛国主義的色彩の強い『環球網』ということで、その意味でも多少驚いております。

-------------

「日本には多用な価値観が存在し、必ずしも右傾化一辺倒ではないということを紹介するようになった」ことが、中国での報道の変化です。

 これは、暗に中国のマスコミを批判しているのでしょうか。
 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。