今日も、海外のメディアが東日本太平洋沖地震をどう報道しているかを見ましょう。
【中国】
チャイナネットhttp://japanese.china.org.cn/
中国、内陸部に原発を建設へ
日本大震災 早過ぎる損害予測は回避すべき
浙江省、日本の農産物危機により注文殺到
日本の大地震の人類にとっての教訓
3月11日に発生した日本の東北・関東大地震は日本国民にとってばかりでなく、地域に暮らしているすべての人たちにとって悲しむべきことであり、また、教訓とするに値することでもある。
中国はいちはやく、首脳がお見舞いの意を示すとともに、在北京日本国大使館に赴いてお見舞いの意を示した。これと時を同じくして中国の雲南省でも地震が発生したにもかかわらず、中国はただちに救援物資を空路日本に送り、ガソリン、ディーゼル油計2万トンを日本に無償で供与することにした。一般市民の間でも募金活動がくり広げられている。
中国のテレビでも毎日、日本の被災地の状況が伝えられている。特に福島原発の件については、毎日詳しく伝えられているし、また、中国でもただちに全国の原発について総点検がおこなわれ、関係部門からも専門家たちが点検の評価のために現地に赴くことになっている。
中国の学者たちも、テレビで原発や事故について発言しているが、いずれも冷静に福島原発の事故に対処しているように受け取れる。
中国も原発をこれからも作っていくので、福島原発の事故は、新エネルギー開発における人類の直面する共通の課題として、冷静にとらえている。
中国の原発は地震多発地帯に建設されていないので、今の防波堤なら日本で発生したような大津波は防げる、と語っている学者もいるが、私はリスク・マネジメントという視点から、もっと防波堤を強化すべきだと思っている。人類にとっては、中国人がよく言っているように「一万回はこわくないが、万が一ということがこわいのだ」。
日本に仕事で長期滞在していた頃に、取材などでホテルをよく利用したが、ホテルには避難ルートを示した図もあり、懐中電灯、ロープなどもサイド・ボードの中に置いてあった。そして、日本は地震多発の国なので、避難の訓練も行われていた。三陸海岸ではかつて大津波が発生して、多数の人が亡くなったという資料を読んだこともある。しかし、それが現実となった日には、予知不可能なことが起こることも今回の地震で実証された。
私は原発については、まったくの素人であるが、日本の専門家の書いたものを見ると、発電のテクノロジー、メカニズムの面での研究はかなり進んでいるが、事故とか、解体工事についての研究は実例が少なかったせいか、まだ遅れているようだ。今回の福島原発のケースをテレビの映像のみで見ても、電力会社の専門家集団とも言える人たちが、かなりてこずっているように見える。これはそういう経験が過去になかったから、試行錯誤で最善の策を探し求めているからだと言ってもよい。しかし、チェルノブィリなどの例を知っている一般市民、周辺住民の不安、あせりも理解できる。これは要するに人類全体の問題である。そして、私見ではあるが、いくら危険なものであっても、新エネルギーとしての原発を否定するのではなく、これをキッカケに最善の安全システムをつくり上げることが必要である。
とはいうものの、私も一市民であるので、いま中国で人気上昇の日本料理のサシミ類は当分避けた方がいいのではないか、という過剰反応らしい、傾向がないわけではないが、こういう時こそ、冷静な、科学的思考が必要なのではないかとも思っている。宇宙開発にしても、航空機の開発にしても、リスクは伴うものである。リスクを恐れていては、人類の今日、人類の未来はない。大勢の人たちが亡くなったことは悲しむべきことだが、私はこういう時こそ未来に目を向けて、胸を張って困難に立ち向かっていくべきだと思っている。
最近、友人にある書物の校閲を頼まれ、その中に新中国を築き上げるためにたたかった集団の中に、出発当初30万人もいたものが延安にたどり着いたときには3万数千人しか残っていなかったという叙述が出てくる。中国の近代化のためにどれだけの代償を払ったのか。これと原発とは次元は違うが、しかし、新エネルギーや地震との戦いで、あとずさりしてはならない、と言えるのではないか。
日本の大地震は大変なことだが、これも人類がさらに前進するため避けて通れないステップのひとつと考えたい。かさねて、亡くなった人たちのご冥福を祈る。
原発事故の後始末には30年間、120億ドル必要
日本 「隠蔽体制」が民衆の怒りを
「食品大国の日本は物資不足?」震災後募る不満
遅々として進まぬ救援が日本人を怒らせたに過ぎないとするなら、日本の政界や経済界に一貫して存在する「隠蔽体制」が彼らの「激しい怒り」を招いたのは間違いない。東京電力は、福島原発事故発生後、十数年にわたり原子炉の真実のデータを記録していなかったことが暴露された。英紙ベルファスト・テレグラフは22日、「福島原発をしっかりと守った300人の東京電力社員の勇気は称賛に値するが、副社長は福島県の避難所で謝罪した際、逆に激怒した被災者らに拒まれ門外に追い出された」と報じた。また、東電のある責任者は被災後の「宴会」の事実がネット上で暴露され、「切腹謝罪」と要求されたとも報道。
朝鮮日報は「今回の原子力危機にも同じように日本政府の消極的な姿勢が見られた。事故発生直後から日本政府は、放射線量は非常に低いと言い続け、すべての処理を東電に任せた。事態が深刻になって、枝野官房長官がようやく東電は真実の報告をしていないと指摘した」伝えている。さらに、日本政府の消極的な姿勢には「不確かな状況を避ける傾向」があると強調。基準を超える放射能汚染について、日本の高官は一貫して「健康にすぐに影響をもたらすものではない」と強調してきたが、毎日新聞は「無害論」は国民の不安を根本的に拭うことはできない、と報道していた。
地震後、管直人首相と閣僚はほとんどが家に戻っていない。日本人は管内閣の「不眠不休で頑張る」は評価してはいるが、救援活動の効率は余り評価していない。震災への対応能力を強化しようと、管首相は閣僚を3人増やすとともに、自民党に「危機管理内閣」の樹立を打診したものの、すぐさま拒絶された。日本経済新聞は「未曾有の災害を前に、与党と野党はいずれも保身を選択した」と断言。被災後の救援をめぐる「連合内閣」構想には、野党が拒絶した場合、首相はその責任の回避を非難できるとの「保身」の意図が見られる、と指摘。野党が連帯責任に警戒感を強め、入閣に慎重な態度を示したのも、一種の「保身」であるのは間違いない、と報じている。
日本は依然として「民より官のほうが強い」。23日の朝鮮日報はこう嘆息し、疑問を呈している。「世界の富める国その背後で、被災後の救援活動にこれほど哀れみを感じるのはなぜだろう。国家公務員や地方公務員は何をしているのだろう」。さらに日本人の言葉を引用し、「公務員は今、文書の案を練っているところだ」と皮肉った。日本の今の官僚制度が明治維新後に確立されたとも報じている。「日本政府が『アジアを脱して欧州に入る』との任務を精鋭なる官僚に託したことで、彼らは『われわれが主導してこそ発展できる』と考えるようになった。その後、この体制はなかなか触れることのできない“うどの大木”と化した。『教科書にある』こうした人物が行い、そこになければ行わない、ことになれば、他の機関との意思疎通を図ることすらできなくなる。こうした人物には改革について何を語ればいいのだろう」
清華大学歴史学部副教授の劉暁峰氏はこう指摘する。「80年代以降、日本は官僚体制の硬直化について絶えず反省してきたが、解決するのが非常に難しかったのは、巨大化し過ぎていたからだ。日本社会では官界と経済界が一体化されており、それが企業の異化を招いている。危機管理の角度から見れば、今回の災害では、日本の官僚体制は外部が想像するほど主動的ではなかった」
ハリウッドでフィルムが人気沸騰 日本地震の影響
災害で日本の「最大の弱点」が暴露
シンガポール紙「聯合早報」は29日、「日本は復興の十字路に立たされている」と題した文章を発表した。その一部を紹介する。
日本で起きた「3・11」大地震は、その規模にしても、津波による被害、原発事故にしても、日本史に前例のないもので、このような一連の大災害を経験した人はいない。菅直人首相は今回の事態を、「戦後日本が迎えている最大の危機」としているが、それはちっとも誇張ではなく、うまい歴史的位置づけだといえる。
