メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』作品26 (スコア付き)
フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ: 序曲『フィンガルの洞窟』作品26 MWV P 7 (スコア付き) 作曲年代:1830年(1832年改訂) 指揮:クラウディオ・アバド 管弦楽:ロンドン交響楽団
《序曲『フィンガルの洞窟』作品26》は、フェーリクス・メンデルスゾーンが1830年に作曲した演奏会用序曲である。1829年にスコットランドを旅行したメンデルスゾーンは、ヘブリディーズ諸島・スタファ島にあるフィンガルの洞窟で霊感を受け、この序曲を作曲した。当初のタイトルは『孤島 (Die einsame Insel)』であったが、1832年にの改訂で『ヘブリディーズ諸島 (Die Hebriden)』と改められた。『フィンガルの洞窟』は通称であるが、わが国ではこのタイトルで浸透している。初演は1832年5月14日にロンドンで、《序曲『夏の夜の夢』作品21》とあわせて行われた。 序曲は2つの主題で構成され、冒頭の主題はメンデルスゾーンが洞窟を訪れた後すぐにスケッチしたものである。第2主題は海の動きや逆巻く波が描写されている。 この作品はのちの大作曲家にも絶賛されており、リヒャルト・ワーグナーは「一流の風景画のような作品」と、ヨハネス・ブラームスは「この序曲のような作品を作曲するために自分の全作品を喜んで与えたい」と述べている。