『緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす』 田原総一朗 (著)
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ポプラ社 1,470(税込)
本の帯より
デジタル化の波は
教育現場にまで押し寄せている!
今こそ、教育とは何かを考えることが大切だ!
デジタル教科書時代に、
教師は必要か!?
学校は必要か!?
正解と間違いを教えることが学校教育ではない!
刺激的なタイトルに誘われて、一気に読んでしまいました。
戦後教育制度の予備知識があれば、小一時間ですっと読むことができます。
最後に目次を載せましたが、第1章と最終章以外はほとんどデジタル教育に関係なく、戦後教育改革の歩みを、裏話を交えながら紹介しています。
これまでの教育行政がどのような歩みだったのか、興味深く読み進めることができます。
田原さんの論点は、ほぼ1点、コミュニケーションが大切だと言うことです。
ただ、それは、教育の情報化の反対論にはなりません。
私自身は、教科書は紙でよいと思っています。
ただ、情報端末はあってもよいと思います。
これまでの、教室や黒板、教科書や教師がなくなるのではなく、これまでにプラスして情報端末があるのです。
それなら賛成の立場です。
田原さんは、本の帯で、
「デジタル教科書時代に、
教師は必要か!?
学校は必要か!?
正解と間違いを教えることが学校教育ではない!」
と言っていますが、教師や学校が必要なことは、デジタル推進派も同じでしょう。
少しずれている気がします。
その他でも首を傾げるところもありますが、戦後の教育の流れを大まかにつかむにはわかりやすい書だと思います。
「ゆとり教育批判のデータは、こじつけに過ぎない!」「「教育再生会議」は教育現場を何も分かっていない!」など、「その通り!」と思えるところもあります。
ぜひ手にとってご覧ください。
もくじ
緊急提言! ・・・・・・5
第1章 教育の現場からの警告、デジタル教育時代の危機 ・・・・・・25
1 悩みが何なのかわからない ・・・・・・25
2 教育の基本はコミュニケーション ・・・・・・28
3 教科書デジタル化 ・・・・・・30
4 ipadの可能性は無限大なのか ・・・・・・31
5 便利だから危険性も当然ある? ・・・・・・36
6 メールによるいじめの深刻さ ・・・・・・37
7 個人譲歩の流出の極限は、「炎上」! ・・・・・・41
8 ネットでなければ、コミュニケーションできない日本人が増殖 ・・・・・・42
9 若手報道記者の政治家取材も携帯で! の時代 ・・・・・・44
10 デジタル教科書がもたらすものは・・・・・・ ・・・・・・45
11 学校へ行く意味は、「刺激」を得るため ・・・・・・47
12 「正解」と「間違い」だけを教えるのなら、学校はいらない ・・・・・・48
第2章 学校とは何なのか! 教育とは何なのか! ・・・・・・51
1 勉強ばかりさせて、本当の教育をしない親たち ・・・・・・51
2 祖母から受けた教えの意味が40歳頃にわかる ・・・・・・52
3 ”よのなか科” ・・・・・・55
4 学力最下位に等しい、大阪府の成績向上の取り組み ・・・・・・62
5 「よのなか科」は本物の、ゆとり教育だった ・・・・・・63
6 「陰山方式」の成果 ・・・・・・66
7 教育に使う”カネ”がない ・・・・・・68
8 「教育」とは何なのか、「学校」とは何なのか ・・・・・・71
9 戦争は終わった ・・・・・・73
10 180度変わった価値観 ・・・・・・76
11 「疑う気持ち」が植えつけられた ・・・・・・77
12 社会主義に絶望した ・・・・・・79
第3章 迷走した戦後の教育改革 ――「詰め込み」から「ゆとり」へ・・・・・・83
1 戦後教育に危機感を持っていた小渕首相からの“ブッチホン” ・・・・・・83
2 中曽根首相の「臨教審」の真の狙いは「教育基本法」の改訂 ・・・・・・86
3 教育の自由化とは ・・・・・・88
4 高校進学91.9%の、「教育の大衆化」の成果を得た後は ・・・・・・91
5 「ゆとり」という言葉の意味は ・・・・・・92
6 文部省任せでない、もっと自由で個性に応じた教育を ・・・・・・94