この半月余りの観察を通して、日本の今回の災害は震災によって人の命や財産の損失、経済活動の停滞、国土の破壊などだけでなく、心理的な衝撃も正しく評価しなければならないことに気づく。
▼「不死鳥」の精神がまだ存在しているか
歴史の長い流れや、経済学的観点からみると、破壊されれば建設をし、巨額投資があれば生産量も増える。生産過剰に頭を抱える現在の日本にとって、今回の災害はその穴埋めとなり、デフレによる停滞の治療につながる可能性がある。
ただ、今回の災害は新しい形態の災害であり、日本は質的に変化している時期にある。日本にかつてあった「不死鳥」の精神が今でも残っているか?さらに重要なのは、今回の「東北と関東の大地震」で、これまでの自然災害が放射線という大災害にまで転じ、従来の天災の性質をも変えてしまったことだ。
放射線は二次災害だが、日本と其の周辺地域にかなり深刻かつ深遠な影響をもたらすことになる。すでに日本が単独で対応できる範囲と規模を超えており、より複雑で手を焼く問題となっている。日本が今回の件で再起不能になるとは断言できないが、日本の「不死鳥」の精神が、明治維新や戦後の復興のような光彩を放つと盲信することはできないだろう。
地震、津波、台風などの自然災害に日本人はうまく対応し、知恵を出して共存してきたため、これまで災害を「世界最後の日」と思ったことはなかった。
▼放射線が災害を拡大
マグニチュード9.0の東北関東大震災で、東北地方沿岸部一帯が地震と津波により押し流され、経済的な損失は計り知れないものとなっている。死者は1万人、家を失った人は10万人を超える、歴史的な大惨事となっている。
日本政府が発表した大まかな損失報告によると、福島原発事故を除き、東北地方だけで家屋や工場、道路、公共施設の損壊による経済損失額は16兆~25兆円(約1850億~3080億ドル)に上るものと見られている。損失額は1995年に起きた阪神大震災の9兆6千億円(1千億ドル)、2005年に米国を襲ったハリケーン・カトリーナによる被害額1250億ドルを上回り、経済的損失が過去最大の自然災害となる見通し。
ただ、この損失額の中にはまだ東京の計画停電や、東京電力の福島原発による被害額は計上されていない。放射線に食品や水、水産品や農産物が汚染され、東京に住む人々の健康に脅威をもたらしているだけでなく、東北地方の農業や水産加工業全体に壊滅的な打撃を与え、放射線による脅威から逃れるため、数十万人が避難している。そしてすでに一般的な災害復興或いは経済が回復するかという国家の問題の域を超えている。
▼福島原発は今後どうなるか?
菅直人首相は、「戦後最大の危機」と述べたが、日本の朝日新聞元主筆の船橋洋一氏は、日本社会全体を動揺させ、日本があらゆる問題に直面している点において、「個人的には、日本史上最大の危機だと思う」と語った。
船橋氏は、今回の地震は最も劇的な方法で世界に日本の最大の弱点を暴露したと指摘する。これは単なる自然災害ではなく、日本の命運を決める危機だといえる。高齢化、原子力エネルギーへの依存、地方の過疎化などの問題が全て暴露されてしまった。「今回の地震は顕微鏡で日本社会に存在する弱点を洗いざらい見せてしまった」。
それに比べると、経済的損失は想像するほど巨大ではない。なぜなら経済復興それ自体はそれほど難しくはないからだ。「V」字型だとか、「W」字型だとかいうが、福島原発事故後の日本がどうなるかを予測する人はいない。
新華社新華網ニュース
http://www.xinhua.jp/
日本原発事故受け、太陽光発電の目標引き上げか―中国
日本の震災が中国自動車市場の勢力図を変える
日本の震災が中国ショベル産業に与える影響
[特集]日本の大震災が中国の製造業に与えた衝撃
大紀元http://www.epochtimes.jp/
ロシア科学者、東日本大地震を14年前に予測 「極東で続発の可能性も」
3月11日に東日本で起きたマグニチュード(M)9の大地震を、ロシア科学アカデミー極東事務所専門家ワシリ・アブラモフ教授(Valery Abramov)は1997年に既に予測していた。
ロシアメディアの最近の報道によると、ロシア科学アカデミー極東事務所東太平洋海洋学研究所地質および地殻構造物理実験室責任者のアブラモフ教授は14年前の1997年に、ユネスコの「教授クラブ論文集」の雑誌に発表した文章で、2011年に日本の関東地域で大地震が発生すると予測していた。
9年後、この文章は日本の専門家の関心を呼んだ。2006年、日本側はアブラモフ教授に対し、地震予測に関連する資料を請求したという。アブラモフ教授は当時の状況を次のように語った。「日本側は地震をかなり警戒していたが、自国の地震と津波警報システムがより進んでいると考えていたらしく、我々の予測はあまり重視されなかった」
更に同教授は、東日本大震災が発生してから、再び悲観的な予測を発表している。それによると、今回の日本の地震と津波は、今後継続的に発生する地震の始まりであり、日本およびロシア極東地域は大規模な地震に直面しているという。アブラモフ教授は、「我々の研究によれば、現在地球は新たな活動期に入っており、今回の東北関東大地震、インド、インドネシアおよびニュージーランド地震は全てその前触れ。2011年ロシア極東国境地域でマグニチュード8-9、カムチャッカ地域でマグニチュード10の地震が予測され、日本の西海岸付近でも地震発生が継続し、マグニチュード9に達する恐れもある。それらは決して小さなものではない。これ以外に火山噴火や津波も想定される」としている。
また、アブラモフ教授によると、日本の建築は相対的に高い耐震性を備えているが、ロシアの建築は耐震性で劣っているため、ロシア極東地域の損害は重大であることが予想される。また、ロシア政府が同報告を重視していないことを懸念しているという。これ以外にも地震、津波による原発事故など予測不可能な要因があり、災害を更に大きくする可能性もあるという。
すでに的中した14年前の予測と未来の予測は、いずれもアブラモフ教授が研究している「球形漏斗」理論に基づくものであるという。同理論は、地球の各大陸はそれぞれ地核から地表に至る「球形漏斗」を持っており、破壊エネルギーがここに吸収されている。ここ10年はエネルギーの活発な吸収期にあり、ロシアの専門家はこの過程を「地球新活動期現象」と呼んでいる。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
【コラム】ろうそくの火で原発問題は解決しない(1)
福島原発事故の後、韓半島全域で放射性物質が検出されたという。市民の不安はますます深まっている。検出された放射能はごく微量で、人体には影響がないと言っても信じない表情だ。市民は日本産食品と聞くと最初から買おうとしない。
専門家は福島の放射能流出が韓半島に影響を与える可能性はほとんどないという。漏出した放射能は地球の自転のため年中吹く偏西風に乗って太平洋側に飛んでいき、大気中に散ったり海に落ちることになっているからだ。それでも風向きが変われば韓国も安心できないという詭弁が広まっている。地球が逆に回れば知らないが、納得しがたい主張だ。
福島原発事故が発生すると、国内の環境団体と一部のメディアが見せた最初の反応は「原発政策を全面的に見直せ」ということだった。日本の事故内容を把握する前に国内の原発から問題にし始めたのだ。そしてすぐに国内原発の安全性に問題があるという主張が提起された。日本と同じ地震が韓国に発生したら、日本と同じほどの津波が韓国の東海岸に押し寄せれば、そして東京電力のように安全対策に問題があれば、韓国の原発も危険だという警告が激しかった。仮定に仮定を加えて最悪の状況を想定したシナリオは国民の不安感をさらに増幅させた。
先日、国内ある報道機関が実施した世論調査によると、専門家の90%が韓国の原発は「安全だ」と答えた半面、一般人は43%が「安全でない」と答えた。さらに一般人の94.1%が「‘日本原発事故による放射能漏出から韓国は安全だ’という政府と原子力専門家の言葉は信じられない」と答えたのは衝撃的だ。08年、政府がいくら米国産牛肉は安全だと話しても信じなかった当時のろうそくデモを連想させる。
