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マーラー:交響曲第1番『巨人』(スコア付き)

2024-01-03 06:30:14 | 音楽雑感&関連サイト

マーラー:交響曲第1番『巨人』(スコア付き)

グスタフ・マーラー: 交響曲第1番『巨人』 (スコア付き) 作曲年代:1884-88年 指揮:ミヒャエル・ギーレン 管弦楽:南西ドイツ放送交響楽団

00:00 第1楽章 Langsam, schleppend (ゆるやかに、重々しく) (ニ長調) 15:41 第2楽章 Kräftig bewegt, doch nicht zu schnell (力強く運動して、ただし速すぎず) (イ長調) 22:43 第3楽章 Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen (緩慢でなく、荘重に威厳をもって) (ニ短調) 32:32 第4楽章 Stürmisch bewegt (嵐のように運動して) (ヘ短調 – ニ長調)

《交響曲第1番》の作曲は、グスタフ・マーラーがカッセル宮廷歌劇場の第2指揮者を務めていた1884年から始められた。この頃のマーラーは楽団を渡り歩きながらキャリアを積んでいた時期で、1885年にはプラハのドイツ劇場第2指揮者に、1888年にはブダペスト王立歌劇場の音楽監督に就任している。指揮活動の中で《交響曲第1番》の作曲は進められ、1888年11月に第1稿が「2部からなる交響詩」として完成した。 第1稿の初演は1889年11月20日にマーラー自身の指揮で行われたが、成功しなかった。そこでマーラーは、4楽章形式であった交響曲を5楽章に改訂し、各楽章に標題を加えるなどの改訂を施した。この稿は1893年10月29日に初演された。一方、1896年3月のベルリン公演にあたっては、再び4楽章形式に戻したうえで標題も削除し、タイトルも「交響曲」とした。このバージョンが今日では最もよく演奏されている。 交響曲は、第2楽章にスケルツォを置く形式で、マーラーの交響曲の中では比較的短い。第1楽章冒頭の4度下降する動機が統一動機で、各楽章に散りばめられている。第1楽章の第1主題は、カッセル宮廷歌劇場の第2指揮者を務めていた1885年に作曲された「さすらう若人の歌」の第2曲「朝の野原を歩けば」から取られている。第3楽章には、日本においては「グーチョキパーでなにつくろう」などで知られるフランス民謡から取られている。中間部も「さすらう若人の歌」からの引用である。 第4楽章はシンバルの衝撃的な音で始まる。"Energisch" と指示されたヘ短調の主題の後、変ニ長調の第2主題、そしてニ長調の勝利感に満ちた主題とつながり、これらが再現される形式である。終盤にはホルンパートに起立して演奏する指示があるなど、全曲を通してドイツ語の細かい指示が書き込まれている。 初演当初、交響曲に世俗的な歌曲や民謡を引用することはタブーとされていたことから、この交響曲に対する評価は分かれた。一方、曲想がわかりやすく演奏時間も手ごろなことから、最近の演奏機会はマーラーの交響曲の中では多い。また、マーラーが第2稿でつけた「巨人」という標題で呼ばれることもあり、わかりやすい標題から集客効果をあげることにも一役買っている。


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