- 1 「レヴィナス」とその思想とは?
- 1.1 「レヴィナス」はホロコーストを生き延びた二十世紀を代表する哲学者
- 1.2 「人は何のために生きるのか」を徹底的に考え抜いた
- 1.3 フッサールの「現象学」とハイデガーの「存在論」から出発した
- 1.4 「顔」とは「他者が私と対面する状況」を表す
- 1.5 デリダは『暴力と形而上学』においてレヴィナスを批判した
- 2 「レヴィナス」の主著と名言を紹介
- 2.1 『全体性と無限』1961年
- 2.2 『存在の彼方へ』1974年
- 2.3 レヴィナスの「名言」
- 3 まとめ
レヴィナスは、私が学生時代にバリバリの現役哲学者なので、最近の人という感じです。
フッサールとハイデガー から出発し、実存と他者について論じました。
フッサールとハイデガー から出発し、実存と他者について論じました。
そのベースには、ユダヤ人として抑留され、多くの身内が殺された現実から出発しているものと思われます。
息子さんの Michaël Levinas は、YouTubeでもたくさん出てくる現代音楽の作曲家です。
お父さんも難しいのですが、息子さんの音楽も難しい・・・・。
まとめを紹介します。
レヴィナスは、ナチス政権のユダヤ人弾圧を生き延びたことの「罪」を背負い、人は何のために生きるのか、平和とは何かを過剰なまでに考え抜きました。そのテキストは晦渋をきわめ、研究者によって解釈が大きく異なります。
レヴィナスの翻訳と研究で知られる内田樹氏は、レヴィナスの言葉がほんとうはどいういう意味なのか、通り一遍の了解に至ることはできず、読者のニーズにおいていろいろな読み方ができると述べています。
レヴィナス入門書はたくさん出版されていますが、内田氏がレヴィナスについて個人的考察を収めたとする『レヴィナスと愛の現象学』は、レヴィナスがそう語っているように聞こえたことを、できるだけ自分自身の言葉で言い換えようと試みたと著者があとがきで述べているとおり、レヴィナスの読み方指南の本としても読むことができます。レヴィナスの思考の端緒をつかみたい人におすすめです。