7 校内暴力で、教師受難の時代 ・・・・・・95
8 「臨教審」の教育改革の指針とは ・・・・・・96
9 文部省自体の改革が必要だった? ・・・・・・98
10 その時、文部官僚はどう考えていたのか ・・・・・・99
11 文部省が取った「臨教審」封じ込め作戦 ・・・・・・101
12 「リクルート事件」の微妙な関係 ・・・・・・103
13 新しい「学習指導要領」を新聞はどう報じたか ・・・・・・105
14 「新しい学力観」というキーワード ・・・・・・106
15 「ゆとり教育」への大批判始まる ・・・・・・108
16 次々に示される学力低下のデータ ・・・・・・110
17 教育改革はまるで、イリュージョン ・・・・・・112
18 データなき教育改革の真相とは ・・・・・・115
19 詰め込み教育、受験地獄は本当にあったのか ・・・・・・116
20 日本の子どもは勉強していなかった! ・・・・・・118
21 何のために勉強するのかわからない時代 ・・・・・・120
22 教育改革をめぐる省庁間の戦い ・・・・・・122
23 「ゆとり教育」見直しの方向転換 ・・・・・・124
24 大転換はどのように行われたのか ・・・・・・126
25 時代はもとには戻らない。21世紀型の教育を目指し続けたい ・・・・・・128
26 困惑する現場 ・・・・・・130
27 「総合的な学習の時間」に何ができるのか ・・・・・・132
28 未来を明るく築けない子どもたち ・・・・・・134
第4章 見直される教育改革――21世紀型新時代の教育へ ・・・・・・137
1 戦後以来の「教育基本法改正」とは ・・・・・・137
2 教員免許に10年ごとの更新制度を導入したら ・・・・・・139
3 豊かで少子化の時代には、「個と公」「自由と規律」のバランスが重要 ・・・・・・144
4 ゆとり教育批判のデータは、こじつけに過ぎない! ・・・・・・146
5 学力低下の真の原因はゆとり教育だったのか ・・・・・・148
6 「勉強は大切だが、勉強が嫌い」という中高生たち ・・・・・・150
7 学ぶ楽しさを求めるなら、学校より予備校で ・・・・・・151
8 学力低下の原因は、ベビーブームにあった? ・・・・・・153
9 「教育再生会議」は教育現場を何も分かっていない! ・・・・・・156
10 リアリズムなき教育改革が、教育を混乱させている ・・・・・・159
11 家と教室と道路の、区別がつかない子どもたち登場 ・・・・・・162
12 かつて、学校は地域によって守られていた ・・・・・・163
13 自殺、殺人、いじめ、何だって課題になるという考え方 ・・・・・・166
14 日本の教育は、なぜ「上意下達」にならざるを得なかったのか ・・・・・・169
15 コミュニティ・スクールは新教育システムのお手本に ・・・・・・171
16 他人に敏感、自分に鈍感な子どもたちに人間関係を教えるプロたち ・・・・・・174
17 地域の力で10の成果を12にも13にもできる ・・・・・・176
18 成績によるクラス分けと、見守る母親「サポート隊」の実施 ・・・・・・179
19 初の「人間探求家」と「自然探求家」のある高校 ・・・・・・181
20 「大学受験勉強」ではなく、大学での勉強をする ・・・・・・182
21 教育は前例のある確かな方法で ・・・・・・185
22 教育は「見果てぬ夢」ではない ・・・・・・186
23 デジタル時代21世紀の文部省の指針は「IT」から「ICT」へ ・・・・・・187
最終章 先進的なデジタル教科書が日本を滅ぼすその理由 ・・・・・・189
1 「朝まで生テレビ!」は私にとっていまだ「学びの場」である ・・・・・・191
2 デジタル教科書の導入で教師のあり方を変えられるなら ・・・・・・193
3 コミュニケーションを育てる教育をもっとガンガンやり合う ・・・・・・194
4 デジタル教育は議論ができない日本人の欠点を助長する ・・・・・・196
あとがき 本気で日本の教育を考える ・・・・・・199
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ポプラ社 1,470(税込)
本の帯より
デジタル化の波は
教育現場にまで押し寄せている!
