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NHK古代史ドラマスペシャル「大仏開眼」(前編)

2010-04-04 06:59:40 | 社会科関連情報
NHK古代史ドラマスペシャル「大仏開眼」(前編)

昨晩、前編が放送されました。
見応えありましたね。
平城京1300年を記念して、NHK大阪支局が力を入れてきたことがよく分かりました。
(ちなみに、我が家ではいまだにアナログで見ています。)

番組HPの「みどころ」には次のように書かれています。

-----------以下引用----------
8世紀、大仏建立を巨大エポックとするこの時代、大陸に派遣された遣唐使が伝えた思想と価値観は天平文化として華麗に花開き、「日本」という国家のかたちが出来上がりつつありました。しかしその裏では天皇を支える貴族間の政争、また税と飢餓に苦しむ民の姿がありました。混沌としたエネルギーに溢れたこの時代に、人々はどのような国を作り、また何のために巨大な盧舎那仏を作ろうとしていたのでしょうか。

ドラマでは唐から帰国して理想の国づくりに向かって思い、悩み、そして突き進んだ天才・吉備真備、大仏建立を命じた父・聖武帝の背中を見つめ続けてきた阿倍内親王(後の孝謙天皇)、そして二人の最大のライバルとして権勢を競い合った藤原仲麻呂の三人を軸にすえ、そこに生きた人々が繰り広げた愛と憎しみ、野望と挫折の人間模様をダイナミックに描き、日本人とは何かを問いかけます。
-----------引用終わり----------

平城宮跡で復原された大極殿でのロケ。

CGと現物の組み合わせ。
最新の時代考証。

社会科の授業では、「聖武天皇が仏教の力を借りて国をまとめようとした」などと教えますが、時代背景や人々の葛藤などがよく表現されていました。

前半はコンパクトに時代背景を説明しています。

吉岡秀隆が演じる遣唐使・吉備真備は、天平6年(734年)、17年振りに日本に帰国します。
唐で学んだ経験を買われて宮中に招かれた真備は、17歳の美しい娘・石原さとみ演じる阿倍内親王の教育係になります。
3年後、日本中を襲った天然痘で、それまで日本を動かしていた藤原四兄弟も亡くなります。
橘諸兄はたちまち右大臣に昇進し、真備や、聖武天皇の母の病を治した僧・玄が重用されます。
それに対して、藤原氏は一気に力を失い、盛り返そうとした藤原広嗣の乱が起きます。
その中で、母の進言もあり、聖武天皇は大仏の造立を思い描きます。
一方、真備と、真備の力を買う藤原仲麻呂が対立していきます。


以上がおおよその内容です。
以下は私見です。

吉備真備は、日本書紀にも登場する豪族・吉備氏の一族です。
天皇の妃を何人も輩出し、ヤマトタケルの母や妃は吉備氏だったと思います。
橘氏も藤原仲麻呂から見ると旧勢力。


この先、藤原道長・頼通時代まで勢力を伸ばし続ける藤原氏。
その成長過程であった、天然痘という“天災”を利用した、一時的な旧勢力の復権物語と見ることができます。

さらに、吉備真備は日本の陰陽道の元祖の一人。
番組では聖武天皇の母・宮子との関係はあまりよくわかりませんでしたが、真備と玄は、宮子への影響力を持っていたと思います。
将を射らんと欲すればまず母を・・・かな?



聖武天皇は、マザコンと噂されるほどの母親思い。
精神疾患のため母に会いたくても会えなかったのですが、その母のことを「大夫人」(おおみおや)と呼ぶように命令を出しています。



歴史は、裏で女性が動かしている・・・。

次回、後編は、大仏が登場します。

社会科学習の一助として、ぜひ、子ども達に見てほしいですね。

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