ハイドン:交響曲第60番ハ長調『うかつ者』 (スコア付き)
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン: 交響曲第60番ハ長調 Hob.I:60 『うかつ者』 (スコア付き) 作曲年代:1774年 演奏:オルフェウス室内管弦楽団
00:00 第1楽章 Adagio – Allegro di molto (ハ長調) 06:02 第2楽章 Andante (ト長調) 12:30 第3楽章 Menuetto (ハ長調) – Trio (ハ短調) 16:51 第4楽章 Presto (ハ短調 – ハ長調) 19:49 第5楽章 Adagio (ヘ長調) 23:46 第6楽章 Finale. Prestissimo (ハ長調)
《交響曲第60番ハ長調『うかつ者』》は、1774年にハイドンが作曲した《劇付随音楽『うかつ者 (Der Zerstreute)』》を、ハイドン自身が交響曲にまとめたものである。ハイドン自身によりイタリア語で『うかつ者 (Il distratto)』の愛称が付けられている。 ハイドンの交響曲で唯一6楽章構成をとることから、実験的作品の多い「シュトゥルム・ウント・ドラング期」の作品と思われがちだが、そうではない。ハイドンはしばしば、劇付随音楽や歌劇などを交響曲にまとめることがあり、この交響曲の場合、劇の内容を反映した結果、6楽章構成になったようである。 曲の構成は、第3楽章までは通常の4楽章形式の交響曲と同様の構成である。ただ、第2楽章は静かな音楽の中に管楽器が割り込むように入ってくるなど、どの楽章もかなり風変わりである。 第4楽章ではバルカン半島の民謡が登場し (18:24)、ハ長調に転調 (19:15) して終わる。第5楽章は美しい緩徐楽章と思いきや、これまたティンパニと管楽器が乱入する (21:16)。第6楽章には、ヴァイオリン奏者がG線の調弦を間違えていることに気づいて直す場面が挿入されている (23:57)。原作の「うかつ者」が、ハイドンらしい滑稽さをもって表現されている。