平成最後の日。新聞社の個性が表れるでしょう。
朝日新聞
・ 退位の日に 「象徴」「統合」模索は続く
読売新聞
・ 天皇陛下退位 国民と歩み象徴像を体現した
毎日新聞
・ 天皇陛下きょう退位 国民と共にあった長い旅
日本経済新聞
・ 未完の成熟国家だった平成の日本
産経新聞
・ 陛下、ありがとうございました 産経新聞社会長・熊坂隆光
中日新聞
・ 「当たり前」をかみしめて 平成のおわりに
※ 「平成最後」にふさわしい、興味深い社説が並びました。
朝日です。
「天皇陛下がきょう4月30日をもって退位する。
陛下にとっては、日本国憲法が定める象徴天皇像を追い求める「旅」に終止符を打ち、緊張から解放される日といえる。
皇后陛下も同様であろう。新たな皇室の姿を作りあげるうえで、美智子さまが果たした役割は大きい。長年のお二人の歩みに深い敬意を表したい。」
天皇制について考えています。
後半は政治批判です。
読売です。
「30年余にわたって真摯しんしに公務を果たし、象徴像を体現してこられたことに深く感謝したい。
天皇陛下がきょう退位される。退位による代替わりは、江戸後期の光格天皇以来、約200年ぶりだ。憲政史上初めてのことである。
陛下は1989年の即位後、「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べ、憲法が定める象徴の在り方を日々模索してこられた。」
前半は似ていますが、後半は異なります。
毎日です。
「天皇陛下がきょう退位される。
2016年8月、退位の意向をにじませる「おことば」を表明し、社会に驚きが広がってから2年8カ月。光格天皇以来、約200年ぶりの退位が実現する。
現行憲法のもと、象徴天皇として初めて即位し、あるべき姿を全身全霊で模索した平成の30年だった。
陛下は全国を訪れ、地域を支える市井の人々との接点を大事にしてきた。「おことば」の中で、こうした国民に対する深い「信頼と敬愛」をもって、天皇としての務めを果たせたと述べた。
「信頼と敬愛」は、父の昭和天皇が戦後間もない1946年のいわゆる「人間宣言」の中で、天皇と国民との関係について用いた文言でもある。陛下は同じ言葉の中に、ご自分と国民との新しい関係を築こうという思いを込めたのだろう。」
これも前半は似ていますが、後半は戦争の風化に移ります。
日経です。
「平成がきょうで終わる。
日本は元号の二文字に託した願い通り平和な時代を過ごすことができたが、成長力の鈍化や人口減社会という新たな課題への処方箋を見いだせなかった30年でもあった。この間の様々な経験と教訓を、次の令和の時代に生かしていかねばならない。
平成を振り返る一つのキーワードは「成熟」だろう。」
さすがに、天皇ではなく日本を対象にしています。
中日です。
「今日で天皇陛下が退位され、平成の時代が終わります。特別な節目の日ではありますが、思い浮かぶのは特別とは正反対、「当たり前」のことです。
一九八九年一月七日付の小紙の社説は「矛盾が多い消費税の価格転嫁」など二本で、「昭和のおわりに」という社説は載っていません。当然、その日が昭和の終わりになることを事前に誰も知らなかったからです。
とまれ、平成はその翌日に始まり三十年余。思えば、呱々(ここ)の声を上げた嬰児(みどりご)が大人に、紅顔の美青年が厚顔な中高年になるほどの時間です。社説で言えば、平成時代にざっと二万本が書かれた勘定。本稿が最後の一本かと思えば、いささかの感慨を禁じ得ません。
原発に制御されている」
中日は最後まで反原発です。
産経は記名記事です。
「平成の御代はきょう限りとなる。国民こぞって皇太子殿下のご即位を寿(ことほ)ぐ明日を前に、譲位される今上(きんじょう)陛下に言上(ごんじょう)したい。
「天皇陛下、どうもありがとうございました」
日本に生まれ、暮らす民の一人として、大きな声でそう申し上げたい思いでいっぱいである。」