野党は国民の不安感に政治的な好機を見いだした。孫鶴圭(ソン・ハッキュ)民主党代表は直ちに「原発政策の全面見直し」を主張し、民主党・民主労働党・創造韓国党・進歩新党は古里(コリ)1号機の稼働中断と月城(ウォルソン)1号機の寿命延長撤回、新規原発建設計画の白紙化を要求する決議案を発議した。一部の人は「李明博(イ・ミョンバク)政権が3年前は国民の食の安全を放棄し、竜山(ヨンサン)惨事と4大河川事業で国民の安全と生命を軽視する姿を見せたが、今回(原発安全問題)もそうではないか不安だ」と主張する。原発安全問題を政治争点化しようとする陰険な意図が見える。
しかし原発問題は政治的論争で解決するものではなく、そうしてもならない。原発政策はエネルギー政策の一環で、結局、どんなエネルギーを使うかという選択の問題だ。すなわち、これから電気をどれほど使用するのか、その電気を生産するのにどんなエネルギー源をどれほど使うのかを決める問題だ。ここで選択の基準はエネルギー供給の安定性と費用、環境に及ぼす影響、そして安全性だ。環境の影響と安全性は科学的に評価する問題であり、供給の安定性と費用は経済的に考慮することだ。一つの基準だけでは決められないということだ。
国民の生命が危険なのに何を言うのかという反論の声があるかもしれないが、その危険も程度の問題だ。危険の面で言えば、人命殺傷を目的に開発された北朝鮮の核兵器が数千、数万倍もっと危険だ。安全だけを考えれば原発を放棄してしまうのも方法だ。しかし原発を完全になくそうとすれば、すぐにも国民の生活の一部をあきらめ、国家経済に打撃を受ける覚悟をしなければならない。原発の代わりに再生可能エネルギーを使えばよいというが、開発に時間とお金がかかるのはもちろん、原発の代役になれるかどうかは疑問だ。石油や石炭、ガスなど化石燃料に戻るには現実的な限界があるだけでなく、炭素の排出を増やし、地球温暖化を促進する副作用が大きい。
こうした事情のため、世界各国は独自の原発政策を採択している。もちろん日本の原発事故で原発の危険性に対する警戒心が高まったし、それによって安全対策を補完しようとするなら費用はさらにかかる。それでも原発事故を経験した日本とロシアは相変わらず原発を廃棄したり稼働を中断する考えはない。エネルギーブラックホールに浮上した中国は追加で原発を建設するという計画を維持している。原発輸出国フランスはもちろん、英国とスウェーデン、フィンランドなど、ドイツを除いたヨーロッパの原発強国も原発稼働を中断する計画はない。米国も建設中の原発2基の工事をやめない考えだ。韓国も原発の安全性を高める方法を科学的に見つけだし、自国なりに現実的な原発対策を打ち出さなければならない。無条件に原発を拒否する環境原理主義に陥ったり、原発問題を政治争点化したりすれば、決して原発問題は解決することができない。
【コラム】地震と独島、そして安重根(1)
【コラム】地震と独島、そして安重根(2)
問題の核は08年に日本政府が公表した「中学校学習指導要領解説書」だ。日本の独島領有権主張を義務的に教科書に載せることにした。「竹島は日本の領土」の合法化の試みだ。今までは扶桑社教科書一つだけを問題にすればよかったが、今年からは戦線が拡大された。8つの出版社が出す教科書すべてが問題の対象になったのだ。8つの教科書のうち2つは「独島=日本の領土」が確実に含まれると予想される。扶桑社の子会社である育鵬社版とつくる会が新しく出す自由社版がそれだ。独島以外に日本軍慰安婦問題を含め、歴史叙述全般にわたる歪曲も凝視せざるをえない。
3月11日に発生した東日本大地震という不幸を踏んで、韓日間に友好が芽生える雰囲気だった。韓国国民の大半は日本の地震に心を痛めた。日本から直接被害を受けた元慰安婦女性までが日本を助けようと主張した。これをきっかけに過去の歴史の暗い影を取り払おうという気持ちが生じるのは自然だ。こうした雰囲気をなぜ生かしていけないのだろうか。地震と教科書問題は‘別の懸案’とあえて分ける状況はぎこちない。未曾有の大地震にあった日本で当初の計画の通り進行される事業がどれほどあるだろうか。せっかく共生の気運が高まった韓日関係に、日本政府が冷水を浴びせる理由が何か気になる。
日本政府の態度と国民の性向は別ものとして分けなければならないようだ。先週末、九州に安重根(アン・ジュングン)義士の平和精神を称える記念碑が日本人によって建てられた。安義士殉国101周年を記念してだ。旅順刑務所で叙述した安義士の『東洋平和論』精神を生かそうという努力が大切な時期だ。
韓国政府、日本教科書検定通過で武藤大使を招致へ (16:17)
「独島領有権主張」日本教科書が検定通過…韓国世論が反発 (16:08)
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
【コラム】原発にちらつく狂牛病の影(上)
【コラム】原発にちらつく狂牛病の影(下)
狂牛病と原発事故には共通点がある。実際に起きる可能性は低いが、その可能性が現実となった際の結果は計り知れないという点だ。米国産牛肉を食べ、狂牛病にかかる確率は、あえて計算すると40億分の1程度だ。ロトくじで1等を当てる、あるいは雷に当たる確率に等しいという科学者もいる。しかし、そんな科学的説明も、狂牛病にかかれば「脳が穴だらけになる」という恐怖感の前では無力だ。
福島第一原発の事故は、マグニチュード(M)9.0の巨大地震が原因で発生したもので、韓半島(朝鮮半島)ではその1000分の1の規模に相当するM7.0規模の地震が起きる確率も低い、というのが韓国地質資源研究院の判断だ。そうした専門家の意見も、原爆被害者の悲惨な写真1枚で力を失う。
「韓国の原発は世界で最も安全だ」という李大統領の発言も3年前を思わせる。米国産牛肉の輸入決定に際し、李大統領が「国民は安価で良質な牛肉を食べられるようになる」と述べると、ろうそく集会を行う勢力からは「狂った牛はお前が食べろ」と暴言が浴びせられた。李大統領は原発論争が自身の最も嫌う政争へと拡大している事実を知らないようだ。また、原発に対する批判は国民の感覚を刺激し、立体的に展開させているのに対し、政府の対応は広報資料を読み上げるにとどまっている。
英週刊誌エコノミストは「ある自然災害は歴史を変えることがある。今回の日本の大地震はそうなる可能性がある」と論じた。原発事故に対する不安感が広がり、世界各国の発電戦略に影響を与える可能性があるという意味だ。実際に数カ国が老朽化した原発の運転を休止したり、原発の新規建設を見直す動きを見せている。しかし、石油・石炭のような化石燃料による温室効果ガスに対する規制が徐々に強まっている中、太陽光・風力などのクリーンエネルギーも近い将来に大きな支えになることは望めない。当面は原発なしに運営する方法はないように思える。
原発の安全性が過去1カ月で急激に低下したとは言い切れない。しかし、原発に対する人々の視線や心理は確実に変化した。一般国民が「日本のような国でも事故が起き、ドイツのような技術先進国も怖がっているのに、韓国は大丈夫なのか」という常識的な心配をするのは当然だ。
こうした不安心理を利用し反李明博陣営は、狂牛病騒動に続く「第2の勝利」をもたらそうと意気込んでいる。政府が「専門家の言葉を信じろ」とばかり繰り返しているようでは、光化門の通りが再びろうそくで埋め尽くされる状況も否めない。
東日本巨大地震:放射性ヨード検出量減、3カ所に
【コラム】日本人の苦痛を忘れるな(上)3月30日 11:30
死と隣り合わせで住むということは、本当につらいことだろう。今日本に住むのはそういうことだ。外国人は逃げる先もあろうが、日本人には行く先はない。
一瞬で死ぬのならばまだましだ。津波はそういうケースだろう。しかし、いつやって来るか分からない死、あるいは目前に迫っている死に向かって、一歩一歩進むことほど怖いことはないはずだ。
東日本巨大地震と津波で最も大きな被害を受けた宮城県、岩手県の沖では28日午前7時24分ごろ、再びマグニチュード6.5の余震が起きた。11日の本震から数えて何回目か分からない。NHKのニュースは、地震の揺れにおびえた少女が、避難所で兄の懐にすがり震える姿や「怖い、怖い」を連発する高齢者の姿を捉えていた。いつやって来るともしれない死に対する恐怖というのはそういうものだろう。津波が起きるまでは地名さえ知らなかった気仙沼、陸前高田、南三陸で生き延びた人々は、3月11日午後2時46分を永遠に忘れることはないだろう。
