あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

ドイツ人が、日本に興味を抱くワケ

2011-11-23 06:58:25 | 日本を見つめる世界の目
ドイツ人が、日本に興味を抱くワケ

日独関係について、興味深い記事がありましたので紹介します。

http://news.livedoor.com/article/detail/6051759/からの引用です。

松田雅央の時事日想:
 今年は日本とドイツの外交関係樹立150周年にあたり、私的な催しから要人訪問まで日独両国で多彩な記念行事が実施されている。先日訪れたヴュルテンベルク州にある都市カルフでも日本フェスティバルが催されていた。そこでひときわ目を引いたのは、デュッセルドルフを中心に活動するドイツ人の戦国武者グループだ。

●日独関係の今

 プロイセンの東方アジア遠征団が1860年秋、江戸に到着し、翌61年に日本と修好・通商・航海条約を結んだ。

画像:SAMURAIグループTAKEDA、居合術の実演、ほか
(http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1111/22/news026.html)

 150年前といえば世は幕末。1853年のペリー来航から1868年の大政奉還まで、西洋の衝撃を契機に新たな日本を模索する激動期であった。

 一方のドイツはプロイセン王国が統一をリードし、小国の集まりからドイツ帝国へと変貌を遂げ始めた時期。鉄血宰相として知られるビスマルク(首相任期:1962-1890年)が国力増強と国民統合を図り、今あるドイツの原型が形作られていった。

 日独はその後、第1次世界大戦では敵国として、第2次世界大戦では同盟国として戦い、現在では両国とも経済大国に数えられている。また両国は、経済、科学、政治、文化の分野において互いに重要なパートナーであり、幸運にも深刻な国家間の問題を抱えず共通の価値観と利害を分かち合っている。

 150周年の記念行事としては文化関連が最も多く、今回取り上げるカルフの日本フェスティバルでは、茶道や茶道、戦国武者グループのデモンストレーション、日本食の出店が来訪者を楽しませてくれた。

●武士道に傾倒

 戦国武者グループの名は「SAMURAIグループTAKEDA」。その名の通り武田信玄をモチーフとして、信玄の屋敷をイメージしながら武具を展示し武術をデモンストレーションしている。こういったグループを単なる「変わった趣味の人たち」と侮ってはいけない。彼らの情熱には目を見張るものがある。

 例えば写真に写っている戦国武将の旗印がそれぞれ誰のものかお分かりだろうか。グループのフックス代表に尋ねると「彼らは武田家の重臣で、左からKATSUYORI(武田勝頼)、TADA(多田三八郎)、YAMAGATA(山県昌景)、ITAGAKI(板垣信方)」とスラスラ出てくる。どこかで聞いた名ではあるが、筆者にはどういう人物か見当がつかない。

 ドイツ人にとっては戦国武将に関するすべてが珍しい。メンバーは「太刀」と「刀」の違い、流鏑馬(やぶさめ)、弓の扱い方など、日本人でもなかなか答えられない内容を見学者に説明していた。一番驚いたのは、身に付けている装束・鎧兜・武具がすべて手作りだと言う話。素材、紐の結び方、織り方、縫い方まで研究を重ね、一から作り上げたそうだ。

 グループを立ち上げたフックス代表がここまで戦国武将にのめり込んだのは、浮世絵好きの父親の影響が大きい。1979年にグループを立ち上げ、現在のメンバーは15人。

 今時、漫画・アニメのコスプレを楽しむドイツ人は珍しくないが、「SAMURAIグループTAKEDA」はドイツにおけるコスプレの先駆者に違いない。趣味もここまでくればアッパレだ。

●日本の精神世界に注目

 ドイツ人が抱く日本のイメージについては、本連載「不思議の国ニッポンが、好かれる理由」でも紹介したが、ドイツ在住日本人の立場を他の国々、特に東アジア諸国の外国人と比べると扱いは別格だ。その背景には日本独特の精神世界へ敬意があると思う。

 ドイツは哲学の盛んな国。注目すべき宗教・思想・伝統文化を持つ国に対して一目置くところがあり、日本の禅、柔道・弓道・合気道、書道・茶道・華道に関心を持つ知識層は多い。SAMURAIグループTAKEDAなら、特に日本の武士道に強い関心を持っている。

 他の東アジアの国々にも独特の宗教・思想・伝統文化はあるが、なかなかドイツまで伝わってこない。それに比べ、日本の場合は先人の努力もあり長年の文化交流を通してドイツに広まっている。

 ただし誤解も多く、先日知り合ったドイツ人から「日本人のほとんどが禅やヨガをやっているのだろう?」と言われ困惑した。それほど多くの日本人が禅をやっているわけではないし、ヨガはインドだから日本文化と同列に扱われても……。そんな誤解や思い込みを交えながらも、両国の文化交流は続いており、ドイツ人の日本人に対する対応はおおむね好意的だ。

[松田雅央,Business Media 誠]


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。