【音楽ガチ分析】ショパン『革命のエチュード』~ 半音進行だらけ&超キャッチー! 豊かな装飾音が織りなすアルペジオと高いメロディセンス
作曲家のトイドラが、ショパン(Chopin)の「12の練習曲 作品10」より「革命のエチュード」を分析します。 質問・意見はコメントにて。
☆楽譜の動画→ • 【クラシック分析楽譜】ショパン『革命のエチュード』 〈ショパン(Chopin)〉 19世紀のフランスを中心に活躍した、前期ロマン派を代表する作曲家。 「ピアノの詩人」の異名を持ち、特にピアノ作品で著名。 〈総評〉 【楽式】 ・前奏→第1主題→第2主題→前奏回帰→第1主題回帰→後奏 →前奏がかなり印象的。 第1主題も印象的で、 第2主題はやや転調気味とメリハリを持たせている。 ・「頭サビ→AメロBメロ→サビ……」という歌謡曲の構成を思わせ、 かなりキャッチー。
→前奏にいきなりカデンツァ風の部分があり、情熱的。
【リズム】 ・左手がずっと苛烈な16分音符のアルペジオを奏し続ける。
【メロディ 和声】 ・メロディに半音の装飾が多い。 →しばしば強拍に刺繍音・経過音が置かれる(古典音楽では普通弱拍に置く)。 ・左手の伴奏にも半音の装飾がやたら多い。 →半音の倚音・刺繍音・経過音など。 →伴奏なのに旋律的なキラメキがある。 ・古典的音楽理論の打破が見られる。 →連続5度・弱進行・限定進行音無視など。 ・和声進行も、古典の時代から拡張されている。 →ずれ和音・偶成和音・多様な読み替え転調・全音ずつずれていく反復進行など。 ☆ フランスにおける自由な和声の前兆が見られる。 【表現】 ・半音進行はこの曲のテーマ。 →これでもかというくらい盛り込まれている。