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西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【ピタゴラス】【インスタント哲学】/哲学チャンネル

2021-05-07 06:10:27 | 哲学の窓

哲学チャンネルより 西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【ピタゴラス】【インスタント哲学】を紹介します。

ここから https://www.youtube.com/watch?v=yVKWVK5PYIU

とっつきづらい哲学や心理学の内容を、出来るだけわかりやすく完結に お伝えすることを目的としたチャンネルです。 
 
ピタゴラスはイオニア地方のサモス島に生まれました。 宝石細工師の息子であった彼は、その後20年もの歳月をかけて 知識探究の旅に出ます。 旅の途中で、エジプトでは幾何学を学び、フェニキア人からは算術を学び カルディアでは天文学を学び、また密教についても学びました。 そうして知識を身につけたピタゴラスは故郷であるサモスに戻りますが、 当時サモスは圧政により学問を自由に探究できる状態ではありませんでした。 そこで現在のイタリア半島、当時ギリシアの植民都市であったクロトーンに移り住みます。 そこでカリスマ性をいかんなく発揮し、弁舌で人々を魅了します。 ピタゴラスを信仰する人が一人二人と集まり、 ついにピタゴラス教団を設立するまでに至るのです。 ・ピタゴラス教団 ピタゴラス教団は地域の有力者の支援なども受けて非常に大きな力を持ちます。 ピタゴラス教団に入るためにはとても難しい試験をクリアしなければならず、 結果教団内には数多くの天才が集まることになります。 有名なピタゴラスの定理もピタゴラス教団が発見したものです。 しかしピタゴラス教団は秘教であったため著書も残されておらず 謎の多い集団でもありました。 またピタゴラス教団では完全数や友愛数などの整数を宗教的に崇拝しており あるとき無理数(有理数ではない実数)を教団の一人が発見した際 無理数を認める代わりにその発見者を死刑にしてしまいました。 まさにカルトのそれです。 このようにピタゴラス教団は数に対して強い信仰を持っていて、 この宗教的な側面と数に対する信仰の側面が 後世に残るピタゴラスの思想に現れています。 余談ですが、ピタゴラス教団では豆が禁忌になってたそうです。 これはピタゴラスが個人的に豆を嫌いだったからなのですが 自分の嫌いなものを教団の禁忌にするあたり ピタゴラスの強烈なリーダーシップを感じます。 ・2つの側面(数と輪廻転生) ピタゴラスは 万物の始原は数である と説きました。 あらゆる事象には数が内在しており それゆえに数によって世界は解明できると考えたのです。 ヘラクレイトスは竪琴の音階を用いて動的な調和を説明しましたが ピタゴラスも音階に数の神秘を見出しました。 例えば、完全8度の音階を一般には『オクターブ』と呼びます。 低いドと高いドの音程は完全8度です。 そして、完全8度に対応する弦の長さは2:1となっています。 完全5度(ドとファ)に対応する弦の長さは3:2 完全4度(ドとソ)に対応する弦の長さは4:3です。 このように美しい響きを感じる音においての弦の長さの関係が 綺麗な整数比になっていることにピタゴラスは数の神秘を見出し 同じような形で世界は調和していると考えたのです。 ちなみに、ピタゴラスは太陽系に関しても音階と同じ関係性をとっていると考え、 実は星が移動することで完璧な音楽が奏でられていると考えました。 その音が聞こえないのは生まれた時から鳴り続けているため 耳が慣れてしまっているからであるとも付け加えました。 驚きなのがその説明の中で 『宇宙の中心にかまどがあり、その周りを10個の星が回っている』 と、地動説を唱えていたことです。 地動説が一般に広まるのは16世紀ですから 2000年近く前にそれに近い予測を立てていたということになります。 古代ギリシアはこういうのがいっぱいあって震えます。 このように数への信仰的側面において ピタゴラスは万物の始原を数だと考え、 その証明となり得るような理論を数多く発表したのです。 同時にピラゴラス教団の宗教的側面においては 魂の浄めによって個人の魂を救済することを教義の中心にしていました。 ピタゴラス教団の思想の基本に 『肉体(ソーマ)は魂(セーマ)の墓標』 というものがあります。 これは、肉体はただの魂の入れ物であって、 魂は肉体に結びついているよりも 肉体に入らず魂のみで存在している方が良い状態である。 という考え方です。 ピタゴラス教団では輪廻転生が信じられていましたが、 肉体に入った魂が肉体が朽ちることで抜け出し、 また次の肉体に入る。 このサイクルをどこかで抜け出さないといけないと考えました。 いわゆる解脱です。 そして、ピタゴラスは解脱のためには 数を始原とした音楽などが必要と考えたのです。 音楽とは先ほど説明した通り、 数で美しく説明することができます。 言い換えれば音楽は数学的な調和によって成り立っているのです。 この数学的に純化された音楽を知性によって聞き分けることで 魂の浄め(カタルシス)が得られると考えたのです。 このようにピタゴラスおよびピタゴラス教団は、 数を信仰し、輪廻転生からの離脱を目指して活動していました。 万物の始原は数である それまでにタレスやアナクシメネスが万物の始原に物質的なものを求めたのに対し ピタゴラスは論理的な形式を求めました。 これはヘラクレイトスが説いた論理(ロゴス)に近い考え方です。 より変化に焦点を当てた考え方ということですね。 ちなみに、ピタゴラス教団は例の難しい試験に落ちた人物が その遺恨から市民を先導したことによって焼き討ちされて壊滅してしまいます。 ピタゴラス自身も追っ手から逃げる最中、 目の前に豆畑が現れた際、そこを突っ切って逃げることはせず 教団の教え通り豆畑を避けたことにより捕まって殺されています。 奇人が多い古代ギリシアの哲学者の中でもかなり変わり者です。 いろいろなエピソードがありますので 気になったらぜひお調べになってみてください。​
 
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