昨日行われた、愛知県公立高校入試問題解説 Bグループ 社会科 の解説をします。
問題数は、Aグループと異なり、歴史7,地理6,公民7でした。
地歴公の組み合わせ問題は、今回もありません。
1 災害にちなんだ資料問題です。
(1)「安政」という年号から「安政の大獄」が浮かびますね。幕末です。
化政文化以降、江戸では、力を付けた町人により、大量の錦絵が作られ、安価で販売されました。
(2)学問の神様・菅原道真公の怨霊が引き起こしたといわれていますね。
大内裏(御所)から南に向かって右(西)が右京、左(東)が左京です。
守護は鎌倉以後ですね。
(3)北条泰時と言えば、御成敗式目。
1221年の承久の乱以後、武家政権の力が全国に広がり、そのため裁判の基準を定めました。
1232年のことです。
マグナカルタは1215年でしたね。
明は足利義光の頃、奴隷解放宣言は1861年から始まる南北戦争の折に、インカ帝国滅亡はコロンブスより後のことです。
2 生徒作品問題です。
(1)「尊皇攘夷」を説明する問題です。あわてることはありません。
「天皇を尊び外国」を排除・・・。これで7文字です。
(2)下関会議以降の伊藤博文の事績を「すべて」選ぶものです。難問です。
例えばア。伊藤博文も岩倉使節団の一行としてアメリカに渡りました。
時代の違いだけです。
イは正しいのですが、「立憲政友会」が違っていればアウトです。
ウでは、1881年に10年後に国会解説すると約束し渡欧しています。下関会議よりは前ですね。
エは、「交渉」が気になります。「対立」を深め、日露戦争へとつながります。
(3)見たことのない資料です。これも難問です。
a:年号から、第一次世界大戦が出ます。シベリア出兵はもっと後ですね。
bc:勘ですね。流れからbは「日本人」、cは民間船でしょう。
(4)これも難問です。というか、考える気を失わせるような複雑さ。
じっくり考えても、YとZは、知らないと正しくは答えられません。
中学生には酷な問題です。
2全体として、歴史としては過去にないぐらいのハイレベルです。
3 生徒作品問題です。
(1)明石のDは容易です。
最東端は知識問題。時差は、30度は360度の12分の1。24時間の12分の1は2時間。
2時間早いのです。
(2)これも難問です。
Ⅲのグラフから京浜と瀬戸内を区別するのはハイレベルです。
(3)まずまずの問題です。
完答なので、やや難問といえるでしょう。
資料の読解問題です。
(1)複雑なので、情報を整理しながらの読解力が求められます。
じっくり取り組めばそれほど難易度は高くありませんが、複雑で完答なので、やや難といえるでしょう。
(2)これは難しくはありません。
ホッとしますね。
(3)表だけではわかりませんが、□の説明でわかりますね。
「天候や季節、昼夜を問わず」なら、風力、太陽光は消えます。
(1)基本的な読み取り問題です。
(2)「為替」は書けない生徒が多いでしょう。難問です。
(3)選択肢が長い文章のものは、正解が後半にある傾向にあります。
この場合もそうですね。
丹念にグラフを読めば明らかですが、「円安」の意味を理解しているかどうかですね。
(4)常識で答えられる問題です。
(1)いただき問題です。漢字も簡単ですね。
(2)比較的単純な問題です。「見積もり」「作成」の意味を取り違えないように。
(3)これも簡単です。
全体として難問が多く、A日程よりは遙かに難易度が上です。
特に、歴史の2番は、これまでの愛知県の歴史の問題の中では最高レベルです。
細かい勉強が必要です。