子どもが生き生きとする授業スタイル-2-
森竹高裕氏の実践を紹介する昨日の続きです。
■B:思考する
6 仲間わけ
できたものや出された考えを分類していく。
例:3年算数「形」三角形や四角形:適当に10本の線を引き、囲まれた図形を形ごとに分類する。
各学年・各単元:出た考えを黒板に書き出し一覧。似た考えを同じ色で囲む。
※ 思考の基本で、よく似たものから相違点を探す、別の物から共通点を探すという活動は、子どもはよく動きます。
7 精選する
対決型(討論)の前段階。黒板に書き出された意見の家、おかしいものから消していく。意見が言えなくなったらその派はつぶれる。
例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番さみしかったのはどこか。
4年社会「暖かい地方の人のくらし」:パイナップルの実は木のどこにどんな形でなるだろうか。
※ 「おかしい物から消す」というのは、対象が絞りやすく、考えやすい技です。
8 対決型(討論)
二者択一の討論をする。「バトルをしよう」というと喜ぶ。反対意見はイチャモンをつけよう」勝利したのはどちらか決着をつける。
例:道徳「子どもと大人はどっちが得か?」:トレーニングとしてたわいのない話題をディベート風に話し合わせる。
6年社会:仁徳天皇はいいリーダーか?
※ 討論は、相手を論破するための調査活動があってこその学習活動です。ただ自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見を予想して、あらかじめその反論を考えておくことも大切なプロセスです。
9 推理する
これまで学んだ学習内容から、解を特定する。
例:6年理科「水溶液」謎の水溶液の正体をさぐろう:数種類の水溶液から、溶けている物質を当てる。
各学年算数「覆面算」□の中にあてはまる数を当てる:筆算で欠けている数字(□)に入る数を見つける。
※ これも思考の基本です。どのような実験でも、推理(予想)の過程があるとないとでは、その後の興味・関心に大きく開きが出てきます。
10 まちがい探し
提示された資料のどこがおかしいのかを見つける。
例:3年社会「消防署で働く人」消防士のしごと:ニセ消防士、ニセ消火器のおかしいところを見つけよう
6年国語「敬語のはたらき」:次の敬語を使った文章でおかしいところはどこだろう。
※ これもクイズ的で、簡単に子どもを引きつけることができます。学習内容の深化につながる教材開発が求められます。
11 会話文の読み方
会話文をどうやって読んだらいいのか検討する。
例:4年国語「ごんぎつね」:「ごんおまえだったのか」の「か」は!と?のどちらで読むか。
1年国語「おおきなかぶ」:「うんとこしょどっこいしょ」の声は、どれも同じ大きさですか。
※ 読解と音読の基本。主題に迫る発問を、できれば授業記録をもとに、互いに検討し合いましょう。
12 分析批評
物語文に主人公、対役、時、色、クライマックス、主題など読みの視点を与えて、物語を分析的に読む。
例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番嬉しかったのはどの場面ですか。
4年国語「一つの花」:何番目の「一つだけ」に父の一番強い気持ちが込められているか。
※ 高度な一人読みの技術です。事例は豊富なので、ぜひとも取り組んでほしい手法です。分析にとどまらず、最後に総合するところに醍醐味があります。
13 きまり見つけ
何らかの操作活動から、全てに共通する決まり(定理)を見つける。
例:4年算数「わり算」答えの確かめ…商×除数+余り=被除数:答えのカードを並べていって空白の答えを予想する。→きまり見つけ
