小牧FW -5-
2023年12月9日(土)、中日文化センター主催、「歩いて巡る愛知の古城と史跡」(2023年10~12月)「小牧山城と周辺史跡めぐり」へ行ってきました。
その様子を、数回にわたって紹介します。今回は5回目、その最終回です。
小牧長久手の戦いにおける砦群です。
図の大手道の上にある「空堀跡」です。
堀に沿って攻めてきた兵が
堀がL字に曲がり
ここで行き止まり。周囲の兵から上から銃や弓で攻撃を受けることになります。
説明板です。
石垣の一部が残っています。
石垣が整備されています。
説明板です。
文字起こししてみましょう。
主郭をめぐる 2~ 3段の石垣のうち、この辺りの1段目の石垣 (石垣1) は、 他に比べて大きな石材が使われ、 推定される高さは3.5m です。 古くから石垣の一部が見えており、 江戸時代に作られた 「春日井郡小牧村古城絵図」 (名古屋市蓬左文庫所蔵) では、四角形で表現された石垣が描かれています。
2段目の石垣 (石垣II) の前に点々とある石は、かつては石垣に積まれていた石が転落したもので、 石垣が崩れたことを示すものとしてそのまま残しています。 石の転落原因ははっきりとわかっていません。 主郭の南側で、 崩れた石垣石材や裏込め石が、 天正12(1584) 年の小牧・長久手の合戦時に造られた土塁にせき止められている状況が発掘調査で確認されています。
このことから小牧・長久手の合戦後に壊された (破城) か、 あるいは慶長15(1610)年から造られ始めた名古屋城の石垣石材とするための築石 (石垣に積み上げている石) の搬出などが可能性として考えられます。
文字起こししてみましょう。
主郭をめぐる石垣
2~3段の段差石垣
小牧山城の主郭では、 2~3段の石垣が出入口を除いてほぼ途切れることなくめぐります。 特にこの北側では、 3段目の石垣が良好な状態で見つかりました。
石垣は上段から石垣Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと呼称しています。 いずれの石垣も、調査ではおもに地面付近の石垣が残存するのみでしたが、 石垣背後に入れられた裏込石の分布範囲から石垣の高さを推定することができます。 復元する際には、 残存する石垣の高さに合わせて新しく石材を補充し、 石と石の間には間詰石を入れました。
石垣を積む技術
石垣の石材は、ほとんどが小牧山の中から運んだ堆積岩 (チャート) で、加工せず自然の形のままで積まれています。 このような石垣の積み方を野面積といいます。石垣の背後には拳~人頭大の石が0.7~1mほどの幅で入れられています。 これらの石を裏込石といいます。 裏込石には、 雨水を浸透・ 排出させたり、 地震などで石垣に加わる振動を吸収する役割があります。 石垣を崩れにくくするための技術・工夫が小牧山城で導入されたことを示しています。
模擬天守から見た眺めです。
東側の曲輪です。
文字起こししてみます。
永禄6年(1563) 織田信長は、小牧山に初めて城を築き、 清須城からここに居城を移しました。
信長が築いた小牧山城には、 山の北麓から東麓にかけて、山を取り巻くように武家屋敷が並んでいました。 武家屋敷は主に45m四方の規模で、屋敷境を堀で区画しているところがあります。 正面に位置する曲輪402は、 75m四方で麓の曲輪の中では最も広く、土塁と堀で囲まれており、信長の居館があったのではないかと推定されています。 屋敷内部にあたる部分は、かつてここにあった中学校の運動場造成のために削平を受けており、史跡整備前に行った発掘調査では、 堀など深く掘り込まれた跡しか確認しておらず、ここにどのような建物があったかは明らかになっていません。
信長の居館があった可能性が高い曲輪
堀跡が残っています。
井戸の跡です。
堀の断面が残されています。
この側溝が、もと堀がありました。
小牧駅へ向かう途中に道標がありました。
以上で小牧FWの紹介を終わります。
動画を紹介します。
小牧FW -1-
小牧FW -2-
小牧FW -3-
小牧FW -4-
小牧FW -5-最終回
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