今こそ、教育とは何かを考えることが大切だ!
デジタル教科書時代に、
教師は必要か!?
学校は必要か!?
正解と間違いを教えることが学校教育ではない!
刺激的なタイトルに誘われて、一気に読んでしまいました。
戦後教育制度の予備知識があれば、小一時間ですっと読むことができます。
最後に目次を載せましたが、第1章と最終章以外はほとんどデジタル教育に関係なく、戦後教育改革の歩みを、裏話を交えながら紹介しています。
これまでの教育行政がどのような歩みだったのか、興味深く読み進めることができます。
田原さんの論点は、ほぼ1点、コミュニケーションが大切だと言うことです。
ただ、それは、教育の情報化の反対論にはなりません。
私自身は、教科書は紙でよいと思っています。
ただ、情報端末はあってもよいと思います。
これまでの、教室や黒板、教科書や教師がなくなるのではなく、これまでにプラスして情報端末があるのです。
それなら賛成の立場です。
田原さんは、本の帯で、
「デジタル教科書時代に、
教師は必要か!?
学校は必要か!?
正解と間違いを教えることが学校教育ではない!」
と言っていますが、教師や学校が必要なことは、デジタル推進派も同じでしょう。
少しずれている気がします。
その他でも首を傾げるところもありますが、戦後の教育の流れを大まかにつかむにはわかりやすい書だと思います。
「ゆとり教育批判のデータは、こじつけに過ぎない!」「「教育再生会議」は教育現場を何も分かっていない!」など、「その通り!」と思えるところもあります。
ぜひ手にとってご覧ください。
もくじ
緊急提言! ・・・・・・5
第1章 教育の現場からの警告、デジタル教育時代の危機 ・・・・・・25
1 悩みが何なのかわからない ・・・・・・25
2 教育の基本はコミュニケーション ・・・・・・28
3 教科書デジタル化 ・・・・・・30
4 ipadの可能性は無限大なのか ・・・・・・31
5 便利だから危険性も当然ある? ・・・・・・36
6 メールによるいじめの深刻さ ・・・・・・37
7 個人譲歩の流出の極限は、「炎上」! ・・・・・・41
8 ネットでなければ、コミュニケーションできない日本人が増殖 ・・・・・・42
9 若手報道記者の政治家取材も携帯で! の時代 ・・・・・・44
10 デジタル教科書がもたらすものは・・・・・・ ・・・・・・45
11 学校へ行く意味は、「刺激」を得るため ・・・・・・47
12 「正解」と「間違い」だけを教えるのなら、学校はいらない ・・・・・・48
第2章 学校とは何なのか! 教育とは何なのか! ・・・・・・51
1 勉強ばかりさせて、本当の教育をしない親たち ・・・・・・51
2 祖母から受けた教えの意味が40歳頃にわかる ・・・・・・52
3 ”よのなか科” ・・・・・・55
4 学力最下位に等しい、大阪府の成績向上の取り組み ・・・・・・62
5 「よのなか科」は本物の、ゆとり教育だった ・・・・・・63
6 「陰山方式」の成果 ・・・・・・66
7 教育に使う”カネ”がない ・・・・・・68
8 「教育」とは何なのか、「学校」とは何なのか ・・・・・・71
9 戦争は終わった ・・・・・・73
10 180度変わった価値観 ・・・・・・76
11 「疑う気持ち」が植えつけられた ・・・・・・77
12 社会主義に絶望した ・・・・・・79
第3章 迷走した戦後の教育改革 ――「詰め込み」から「ゆとり」へ・・・・・・83
1 戦後教育に危機感を持っていた小渕首相からの“ブッチホン” ・・・・・・83
2 中曽根首相の「臨教審」の真の狙いは「教育基本法」の改訂 ・・・・・・86
3 教育の自由化とは ・・・・・・88
4 高校進学91.9%の、「教育の大衆化」の成果を得た後は ・・・・・・91
5 「ゆとり」という言葉の意味は ・・・・・・92
6 文部省任せでない、もっと自由で個性に応じた教育を ・・・・・・94
7 校内暴力で、教師受難の時代 ・・・・・・95