5年理科「てんびんとてこ」:天秤の操作から、おもり×長さの積が等しいと天秤は釣り合う。
※ 科学の世界の基本。「何らかの操作活動から」というのが、奥の深さを感じます。
14 仮説を立て証明する証拠を探す
予想した仮説に対する証拠が「ここにあるはずだ」と資料からさがす。
例:5年社会「米づくり」米づくりの盛んな条件:「○○ならば、米づくりが盛んである」と立てた仮説が正しいかどうかの検証(調べ学習)をする。
※ 簡単に書いてありますが、これも科学の基本であり、問題解決学習の中間部の流れです。
15 未来志向型
提案する社会科の授業。どうあるべきか、という未来の姿を考える。
例:5年社会「宅急便」:この町に宅急便の集配センターを作るとしたらどこに作るべきか。
※ かつて、愛知研社会科研究会が取り組んだ、「明日の社会を創る力を育てる社会科授業」がこれです。場面設定型課題について意見を出し合い、話し合いにより合意形成をめざします。
16 目標設定-練習工夫
自分のめあてを決め、そのめあてを達成するために練習方法を工夫する。
例:体育「器械運動」:練習の場づくりを自分で考え、技ができるように練習する。
※ 体育や音楽では基本ですね。練習方法を「調査方法」「探求方法」にすると社会科でも重要な考え方です。
17 逆転現象
勉強のできる子が間違い、勉強のできない子が正解するような問題。
例:国語「漢字」:「上」の書き順は、縦棒が先ですか、横棒が先ですか。
6年算数「分数のかけ算」:2mのリボンの1/2mは、1mですか、50cmですか?
※ これは、このような状況を創り出すことが難しいのです。ぜひ事例を出し合いたいですね。
18 感動型
教材の持っている価値(感動)に触れさせる。
例:道徳「家族」たったひとつのたからもの:家族に大切にされている幼い頃の写ぶん真や手紙を見せる。
※ これは共感できますね。社会科なら、実物資料(ひと・もの・こと)でしょう。
出典 MM小学1518 より
子どもが生き生きとする授業スタイル-1-
子どもが生き生きとする授業スタイル-2-
子どもが生き生きとする授業スタイル-3-
子どもが生き生きとする授業スタイル-4-
子どもが生き生きとする授業スタイル-5-
子どもが生き生きとする授業スタイル-6-
2年国語「そしてトンキーもしんだ」:絵本を読み聞かせる。
森竹高裕氏の実践を紹介する昨日の続きです。
■B:思考する
6 仲間わけ
できたものや出された考えを分類していく。
例:3年算数「形」三角形や四角形:適当に10本の線を引き、囲まれた図形を形ごとに分類する。
各学年・各単元:出た考えを黒板に書き出し一覧。似た考えを同じ色で囲む。
※ 思考の基本で、よく似たものから相違点を探す、別の物から共通点を探すという活動は、子どもはよく動きます。
7 精選する
対決型(討論)の前段階。黒板に書き出された意見の家、おかしいものから消していく。意見が言えなくなったらその派はつぶれる。
例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番さみしかったのはどこか。
4年社会「暖かい地方の人のくらし」:パイナップルの実は木のどこにどんな形でなるだろうか。
※ 「おかしい物から消す」というのは、対象が絞りやすく、考えやすい技です。
8 対決型(討論)
二者択一の討論をする。「バトルをしよう」というと喜ぶ。反対意見はイチャモンをつけよう」勝利したのはどちらか決着をつける。
例:道徳「子どもと大人はどっちが得か?」:トレーニングとしてたわいのない話題をディベート風に話し合わせる。
6年社会:仁徳天皇はいいリーダーか?