福島の原発で死闘を繰り広げている作業員は、目の前で待ち構える死に向かって進まなければならないケースだ。彼らに「決死隊」の壮厳さを求めるのは本当に酷なことだ。彼らはただでさえ被ばくの恐怖に震え、文字通りに死闘を繰り広げている最中だ。仕事を失わないため、家族を食べさせるため、危険を顧みない人もいるという。
【コラム】日本人の苦痛を忘れるな(下)3月30日 11:31
米ニューヨーク・タイムズは今月15日、「事故原発を守る50人の労働者」という記事で「英雄的な決死隊ストーリー」を描いた。その後、決死隊の数は800人とも、200人ともいわれた。実際に何人が本当の決死隊だったかは分からない。ただ、特に目立たず、何らかの名分で身をささげた決死隊でもなく、安全規則を徹底して守って行動せざるを得ないとしても、彼らは決して愚かな人々ではない。
今回の災難は、ある日本人の言っていた通り、地震、津波、原発事故が重なった「三重の災難」だ。数百年に1度の災難といってよいだろう。そして、その災難はまだ始まったばかりだ。今日本の太平洋沿岸には、家族と故郷を全て失い、目の前の現実に震える人が数十万人もいる。さらに大きな地震が来ないか、原発が爆発したりしないかという恐怖に震える人は数百万人、数千万人いる。
日本政府は30日、予定通りに中学校の歴史、地理、公民の教科書の検定結果を発表する。独島(日本名・竹島)は日本領だという内容が強化される見通しだ。せっかくの韓日友好ムードに冷水を浴びせるのは明らかだ。しかし、それによって、死の恐怖に苦しむ日本の平凡な人々に対する温かい心まで捨ててはならない。ソウルの日本大使館前で募金活動を続けている従軍慰安婦のおばあさんの心こそ、国の品格を高めるという事実を忘れてほしくない。
東日本巨大地震:魚市場から客足途絶える(上)3月30日 11:02
東日本巨大地震:魚市場から客足途絶える(下)3月30日 11:02
東日本巨大地震:原発から汚染水流出、放水が裏目に 2011/03/30
教科書:日本政府、震災対応中でも検定結果発表へ
【米国】
ウォール・ストリート。ジャーナルhttp://jp.wsj.com/
原子炉の密閉性が失われている可能性―福島原発で保安院
先進国の被災、困難伴う――スマトラ沖地震との比較
カメヤ・ヨシさんは、西側世界の居心地のよい都市郊外にいても場違いには見えないだろう。彼は、自分の冷凍食品会社があったがれきの近くに立ち、明るいブルーのNorth FaceのジャケットからiPhone(アイフォーン)を取り出し、自分が写した津波被害の写真に目を通す。
自信に満ちたこの43歳の国際人は、食料は十分にあると話す。しかし、海苔を巻いたおにぎりが配られると、彼の手は、お礼の言葉が口から出るよりも早くそれをつかみ取った。
カメヤさんのこの飢えた手は、日本の悲劇が持つ多くの不安な面のひとつを象徴している。今回の震災は、世界で最も富裕な一国の基盤を揺るがし、豊かだった被災者を失望に陥れるとともに、最も準備の行き届いた場所でも天災は免れないことを浮き彫りにした。住民の家やポケットに装備されていた先進国の技術も、たいして役には立たなかった。
本稿の記者は、2004年のスマトラ沖地震の際もウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材にあたったが、当時の震災は今回とは違っていた。スマトラ沖地震の犠牲者は、インドネシア、スリランカなどを中心に約20万人を数え、死者1万1000人、行方不明者1万6500人以上の東日本大震災をはるかに上回った。
Getty Images
スリランカ(04年)
しかし、ほかの意味においては、スマトラ沖地震はまだ与し易かった。実際、多くの地域で、見かけほどの損害はなく、携帯電話や車、複雑なサプライチェーンといったテクノロジーへの依存が比較的低かったことが、生存者に有利に働いた。
スリランカでは、海辺のリゾートと漁村が失われた。しかし、地域社会が小規模で貧しかったため、損害は海辺の集落にとどまる場合が多く、復興も容易だった。しかし日本では、車や家屋などがれきの山が内陸に向かって何キロも続く。なぜなら、大津波の到達がスリランカよりも早かったこと、また、スリランカの被災者は、車やテレビ、二階建ての家、キッチンテーブルや衣服で満杯のクローゼットなど、豊富な物に恵まれていなかったことが挙げられる。
エコノミストの予想では、日本の津波による被害額は最大で3000億ドル(約25兆円)にのぼる。インド洋津波の被害額は100億ドル程度だった。
スリランカのコッガラに住む当時24歳だったロスマンド・ウィクラマナヤケさんは、巨大津波の後、父と母、妹と弟を砂に埋葬しなければならなかった。1年後、残された家族の生活は基本的に通常に戻った。
車一台分のサイズの小屋を建て直し、小さな店を再開するには、政府から支給された2、3千ドルで十分だった。家族の悲しみを推し量るのは不可能だが、経済的には彼らの簡素な生活を元に戻すのは比較的簡単だった。
また、ウィクラマナヤケさんのような被災者は、当初の緊急事態を過ぎて、食料についてあまり心配する必要はなかった。彼と生活物資の生産者の間には、仲買人が1、 2人いるだけだった。魚商が死んだり、市場が流されたら、彼はほかを当たればよかった。津波被害を免れた地域の鶏肉、ココナッツの農家は決して遠くはなかった。
ところが日本では違う。ほかの富裕国と同様、住民は、衣食を満たしてくれる農家や工場から切り離されている。先進国の消費者は、りんごやミルク、コメ、靴、石けんといった品々がどのように店の棚に並ぶのか考えないことが多い。今、停電や高速道路の閉鎖、鉄道運行の停止などで、絶え間ない製品の流通は遮断されている。
たとえば、コンビニエンスストアのセブンイレブンでは1日に3回以上配送が行われている。この「ジャストインタイム」配送が、限られた陳列スペースでのより多くの物品販売を可能にする。
震災からわずか2日で、福島のセブンイレブンは、アイスクリームとアルコール度数の強い酒を除き、商品棚がほぼ空になった。3日目までには、大半のコンビニが閉鎖し(沿岸から約30キロ地点でも)、数少ない営業中の商店には長蛇の列ができた。今も被災地の店はほとんどが休業している。
携帯通信端末への依存度が高い日本にとってのもうひとつの問題は、連絡を取れない辛さだ。スリランカでは、生存者の大半がすぐに再会を果たした。若干の移民労働者を除けば、親戚や友人は近くに住み、家から遠くに出掛けることはまれだった。
震災から2週間以上が過ぎた今でも、日本では多くの人々が家族や友人の安否がわからない状態が続いている。津波が襲った時、家族は、家から何キロも離れたところ――車や交通機関で行く場所――で働いたり、買い物をしたりしていた。
交通機関が被害を受け、多くの人はがれきの中の帰宅が困難となった。携帯基地局の停電で、携帯電話もつながらない。震災後間もない頃、大切な人の安否を確認するため、携帯の電波のアンテナが1本でも立つことを祈りながら携帯電話を見つめる多くの人が路上に溢れていた。
そして1週間後、携帯電話も消えた。電池が切れてしまったのだ。
日本では、人々の帰宅や通信手段の改善が進むなか、再会のストーリーはまだなお続いている。しかし、この苦しい別離は、津波が単に人々を遠く隔てたのではない。彼らの生活が、貧しい国よりもさらに遠く、彼らを散り散りばらばらにしたのだ。
とはいえ、日本の高度な経済発展がすべて裏目に出たわけではない。日本で過去最大級の地震であったにもかかわらず、津波に呑まれなかった建物はほぼ無傷だった。日本の建築物の耐久性は、日本の建設業界の厳格な建築基準の証しだった。
また、04年のスマトラ沖地震と異なり、多くの日本人が小さい頃から地震が起きた時に何をすべきか教えられてきた。彼らは何年間も避難訓練を行い、市町村の防災マップに書かれた高台に避難する練習をしていた。このような訓練がなければ、さらに数千人の命が失われたことだろう。