朝日新聞
・ 退位の日に 「象徴」「統合」模索は続く
読売新聞
・ 天皇陛下退位 国民と歩み象徴像を体現した
毎日新聞
・ 天皇陛下きょう退位 国民と共にあった長い旅
日本経済新聞
・ 未完の成熟国家だった平成の日本
産経新聞
・ 陛下、ありがとうございました 産経新聞社会長・熊坂隆光
中日新聞
・ 「当たり前」をかみしめて 平成のおわりに
※ 「平成最後」にふさわしい、興味深い社説が並びました。
朝日です。
「天皇陛下がきょう4月30日をもって退位する。
陛下にとっては、日本国憲法が定める象徴天皇像を追い求める「旅」に終止符を打ち、緊張から解放される日といえる。
皇后陛下も同様であろう。新たな皇室の姿を作りあげるうえで、美智子さまが果たした役割は大きい。長年のお二人の歩みに深い敬意を表したい。」
天皇制について考えています。
後半は政治批判です。
読売です。
「30年余にわたって真摯しんしに公務を果たし、象徴像を体現してこられたことに深く感謝したい。
天皇陛下がきょう退位される。退位による代替わりは、江戸後期の光格天皇以来、約200年ぶりだ。憲政史上初めてのことである。
陛下は1989年の即位後、「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べ、憲法が定める象徴の在り方を日々模索してこられた。」
前半は似ていますが、後半は異なります。
毎日です。
「天皇陛下がきょう退位される。
2016年8月、退位の意向をにじませる「おことば」を表明し、社会に驚きが広がってから2年8カ月。光格天皇以来、約200年ぶりの退位が実現する。
現行憲法のもと、象徴天皇として初めて即位し、あるべき姿を全身全霊で模索した平成の30年だった。
陛下は全国を訪れ、地域を支える市井の人々との接点を大事にしてきた。「おことば」の中で、こうした国民に対する深い「信頼と敬愛」をもって、天皇としての務めを果たせたと述べた。
「信頼と敬愛」は、父の昭和天皇が戦後間もない1946年のいわゆる「人間宣言」の中で、天皇と国民との関係について用いた文言でもある。陛下は同じ言葉の中に、ご自分と国民との新しい関係を築こうという思いを込めたのだろう。」
これも前半は似ていますが、後半は戦争の風化に移ります。
日経です。
「平成がきょうで終わる。
日本は元号の二文字に託した願い通り平和な時代を過ごすことができたが、成長力の鈍化や人口減社会という新たな課題への処方箋を見いだせなかった30年でもあった。この間の様々な経験と教訓を、次の令和の時代に生かしていかねばならない。
平成を振り返る一つのキーワードは「成熟」だろう。」
さすがに、天皇ではなく日本を対象にしています。
中日です。
「今日で天皇陛下が退位され、平成の時代が終わります。特別な節目の日ではありますが、思い浮かぶのは特別とは正反対、「当たり前」のことです。
一九八九年一月七日付の小紙の社説は「矛盾が多い消費税の価格転嫁」など二本で、「昭和のおわりに」という社説は載っていません。当然、その日が昭和の終わりになることを事前に誰も知らなかったからです。
とまれ、平成はその翌日に始まり三十年余。思えば、呱々(ここ)の声を上げた嬰児(みどりご)が大人に、紅顔の美青年が厚顔な中高年になるほどの時間です。社説で言えば、平成時代にざっと二万本が書かれた勘定。本稿が最後の一本かと思えば、いささかの感慨を禁じ得ません。
原発に制御されている」
中日は最後まで反原発です。
産経は記名記事です。
「平成の御代はきょう限りとなる。国民こぞって皇太子殿下のご即位を寿(ことほ)ぐ明日を前に、譲位される今上(きんじょう)陛下に言上(ごんじょう)したい。
「天皇陛下、どうもありがとうございました」
日本に生まれ、暮らす民の一人として、大きな声でそう申し上げたい思いでいっぱいである。」