※ 討論は、相手を論破するための調査活動があってこその学習活動です。ただ自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見を予想して、あらかじめその反論を考えておくことも大切なプロセスです。
9 推理する
これまで学んだ学習内容から、解を特定する。
例:6年理科「水溶液」謎の水溶液の正体をさぐろう:数種類の水溶液から、溶けている物質を当てる。
各学年算数「覆面算」□の中にあてはまる数を当てる:筆算で欠けている数字(□)に入る数を見つける。
※ これも思考の基本です。どのような実験でも、推理(予想)の過程があるとないとでは、その後の興味・関心に大きく開きが出てきます。
10 まちがい探し
提示された資料のどこがおかしいのかを見つける。
例:3年社会「消防署で働く人」消防士のしごと:ニセ消防士、ニセ消火器のおかしいところを見つけよう
6年国語「敬語のはたらき」:次の敬語を使った文章でおかしいところはどこだろう。
※ これもクイズ的で、簡単に子どもを引きつけることができます。学習内容の深化につながる教材開発が求められます。
11 会話文の読み方
会話文をどうやって読んだらいいのか検討する。
例:4年国語「ごんぎつね」:「ごんおまえだったのか」の「か」は!と?のどちらで読むか。
1年国語「おおきなかぶ」:「うんとこしょどっこいしょ」の声は、どれも同じ大きさですか。
※ 読解と音読の基本。主題に迫る発問を、できれば授業記録をもとに、互いに検討し合いましょう。
12 分析批評
物語文に主人公、対役、時、色、クライマックス、主題など読みの視点を与えて、物語を分析的に読む。
例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番嬉しかったのはどの場面ですか。
4年国語「一つの花」:何番目の「一つだけ」に父の一番強い気持ちが込められているか。
※ 高度な一人読みの技術です。事例は豊富なので、ぜひとも取り組んでほしい手法です。分析にとどまらず、最後に総合するところに醍醐味があります。
13 きまり見つけ
何らかの操作活動から、全てに共通する決まり(定理)を見つける。
例:4年算数「わり算」答えの確かめ…商×除数+余り=被除数:答えのカードを並べていって空白の答えを予想する。→きまり見つけ
5年理科「てんびんとてこ」:天秤の操作から、おもり×長さの積が等しいと天秤は釣り合う。
※ 科学の世界の基本。「何らかの操作活動から」というのが、奥の深さを感じます。
14 仮説を立て証明する証拠を探す
予想した仮説に対する証拠が「ここにあるはずだ」と資料からさがす。
例:5年社会「米づくり」米づくりの盛んな条件:「○○ならば、米づくりが盛んである」と立てた仮説が正しいかどうかの検証(調べ学習)をする。
※ 簡単に書いてありますが、これも科学の基本であり、問題解決学習の中間部の流れです。
15 未来志向型
提案する社会科の授業。どうあるべきか、という未来の姿を考える。
例:5年社会「宅急便」:この町に宅急便の集配センターを作るとしたらどこに作るべきか。
※ かつて、愛知研社会科研究会が取り組んだ、「明日の社会を創る力を育てる社会科授業」がこれです。場面設定型課題について意見を出し合い、話し合いにより合意形成をめざします。
16 目標設定-練習工夫
自分のめあてを決め、そのめあてを達成するために練習方法を工夫する。
例:体育「器械運動」:練習の場づくりを自分で考え、技ができるように練習する。
※ 体育や音楽では基本ですね。練習方法を「調査方法」「探求方法」にすると社会科でも重要な考え方です。
17 逆転現象
勉強のできる子が間違い、勉強のできない子が正解するような問題。
例:国語「漢字」:「上」の書き順は、縦棒が先ですか、横棒が先ですか。
6年算数「分数のかけ算」:2mのリボンの1/2mは、1mですか、50cmですか?
※ これは、このような状況を創り出すことが難しいのです。ぜひ事例を出し合いたいですね。
18 感動型
教材の持っている価値(感動)に触れさせる。
例:道徳「家族」たったひとつのたからもの:家族に大切にされている幼い頃の写ぶん真や手紙を見せる。
※ これは共感できますね。社会科なら、実物資料(ひと・もの・こと)でしょう。
出典 MM小学1518 より
子どもが生き生きとする授業スタイル-1-
子どもが生き生きとする授業スタイル-2-
子どもが生き生きとする授業スタイル-3-
子どもが生き生きとする授業スタイル-4-
子どもが生き生きとする授業スタイル-5-
子どもが生き生きとする授業スタイル-6-
2年国語「そしてトンキーもしんだ」:絵本を読み聞かせる。