しかし、日本経済を立て直すには、高い建築基準と震災教育以上のことをしなくてはならないだろう。橋やボート、家の再建でほぼ事足りるスリランカと違い、日本は、何万もの家屋・車のみならず、道路、電力網、港湾を修理・再建する必要がある。そのうえで、携帯電話、ケーブルの接続、インターネットが必要になる。キリンビールからソニーのビデオテープまで、様々な製品の生産工場も修復しなければならない。その次に、ラジアルタイヤからおにぎりまで、あらゆるモノを運ぶ複雑な物流網を徐々に復旧させる。
27日の仙台で、日本の消費者に予想外のニーズがあることが示された。近くのスターバックスとマクドナルドの休業が続くなか、営業を再開したミスタードーナツの前に長い行列ができたのだ。しかし、人々が求めていたのはドーナツそのものではない。ひと休みするために喫茶店に立ち寄るという、日常のありふれた経験だった。
また、宗教の役割も、スリランカと日本の津波に対する反応で対照的な違いをみせた。
スリランカでは、人々は津波を避け、寺院やモスク、教会に逃げ込んだ。宗教指導者らは毎日、新聞に津波が何を意味するのかについて話した。日本では、寺や神社に逃げた人はほとんどいない。
400年の歴史を持つ仙台の寺の僧侶であるミウラ・マサト氏は、人々は、現実的な必要性から、仏に助けを求めないと語る。ミウラ氏は「彼らはただ、店に群がるだけ」と語った。
震災で企業の融資需要が急増-目立つ起債延期
東電会長、原発事故で陳謝=初動対応「まずさ感じない」
東電の清水社長、昨晩入院=高血圧で体調崩す
【インタビュー】今は何か一つのことで解決するような状況ではない=原発事故で枝野官房長官
民間企業での存続目指す=経営「大変厳しい」―料金値上げも・東電会長
福島原発、原子炉冷却と汚染水流出防止でジレンマ
東電に債権抱える有力企業に懸念も-国有化の憶測で
福島の事故で仏原発輸出に陰り
【英国】
ロイター http://jp.reuters.com/
特別リポート:福島原発危機はなぜ起きたか
[東京 30日 ロイター] 巨大地震と大津波で被災した東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)・福島第1原子力発電所から深刻な放射能汚染が広がっている。「想定外だった」と政府・東電が繰り返す未曽有の大惨事。
ロイターが入手した資料によると、事故の直接の原因となった大津波の可能性について、実は東電内部で数年前に調査が行われていた。なぜ福島原発は制御不能の状態に陥ったのか。その背後には、最悪のシナリオを避け、「安全神話」を演出してきた政府と電力会社の姿が浮かび上がってくる。
底知れない広がりを見せる福島第1原発からの放射能汚染。敷地内で原子炉から外部に漏れたと思われるプルトニウムが検出される一方、1、2号機のタービン建屋の外に放射性物質が流出していることも明らかになった。核物質を封じ込めるために備えた安全策は機能不全に陥っている。経済産業省原子力安全・保安院の担当者は29日未明の会見で「非常に憂える事態だ」と危機感をあらわにした。
<埋もれた4年前のリポート、福島原発モデルに巨大津波を分析>
「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。
この調査の契機になったのは、2004年のスマトラ沖地震。インドネシアとタイを襲った地震津波の被害は、日本の原発関係者の間に大きな警鐘となって広がった。
とりわけ、大きな懸念があったのは東電の福島第1原発だ。40年前に建設された同施設は太平洋に面した地震地帯に立地しており、その地域は過去400年に4回(1896年、1793年、1677年、1611年)、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされている。
こうした歴史的なデータも踏まえて、東電の専門家チームが今後50年以内に起こりうる事象を分析。その報告には次のような可能性を示すグラフが含まれている。
―福島原発は1―2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。
―9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。
―13メートル以上の大津波、つまり3月11日の東日本大震災で発生した津波と同じ規模の大災害は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうる。
そして、同グラフは高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうる(we still have the possibilities that the tsunami height exceeds the determined design)」と指摘している。
今回の大震災の発生を「想定外」としてきた東電の公式見解。同リポートの内容は、少なくとも2007年の時点で、同社の原発専門家チームが、福島原発に災害想定を超えた大津波が押し寄せる事態を長期的な可能性として認識していたことを示している。
この詳細な分析と予見は、実際の防災対策にどこまで反映されたのか。ロイターの質問に対し、東電の武藤栄副社長は「(福島第1原発は)過去の最大の津波に対して余裕をもっている設計にしていた」とは説明。それを超えるような津波がありうるという指摘については、「学会の中で定まった知見はまだない」との認識を示すにとどまった。
<従来の事故想定は機能せず>
以下略 全文はここ
第1原発1─4号機は廃炉不可避=東電会長
福島第1原発20キロ圏の「警戒区域」を検討
勤務中の震災被害、労災認定へ 5:37am
避難所トイレ4割に問題 5:21am
原発安全確保へ国際枠組み 1:37am
保安院、経産省から分離を検討 2011年 03月 30日 22:53 JST
死者・不明2万7千人 2011年 03月 30日 22:04 JST
原発20キロ圏「警戒区域」検討 2011年 03月 30日 20:48 JST
日産、4月中旬から通常プロセスで生産再開 2011年
【スイス】
スイス・インフォhttp://www.swissinfo.ch/jpn/index.html
東日本大震災、家族を案じるスイスの日本人
「大変な事態だからスイスに来たら」と言うのに、日本の家族は来ると言わない上、危機感も少ない。情報量の違いなのか、遠くにいるためこっちの方がパニックに陥っているのか、それとも文化の違いなのか。
こうした問いを抱えつつ、福島原発の事態が日々悪化する中、家族を案じ続けるスイス在住の日本人。東京都と神奈川県に家族を持ちヌーシャテル、ベルン、シュヴィーツ州に住む3人の女性に話を聞いた。
日本とのギャップ
「安定ヨウ素剤を送ったけれど、家族はこれ何って感じ。全然危機感がない。結局、自分の気休めに過ぎなかった」と話すのは、ヌーシャテル州在住の中村道子さん ( 仮名、50歳 ) 。福島原発と同じ型のスイスのミューレベルク ( Mühleberg ) 原発近くに住む友人は、5年に1度新しい安定ヨウ素剤を軍から受け取る。その友人に勧められた。
この危機感のなさは、一つには情報不足のせいだと思う。東京でケアマネージャーをしている妹は「計画停電でヘルパーさんたちが高齢者の世話に神経をとがらせ、夜中でも電話してくる。疲れていてニュースを観る暇もない」と言う。
中村さんはスイスで日本の情報を見ていて
「実際日本政府は、問題はないと今の状況を発表はするが将来の最悪のシナリオは何か、それにどう対処すればよいのかといったことは一切発表しない」
と不満を漏らす。
ダンス教師として働く、ベルンのヴィッガー斉藤靖子さん ( 40代 ) も日本とのギャップを感じた。
「東京の友人に放射能が怖いからマスクをして雨に当たらないようにしてと注意すると、今余震があってそれどころではない。遠いから分からないでしょうと逆に突っぱねられた」
と言う。
スイスでは津波直後から、冷却装置が機能しなければ原子炉の溶融は必然と警告し、最悪のシナリオも早々と発表された。こうした報道とのギャップがあってのことだろうか?
