あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 作品90 (スコア付き)

2024-06-28 06:30:38 | 音楽雑感&関連サイト

ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 作品90 (スコア付き)

ヨハネス・ブラームス: 交響曲第3番ヘ長調 作品90 (スコア付き) 作曲年代:1883年夏 指揮:サイモン・ラトル 管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

00:00 第1楽章 Allegro con brio (ヘ長調) 13:54 第2楽章 Andante (ハ長調) 23:12 第3楽章 Poco allegretto (ハ短調) 29:58 第4楽章 Allegro (ヘ短調)

「交響曲第3番ヘ長調 作品90」は、ブラームスが50歳のとき、第2交響曲から6年後の1883年に作曲された交響曲である。作曲の経緯についてはほとんどわかっておらず、1883年9月末までには完成したということだけである。この1883年9月というのは宿敵ワーグナーの死から約半年後である。第3交響曲の初演時にはワーグナー派からは「独創性に欠けたできそこない」、ブラームス派からは「ブラームスの『英雄交響曲』」などの評価を受けた。 この交響曲を分析する上で欠かせないのが「モットー」という考え方である。モットーはモチーフをさらに抽象化したもので、柔軟に機能する。この交響曲は、全楽章に共通のモットーが内在している。 そのモットーは第1楽章冒頭 (00:08) の「f - as - f」という音型である。ここで、ヘ長調の交響曲のモットーにas音が組み込まれていることに注目されたい。as音はヘ短調の音階の音である。モットーに短調の音を組み込むことにより、長調と短調のせめぎ合いによって音楽に葛藤が生み出されている。 また、この交響曲では、楽章間の連結も顕著である。第4楽章の厳かな雰囲気の旋律 (30:31) は、実は第2楽章で1度だけ登場した旋律 (16:29) の変形である。さらに、第4楽章のコーダではモットーとともに第1楽章の主要主題が登場する (38:26~)。スコアを見ながら聴くことで、以上に示したこと以外にも、面白い発見があると幸いである。

 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。