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西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【アリストテレス】〜イデア論批判、四原因説〜/哲学チャンネル

2021-05-21 06:10:26 | 哲学の窓

哲学チャンネルより 西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【アリストテレス】〜イデア論批判、四原因説〜を紹介します。

ここから https://www.youtube.com/watch?v=6wrlyCXVHK0

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【関連した過去動画】 西洋哲学史 古代ギリシャ哲学解説【プラトン】① 〜イデア論・善のイデア〜 https://youtu.be/cbAuGHu64ao 【オススメ書籍】 アリストテレス 弁論術 https://amzn.to/2LLXbAM とっつきづらい哲学や心理学の内容を、出来るだけわかりやすく完結に お伝えすることを目的としたチャンネルです。 チャンネル登録、高評価、拡散、ぜひぜひ宜しくお願いいたします。 Twitter https://twitter.com/tetsugaku_ch ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・アリストテレス生い立ち アリストテレスはトラキア地方のスタゲイラにて生まれ、 マケドニア人としての人生をスタートさせます。 その後、18歳ごろにアテナイに渡り、 プラトンの作ったアカデメイアに入門しました。 そこからプラトンが亡くなるまでの20年間、 アカデメイアで勉強を続けたと言われています。 プラトンには『学園の精神』と評価されていたようで、 勉強のみならず、後進の指導にも携わっていました。 アリストテレスはその生涯でたくさんの著作を残しました。 その範囲は非常に広く、ざっとあげてみても 形而上学 倫理学 論理学 政治学 宇宙論 天文学 物理学 生物学 心理学 など、多岐に渡ります。 アリストテレスは哲学のことを 『知的欲求を満たす知的行為そのもの』 と捉えていたようで、つまり先ほど述べた全ての学問は アリストテレスにとってみれば全部哲学であるということができます。 後世に与えた影響や功績、どれをとってもトップクラスであり、 西洋最大の哲学者であり、万学の祖とも呼ばれています。 ・イデア論の批判 そんなアリストテレスですが、 師であるプラトンのイデア論を批判したことで有名です。 イデア論に関しては過去動画をご覧ください。 アリストテレスは 『イデア界、イデアなどは存在しない』 と言います。 その根拠として美のイデアを例に出しました。 イデア論では全てのものには美のイデアが備わっていると言います。 花にも馬にも人間にも、美のイデアが備わっており、 私たちはその共通の美のイデアを参照して美しいか否かを判断しているのだと。 しかし、美のイデアがあるのならば、醜のイデアも存在するはずです。 するとここで問題が起きます。 醜いものは美しくないものだから醜のイデアには 美のイデアが存在しないことになってしまうのです。 これは矛盾であり、このような矛盾が生じる考え方は 間違っているとアリストテレスは言ったのです。 そして、イデア論は間違えているばかりか 『無意味に事物を2倍にしただけだ』 として痛烈に批判されてしまいます。 目の前に存在があるにもかかわらず、 わざわざあるかもわからないイデア界を持ち出して 目の前の存在を考えるのは二度手間だと考えたんですね。 では、アリストテレスは【存在】について どのような考察をしたのでしょうか。 ・四原因説 アリストテレスは 『物事の原因は4つの要因から成り立っている』 と考えました。 ここでいう【物事の原因】とは、 【そのものを存在たらしめる要因】と言い換えることもできます。 もっとざっくり言うと【それがある理由】と捉えても良いかもしれません。 これを四原因説と呼びます。 4つの原因とは 質料因 形相因 起動因 目的因 のことです。 家を例にとって考えてみましょう。 家における【質量因】は材料です。 木造の家なら木を使いますし、レンガや釘、 ガラスなども使うかもしれません。 このような【存在するものの物質的な要因】を【質料因】と言います。 次に、家を建てるためには『家はこのような形』と言う イメージが必要です。いわば設計図ですね。 これが【形相因】です。 【エイドス】とも呼ばれますが、これがプラトンの言う【イデア】に 近い要素です。 イデアとエイドスは発音が違う同じ言葉だと思って良いです。 このような【そのものが何かを規定するもの】を【形相因】と言います。 更に、家を建てるためには家を建てる行動が必要です。 この場合は大工さんや建築家がそれに当たりますね。 そのような作用が働かなくては家は完成しないわけです。 このような【そのものの運動変化の要因】を【起動因】と言います。 最後に、家を建てるのは何故でしょうか? 物事には必ず理由があります。 家を建てるからにはその家に住みたい人がいたか、売りたい人がいたはずです。 その目的があるからこそ家が建つという結果が生まれる。 このような【そのものが存在する目的】を【目的因】と言います。 これらの4つの要因が重なって初めて、ものは存在すると アリストテレスは考えました。 逆に言うと、世の中のあらゆる存在には4つの要因が内在しているわけです。 そして、その中でも中心に位置するのは【形相因】です。 形相因がなければ質量である材料は材料のままですし、 形相因である設計図がなければ運動を与えることはできませんし、 形相因であるその完成図そのものが目的を達成する形ですし 全てが形相因とセットで存在しているのです。 アリストテレスはイデア論を批判し、 イデアにあたるものを形相因として提示したと言うことができますね。 また、この考え方は人工物だけではなく、 自然界の全てのものにも当てはめることができます。 例えば植物の質料因は種と捉えることもあらゆる原子と捉えることもできます。 形相因は遺伝子ですね。 起動因は繁殖を助ける虫や風と考えられます。 そして、目的因は存在していることそのものと言えます。 つまり、この世界にあるもの全ては 『何かしら理由を持って存在している』 そう考えたのです。 アリストテレスの功績は本当に様々ありますが、 四原因説においての大きな功績は、 プラトンが演繹法的に現実とはかけ離れた説を提唱したのに対し 帰納法的に現実世界に根差した理論に連れ戻したことが挙げられます。 これにより、現実世界の観察が重要視されることにつながり 後の科学の発展にも影響していくのです。 ・アリストテレスの最後 アリストテレスは40歳ごろまでアカデメイアで過ごし その後はアレクサンドロス大王の家庭教師を務めたりしながら 様々な功績を残していきます。 その後、アレクサンドロス大王が亡くなると、帝国の支配力は弱まり アテナイでマケドニア人への迫害が始まりました。 アリストテレスも例に漏れず、61歳ごろにカルキスと言う田舎に身を寄せて 病によって62歳でその生涯に幕を閉じます。 しかしアリストテレスの残した様々な学術的功績は 後世に大きな影響を与えます。 哲学においても、後のスコラ学などに深い影響を与えることになります。
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