「それは確かにある。でも、日本でも東京の理系の友だちは何が起こっているのか理解していて、政府の言うことは信じられないと言っていたし、ある大学の教授は大阪に逃げて行った。つまり知っている人は知っている」
と話す。
「わたしの方が受け入れ側」と母
ヴィッガーさんは両親にスイスに来るよう伝えたが、来たいという感じではないと言う。父は79歳だが専門学校で生物学を教えていて、母は78歳だが近くの味の素スタジアムにいる福島からの避難民の援助にボランティアで行っている。
「今はわたしの方が受け入れ側で忙しい。スイスに逃げるどころではない」それに、「ここまで生きてきて楽しんだからいい。被災者の人に比べると贅沢なほうだ」と母は言っているとヴィッガーさん。
シュヴィーツ州在のシュミット和加乃さん( 42歳 ) は神奈川県に両親がいる。
「夫が母だけでも呼び寄せたらと言ってくれた。でも母が日本を離れるとは思わない。電話で話をしていてそれを感じる」
と言う。
さらに、こう続ける。
「母は、たとえ放射能を浴びて病気になったとしても、地元の人と互いにいたわりあって最期を日本で迎えるのだと思うし、わたしもそれでいいと思う。もし誰か呼び寄せるのだったら、20代の若い親戚を預かろうということになっている」
スイス人の温かい反応
スイス人の温かい反応には深く心を打たれたと3人は口を揃える。
「スイス人は日本人と似ていて、初めはそっとしておいてくれ、5日位たってから何人もの人が声を掛け、家族がスイスに来るなら家に泊ってくれと言ってくれた。この反応はうれしかった」
とヴィッガーさん。
「近所の人が、家族の安否を案じて声をかけてくれた。問題がないと分かると安堵し自分のことのように喜んでくれた」
とシュミットさん。
化粧品会社に勤める中村さんは、家族を呼び寄せたいというと旅行担当の男性が直ぐ5人分の切符を手配してくれ、そんなに親しくないのに自分の家でも泊まれると言ってくれた。
「でも結局、甥と姪の2人だけが来て、しかも学校が始まるので2週間後に日本に帰ると言うと、最低4カ月は滞在する『原発難民』だと思っていたらしく、がっかりしていた」
と話す。
日本人の穏やかさとメッセージ
スイス人はみんな、映像で見た日本人の穏やかさに、「こんな混乱のときにあの平静さは何なのか。素晴らしい国民だ」と感動した。
「初めは、国の指示にただ従うだけの国民だと半分ばかにしてこう言っているのではないかと疑ったが、本当に感嘆しているので、かえってびっくりした」
と中村さん。
「でも自分としては歯がゆい。不愉快なときはもっと発散させたほうがいい。悲しいならそれを表現してほしい。また怒りも、情報がないとか、もっと表に出すべきでは」
と続ける。
ヴィッガーさんは、停電で真っ暗なコンビニで、きちんと並びレジでお金を払っている日本人の映像を観たとき「無法地帯にならない日本」に感動。そして
「日本は世界に凄いメッセージを送ることになる。長崎、広島に次いで、この被害。しかも冷静なので説得力がある。メッセージとは原発を捨て再生可能エネルギーで成り立つ、バランスの取れた国に生まれ変わること。これを悲劇に終わらせず、180度転換して再出発してほしい」と願う。
そして自分なりの行動に
ヴィッガーさんは、3月11日以来深く落ち込んでいた。「遠くにいて何もできない無力感は人を疲れさせる。大病人に付き添っている感じ」
しかし、物事にすべて意味があるとしたら、今すぐにでも日本に帰りたい自分がここにとどまっていることにも何かの意味があると思えた。そのとき窓の外で鳥が鳴き、この平和さと日本とのギャップが整理できない自分もいた。そこで、
「体を動かして、空っぽになりたい。それをほかの人と共有したら何かよい考えを思いつくかも知れない。それにここの日本人が病気になってはならない」
と思い立った。
4月4日には、体を動かしみんなでリフレッシュするワークショップをベルンのダンス教室で開催し、被災者のための募金も募る。
【オーストラリア】
25Today オーストラリア
http://top.25today.com/
1位 飯舘村に避難勧告を=IAEA
2位 ディズニー、来月上旬にも再開=
3位 高橋らがチャリティー演技会=フ
4位 深刻危機に社長不在=「支障あり
【中国】
チャイナネットhttp://japanese.china.org.cn/
中国、内陸部に原発を建設へ
日本大震災 早過ぎる損害予測は回避すべき
浙江省、日本の農産物危機により注文殺到
日本の大地震の人類にとっての教訓
3月11日に発生した日本の東北・関東大地震は日本国民にとってばかりでなく、地域に暮らしているすべての人たちにとって悲しむべきことであり、また、教訓とするに値することでもある。
中国はいちはやく、首脳がお見舞いの意を示すとともに、在北京日本国大使館に赴いてお見舞いの意を示した。これと時を同じくして中国の雲南省でも地震が発生したにもかかわらず、中国はただちに救援物資を空路日本に送り、ガソリン、ディーゼル油計2万トンを日本に無償で供与することにした。一般市民の間でも募金活動がくり広げられている。
中国のテレビでも毎日、日本の被災地の状況が伝えられている。特に福島原発の件については、毎日詳しく伝えられているし、また、中国でもただちに全国の原発について総点検がおこなわれ、関係部門からも専門家たちが点検の評価のために現地に赴くことになっている。
中国の学者たちも、テレビで原発や事故について発言しているが、いずれも冷静に福島原発の事故に対処しているように受け取れる。
中国も原発をこれからも作っていくので、福島原発の事故は、新エネルギー開発における人類の直面する共通の課題として、冷静にとらえている。
中国の原発は地震多発地帯に建設されていないので、今の防波堤なら日本で発生したような大津波は防げる、と語っている学者もいるが、私はリスク・マネジメントという視点から、もっと防波堤を強化すべきだと思っている。人類にとっては、中国人がよく言っているように「一万回はこわくないが、万が一ということがこわいのだ」。
日本に仕事で長期滞在していた頃に、取材などでホテルをよく利用したが、ホテルには避難ルートを示した図もあり、懐中電灯、ロープなどもサイド・ボードの中に置いてあった。そして、日本は地震多発の国なので、避難の訓練も行われていた。三陸海岸ではかつて大津波が発生して、多数の人が亡くなったという資料を読んだこともある。しかし、それが現実となった日には、予知不可能なことが起こることも今回の地震で実証された。
私は原発については、まったくの素人であるが、日本の専門家の書いたものを見ると、発電のテクノロジー、メカニズムの面での研究はかなり進んでいるが、事故とか、解体工事についての研究は実例が少なかったせいか、まだ遅れているようだ。今回の福島原発のケースをテレビの映像のみで見ても、電力会社の専門家集団とも言える人たちが、かなりてこずっているように見える。これはそういう経験が過去になかったから、試行錯誤で最善の策を探し求めているからだと言ってもよい。しかし、チェルノブィリなどの例を知っている一般市民、周辺住民の不安、あせりも理解できる。これは要するに人類全体の問題である。そして、私見ではあるが、いくら危険なものであっても、新エネルギーとしての原発を否定するのではなく、これをキッカケに最善の安全システムをつくり上げることが必要である。
とはいうものの、私も一市民であるので、いま中国で人気上昇の日本料理のサシミ類は当分避けた方がいいのではないか、という過剰反応らしい、傾向がないわけではないが、こういう時こそ、冷静な、科学的思考が必要なのではないかとも思っている。宇宙開発にしても、航空機の開発にしても、リスクは伴うものである。リスクを恐れていては、人類の今日、人類の未来はない。大勢の人たちが亡くなったことは悲しむべきことだが、私はこういう時こそ未来に目を向けて、胸を張って困難に立ち向かっていくべきだと思っている。
最近、友人にある書物の校閲を頼まれ、その中に新中国を築き上げるためにたたかった集団の中に、出発当初30万人もいたものが延安にたどり着いたときには3万数千人しか残っていなかったという叙述が出てくる。中国の近代化のためにどれだけの代償を払ったのか。これと原発とは次元は違うが、しかし、新エネルギーや地震との戦いで、あとずさりしてはならない、と言えるのではないか。
日本の大地震は大変なことだが、これも人類がさらに前進するため避けて通れないステップのひとつと考えたい。かさねて、亡くなった人たちのご冥福を祈る。
原発事故の後始末には30年間、120億ドル必要
日本 「隠蔽体制」が民衆の怒りを
「食品大国の日本は物資不足?」震災後募る不満
