ハイドン:交響曲第94番ト長調『驚愕』(スコア付き)
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン: 交響曲第94番ト長調 Hob.I:94 『驚愕』(スコア付き) 作曲年代:1791年
指揮:ゲオルク・ショルティ 管弦楽:ロンドンフィルハーモニア管弦楽団
00:00 第1楽章 Adagio – Vivace assai (ト長調) 08:25 第2楽章 Andante (ハ長調) 14:12 第3楽章 Menuetto: Allegro molto (ト長調) 19:44 第4楽章 Finale: Allegro molto (ト長調)
《交響曲第94番 ト長調》は、ハイドンが長年楽長として仕えてきたエステルハージ侯の死去に伴って同候家を去ることになってから2度にわたって経験したロンドン旅行の、1回目の滞在期間中にあたる1791年に作曲されている。12曲ある『ロンドン交響曲』の1つであり、第104番『ロンドン』などとともに有名である。 『驚愕』という副題は、第2楽章冒頭の主題が最弱音にて2度繰り返し演奏された後の16小節目に於いてティンパニを伴ったトゥッティで不意打ちを食らわせるが如くに強く演奏するところから名付けられたものである。作曲者自身が命名したのでは無く、初演から間もなくして初演地の地元・ロンドンで発行された新聞紙上に掲載された演奏評に由来する。 こうした作曲の仕方を採った背景として、ハイドン自身が1度目のロンドン滞在中に目の当たりにした聴衆のマナーの悪さがあったとされている。当時、聴衆の中に居眠りをする者が少なからず存在していた。このことに癪に障る思いを抱いていたハイドンは、持ち前のユーモアさなどを活かし、当楽曲の作曲を通じて聴衆をたたき起こそうと行動を起こしたのである。そして実際の演奏の場で、前記第2楽章の強奏箇所のところでハイドンはティンパニ奏者に対し力一杯叩くよう指示、果たして狙い通りに聴衆がビックリして飛び上がったという。