8 「臨教審」の教育改革の指針とは ・・・・・・96
9 文部省自体の改革が必要だった? ・・・・・・98
10 その時、文部官僚はどう考えていたのか ・・・・・・99
11 文部省が取った「臨教審」封じ込め作戦 ・・・・・・101
12 「リクルート事件」の微妙な関係 ・・・・・・103
13 新しい「学習指導要領」を新聞はどう報じたか ・・・・・・105
14 「新しい学力観」というキーワード ・・・・・・106
15 「ゆとり教育」への大批判始まる ・・・・・・108
16 次々に示される学力低下のデータ ・・・・・・110
17 教育改革はまるで、イリュージョン ・・・・・・112
18 データなき教育改革の真相とは ・・・・・・115
19 詰め込み教育、受験地獄は本当にあったのか ・・・・・・116
20 日本の子どもは勉強していなかった! ・・・・・・118
21 何のために勉強するのかわからない時代 ・・・・・・120
22 教育改革をめぐる省庁間の戦い ・・・・・・122
23 「ゆとり教育」見直しの方向転換 ・・・・・・124
24 大転換はどのように行われたのか ・・・・・・126
25 時代はもとには戻らない。21世紀型の教育を目指し続けたい ・・・・・・128
26 困惑する現場 ・・・・・・130
27 「総合的な学習の時間」に何ができるのか ・・・・・・132
28 未来を明るく築けない子どもたち ・・・・・・134
第4章 見直される教育改革――21世紀型新時代の教育へ ・・・・・・137
1 戦後以来の「教育基本法改正」とは ・・・・・・137
2 教員免許に10年ごとの更新制度を導入したら ・・・・・・139
3 豊かで少子化の時代には、「個と公」「自由と規律」のバランスが重要 ・・・・・・144
4 ゆとり教育批判のデータは、こじつけに過ぎない! ・・・・・・146
5 学力低下の真の原因はゆとり教育だったのか ・・・・・・148
6 「勉強は大切だが、勉強が嫌い」という中高生たち ・・・・・・150
7 学ぶ楽しさを求めるなら、学校より予備校で ・・・・・・151
8 学力低下の原因は、ベビーブームにあった? ・・・・・・153
9 「教育再生会議」は教育現場を何も分かっていない! ・・・・・・156
10 リアリズムなき教育改革が、教育を混乱させている ・・・・・・159
11 家と教室と道路の、区別がつかない子どもたち登場 ・・・・・・162
12 かつて、学校は地域によって守られていた ・・・・・・163
13 自殺、殺人、いじめ、何だって課題になるという考え方 ・・・・・・166
14 日本の教育は、なぜ「上意下達」にならざるを得なかったのか ・・・・・・169
15 コミュニティ・スクールは新教育システムのお手本に ・・・・・・171
16 他人に敏感、自分に鈍感な子どもたちに人間関係を教えるプロたち ・・・・・・174
17 地域の力で10の成果を12にも13にもできる ・・・・・・176
18 成績によるクラス分けと、見守る母親「サポート隊」の実施 ・・・・・・179
19 初の「人間探求家」と「自然探求家」のある高校 ・・・・・・181
20 「大学受験勉強」ではなく、大学での勉強をする ・・・・・・182
21 教育は前例のある確かな方法で ・・・・・・185
22 教育は「見果てぬ夢」ではない ・・・・・・186
23 デジタル時代21世紀の文部省の指針は「IT」から「ICT」へ ・・・・・・187
最終章 先進的なデジタル教科書が日本を滅ぼすその理由 ・・・・・・189
1 「朝まで生テレビ!」は私にとっていまだ「学びの場」である ・・・・・・191
2 デジタル教科書の導入で教師のあり方を変えられるなら ・・・・・・193
3 コミュニケーションを育てる教育をもっとガンガンやり合う ・・・・・・194
4 デジタル教育は議論ができない日本人の欠点を助長する ・・・・・・196
あとがき 本気で日本の教育を考える ・・・・・・199