遅々として進まぬ救援が日本人を怒らせたに過ぎないとするなら、日本の政界や経済界に一貫して存在する「隠蔽体制」が彼らの「激しい怒り」を招いたのは間違いない。東京電力は、福島原発事故発生後、十数年にわたり原子炉の真実のデータを記録していなかったことが暴露された。英紙ベルファスト・テレグラフは22日、「福島原発をしっかりと守った300人の東京電力社員の勇気は称賛に値するが、副社長は福島県の避難所で謝罪した際、逆に激怒した被災者らに拒まれ門外に追い出された」と報じた。また、東電のある責任者は被災後の「宴会」の事実がネット上で暴露され、「切腹謝罪」と要求されたとも報道。
朝鮮日報は「今回の原子力危機にも同じように日本政府の消極的な姿勢が見られた。事故発生直後から日本政府は、放射線量は非常に低いと言い続け、すべての処理を東電に任せた。事態が深刻になって、枝野官房長官がようやく東電は真実の報告をしていないと指摘した」伝えている。さらに、日本政府の消極的な姿勢には「不確かな状況を避ける傾向」があると強調。基準を超える放射能汚染について、日本の高官は一貫して「健康にすぐに影響をもたらすものではない」と強調してきたが、毎日新聞は「無害論」は国民の不安を根本的に拭うことはできない、と報道していた。
地震後、管直人首相と閣僚はほとんどが家に戻っていない。日本人は管内閣の「不眠不休で頑張る」は評価してはいるが、救援活動の効率は余り評価していない。震災への対応能力を強化しようと、管首相は閣僚を3人増やすとともに、自民党に「危機管理内閣」の樹立を打診したものの、すぐさま拒絶された。日本経済新聞は「未曾有の災害を前に、与党と野党はいずれも保身を選択した」と断言。被災後の救援をめぐる「連合内閣」構想には、野党が拒絶した場合、首相はその責任の回避を非難できるとの「保身」の意図が見られる、と指摘。野党が連帯責任に警戒感を強め、入閣に慎重な態度を示したのも、一種の「保身」であるのは間違いない、と報じている。
日本は依然として「民より官のほうが強い」。23日の朝鮮日報はこう嘆息し、疑問を呈している。「世界の富める国その背後で、被災後の救援活動にこれほど哀れみを感じるのはなぜだろう。国家公務員や地方公務員は何をしているのだろう」。さらに日本人の言葉を引用し、「公務員は今、文書の案を練っているところだ」と皮肉った。日本の今の官僚制度が明治維新後に確立されたとも報じている。「日本政府が『アジアを脱して欧州に入る』との任務を精鋭なる官僚に託したことで、彼らは『われわれが主導してこそ発展できる』と考えるようになった。その後、この体制はなかなか触れることのできない“うどの大木”と化した。『教科書にある』こうした人物が行い、そこになければ行わない、ことになれば、他の機関との意思疎通を図ることすらできなくなる。こうした人物には改革について何を語ればいいのだろう」
清華大学歴史学部副教授の劉暁峰氏はこう指摘する。「80年代以降、日本は官僚体制の硬直化について絶えず反省してきたが、解決するのが非常に難しかったのは、巨大化し過ぎていたからだ。日本社会では官界と経済界が一体化されており、それが企業の異化を招いている。危機管理の角度から見れば、今回の災害では、日本の官僚体制は外部が想像するほど主動的ではなかった」
ハリウッドでフィルムが人気沸騰 日本地震の影響
災害で日本の「最大の弱点」が暴露
シンガポール紙「聯合早報」は29日、「日本は復興の十字路に立たされている」と題した文章を発表した。その一部を紹介する。
日本で起きた「3・11」大地震は、その規模にしても、津波による被害、原発事故にしても、日本史に前例のないもので、このような一連の大災害を経験した人はいない。菅直人首相は今回の事態を、「戦後日本が迎えている最大の危機」としているが、それはちっとも誇張ではなく、うまい歴史的位置づけだといえる。
この半月余りの観察を通して、日本の今回の災害は震災によって人の命や財産の損失、経済活動の停滞、国土の破壊などだけでなく、心理的な衝撃も正しく評価しなければならないことに気づく。
▼「不死鳥」の精神がまだ存在しているか
歴史の長い流れや、経済学的観点からみると、破壊されれば建設をし、巨額投資があれば生産量も増える。生産過剰に頭を抱える現在の日本にとって、今回の災害はその穴埋めとなり、デフレによる停滞の治療につながる可能性がある。
ただ、今回の災害は新しい形態の災害であり、日本は質的に変化している時期にある。日本にかつてあった「不死鳥」の精神が今でも残っているか?さらに重要なのは、今回の「東北と関東の大地震」で、これまでの自然災害が放射線という大災害にまで転じ、従来の天災の性質をも変えてしまったことだ。
放射線は二次災害だが、日本と其の周辺地域にかなり深刻かつ深遠な影響をもたらすことになる。すでに日本が単独で対応できる範囲と規模を超えており、より複雑で手を焼く問題となっている。日本が今回の件で再起不能になるとは断言できないが、日本の「不死鳥」の精神が、明治維新や戦後の復興のような光彩を放つと盲信することはできないだろう。
地震、津波、台風などの自然災害に日本人はうまく対応し、知恵を出して共存してきたため、これまで災害を「世界最後の日」と思ったことはなかった。
▼放射線が災害を拡大
マグニチュード9.0の東北関東大震災で、東北地方沿岸部一帯が地震と津波により押し流され、経済的な損失は計り知れないものとなっている。死者は1万人、家を失った人は10万人を超える、歴史的な大惨事となっている。
日本政府が発表した大まかな損失報告によると、福島原発事故を除き、東北地方だけで家屋や工場、道路、公共施設の損壊による経済損失額は16兆~25兆円(約1850億~3080億ドル)に上るものと見られている。損失額は1995年に起きた阪神大震災の9兆6千億円(1千億ドル)、2005年に米国を襲ったハリケーン・カトリーナによる被害額1250億ドルを上回り、経済的損失が過去最大の自然災害となる見通し。
ただ、この損失額の中にはまだ東京の計画停電や、東京電力の福島原発による被害額は計上されていない。放射線に食品や水、水産品や農産物が汚染され、東京に住む人々の健康に脅威をもたらしているだけでなく、東北地方の農業や水産加工業全体に壊滅的な打撃を与え、放射線による脅威から逃れるため、数十万人が避難している。そしてすでに一般的な災害復興或いは経済が回復するかという国家の問題の域を超えている。
▼福島原発は今後どうなるか?
菅直人首相は、「戦後最大の危機」と述べたが、日本の朝日新聞元主筆の船橋洋一氏は、日本社会全体を動揺させ、日本があらゆる問題に直面している点において、「個人的には、日本史上最大の危機だと思う」と語った。
船橋氏は、今回の地震は最も劇的な方法で世界に日本の最大の弱点を暴露したと指摘する。これは単なる自然災害ではなく、日本の命運を決める危機だといえる。高齢化、原子力エネルギーへの依存、地方の過疎化などの問題が全て暴露されてしまった。「今回の地震は顕微鏡で日本社会に存在する弱点を洗いざらい見せてしまった」。
それに比べると、経済的損失は想像するほど巨大ではない。なぜなら経済復興それ自体はそれほど難しくはないからだ。「V」字型だとか、「W」字型だとかいうが、福島原発事故後の日本がどうなるかを予測する人はいない。
新華社新華網ニュース
http://www.xinhua.jp/
日本原発事故受け、太陽光発電の目標引き上げか―中国
日本の震災が中国自動車市場の勢力図を変える
日本の震災が中国ショベル産業に与える影響
[特集]日本の大震災が中国の製造業に与えた衝撃
大紀元http://www.epochtimes.jp/
ロシア科学者、東日本大地震を14年前に予測 「極東で続発の可能性も」
3月11日に東日本で起きたマグニチュード(M)9の大地震を、ロシア科学アカデミー極東事務所専門家ワシリ・アブラモフ教授(Valery Abramov)は1997年に既に予測していた。
ロシアメディアの最近の報道によると、ロシア科学アカデミー極東事務所東太平洋海洋学研究所地質および地殻構造物理実験室責任者のアブラモフ教授は14年前の1997年に、ユネスコの「教授クラブ論文集」の雑誌に発表した文章で、2011年に日本の関東地域で大地震が発生すると予測していた。
9年後、この文章は日本の専門家の関心を呼んだ。2006年、日本側はアブラモフ教授に対し、地震予測に関連する資料を請求したという。アブラモフ教授は当時の状況を次のように語った。「日本側は地震をかなり警戒していたが、自国の地震と津波警報システムがより進んでいると考えていたらしく、我々の予測はあまり重視されなかった」
更に同教授は、東日本大震災が発生してから、再び悲観的な予測を発表している。それによると、今回の日本の地震と津波は、今後継続的に発生する地震の始まりであり、日本およびロシア極東地域は大規模な地震に直面しているという。アブラモフ教授は、「我々の研究によれば、現在地球は新たな活動期に入っており、今回の東北関東大地震、インド、インドネシアおよびニュージーランド地震は全てその前触れ。2011年ロシア極東国境地域でマグニチュード8-9、カムチャッカ地域でマグニチュード10の地震が予測され、日本の西海岸付近でも地震発生が継続し、マグニチュード9に達する恐れもある。それらは決して小さなものではない。これ以外に火山噴火や津波も想定される」としている。
また、アブラモフ教授によると、日本の建築は相対的に高い耐震性を備えているが、ロシアの建築は耐震性で劣っているため、ロシア極東地域の損害は重大であることが予想される。また、ロシア政府が同報告を重視していないことを懸念しているという。これ以外にも地震、津波による原発事故など予測不可能な要因があり、災害を更に大きくする可能性もあるという。
すでに的中した14年前の予測と未来の予測は、いずれもアブラモフ教授が研究している「球形漏斗」理論に基づくものであるという。同理論は、地球の各大陸はそれぞれ地核から地表に至る「球形漏斗」を持っており、破壊エネルギーがここに吸収されている。ここ10年はエネルギーの活発な吸収期にあり、ロシアの専門家はこの過程を「地球新活動期現象」と呼んでいる。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
【コラム】ろうそくの火で原発問題は解決しない(1)
福島原発事故の後、韓半島全域で放射性物質が検出されたという。市民の不安はますます深まっている。検出された放射能はごく微量で、人体には影響がないと言っても信じない表情だ。市民は日本産食品と聞くと最初から買おうとしない。
専門家は福島の放射能流出が韓半島に影響を与える可能性はほとんどないという。漏出した放射能は地球の自転のため年中吹く偏西風に乗って太平洋側に飛んでいき、大気中に散ったり海に落ちることになっているからだ。それでも風向きが変われば韓国も安心できないという詭弁が広まっている。地球が逆に回れば知らないが、納得しがたい主張だ。
福島原発事故が発生すると、国内の環境団体と一部のメディアが見せた最初の反応は「原発政策を全面的に見直せ」ということだった。日本の事故内容を把握する前に国内の原発から問題にし始めたのだ。そしてすぐに国内原発の安全性に問題があるという主張が提起された。日本と同じ地震が韓国に発生したら、日本と同じほどの津波が韓国の東海岸に押し寄せれば、そして東京電力のように安全対策に問題があれば、韓国の原発も危険だという警告が激しかった。仮定に仮定を加えて最悪の状況を想定したシナリオは国民の不安感をさらに増幅させた。
先日、国内ある報道機関が実施した世論調査によると、専門家の90%が韓国の原発は「安全だ」と答えた半面、一般人は43%が「安全でない」と答えた。さらに一般人の94.1%が「‘日本原発事故による放射能漏出から韓国は安全だ’という政府と原子力専門家の言葉は信じられない」と答えたのは衝撃的だ。08年、政府がいくら米国産牛肉は安全だと話しても信じなかった当時のろうそくデモを連想させる。
野党は国民の不安感に政治的な好機を見いだした。孫鶴圭(ソン・ハッキュ)民主党代表は直ちに「原発政策の全面見直し」を主張し、民主党・民主労働党・創造韓国党・進歩新党は古里(コリ)1号機の稼働中断と月城(ウォルソン)1号機の寿命延長撤回、新規原発建設計画の白紙化を要求する決議案を発議した。一部の人は「李明博(イ・ミョンバク)政権が3年前は国民の食の安全を放棄し、竜山(ヨンサン)惨事と4大河川事業で国民の安全と生命を軽視する姿を見せたが、今回(原発安全問題)もそうではないか不安だ」と主張する。原発安全問題を政治争点化しようとする陰険な意図が見える。
しかし原発問題は政治的論争で解決するものではなく、そうしてもならない。原発政策はエネルギー政策の一環で、結局、どんなエネルギーを使うかという選択の問題だ。すなわち、これから電気をどれほど使用するのか、その電気を生産するのにどんなエネルギー源をどれほど使うのかを決める問題だ。ここで選択の基準はエネルギー供給の安定性と費用、環境に及ぼす影響、そして安全性だ。環境の影響と安全性は科学的に評価する問題であり、供給の安定性と費用は経済的に考慮することだ。一つの基準だけでは決められないということだ。
国民の生命が危険なのに何を言うのかという反論の声があるかもしれないが、その危険も程度の問題だ。危険の面で言えば、人命殺傷を目的に開発された北朝鮮の核兵器が数千、数万倍もっと危険だ。安全だけを考えれば原発を放棄してしまうのも方法だ。しかし原発を完全になくそうとすれば、すぐにも国民の生活の一部をあきらめ、国家経済に打撃を受ける覚悟をしなければならない。原発の代わりに再生可能エネルギーを使えばよいというが、開発に時間とお金がかかるのはもちろん、原発の代役になれるかどうかは疑問だ。石油や石炭、ガスなど化石燃料に戻るには現実的な限界があるだけでなく、炭素の排出を増やし、地球温暖化を促進する副作用が大きい。
こうした事情のため、世界各国は独自の原発政策を採択している。もちろん日本の原発事故で原発の危険性に対する警戒心が高まったし、それによって安全対策を補完しようとするなら費用はさらにかかる。それでも原発事故を経験した日本とロシアは相変わらず原発を廃棄したり稼働を中断する考えはない。エネルギーブラックホールに浮上した中国は追加で原発を建設するという計画を維持している。原発輸出国フランスはもちろん、英国とスウェーデン、フィンランドなど、ドイツを除いたヨーロッパの原発強国も原発稼働を中断する計画はない。米国も建設中の原発2基の工事をやめない考えだ。韓国も原発の安全性を高める方法を科学的に見つけだし、自国なりに現実的な原発対策を打ち出さなければならない。無条件に原発を拒否する環境原理主義に陥ったり、原発問題を政治争点化したりすれば、決して原発問題は解決することができない。
【コラム】地震と独島、そして安重根(1)
【コラム】地震と独島、そして安重根(2)
問題の核は08年に日本政府が公表した「中学校学習指導要領解説書」だ。日本の独島領有権主張を義務的に教科書に載せることにした。「竹島は日本の領土」の合法化の試みだ。今までは扶桑社教科書一つだけを問題にすればよかったが、今年からは戦線が拡大された。8つの出版社が出す教科書すべてが問題の対象になったのだ。8つの教科書のうち2つは「独島=日本の領土」が確実に含まれると予想される。扶桑社の子会社である育鵬社版とつくる会が新しく出す自由社版がそれだ。独島以外に日本軍慰安婦問題を含め、歴史叙述全般にわたる歪曲も凝視せざるをえない。
3月11日に発生した東日本大地震という不幸を踏んで、韓日間に友好が芽生える雰囲気だった。韓国国民の大半は日本の地震に心を痛めた。日本から直接被害を受けた元慰安婦女性までが日本を助けようと主張した。これをきっかけに過去の歴史の暗い影を取り払おうという気持ちが生じるのは自然だ。こうした雰囲気をなぜ生かしていけないのだろうか。地震と教科書問題は‘別の懸案’とあえて分ける状況はぎこちない。未曾有の大地震にあった日本で当初の計画の通り進行される事業がどれほどあるだろうか。せっかく共生の気運が高まった韓日関係に、日本政府が冷水を浴びせる理由が何か気になる。
日本政府の態度と国民の性向は別ものとして分けなければならないようだ。先週末、九州に安重根(アン・ジュングン)義士の平和精神を称える記念碑が日本人によって建てられた。安義士殉国101周年を記念してだ。旅順刑務所で叙述した安義士の『東洋平和論』精神を生かそうという努力が大切な時期だ。
韓国政府、日本教科書検定通過で武藤大使を招致へ (16:17)
「独島領有権主張」日本教科書が検定通過…韓国世論が反発 (16:08)
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
【コラム】原発にちらつく狂牛病の影(上)
【コラム】原発にちらつく狂牛病の影(下)
狂牛病と原発事故には共通点がある。実際に起きる可能性は低いが、その可能性が現実となった際の結果は計り知れないという点だ。米国産牛肉を食べ、狂牛病にかかる確率は、あえて計算すると40億分の1程度だ。ロトくじで1等を当てる、あるいは雷に当たる確率に等しいという科学者もいる。しかし、そんな科学的説明も、狂牛病にかかれば「脳が穴だらけになる」という恐怖感の前では無力だ。
福島第一原発の事故は、マグニチュード(M)9.0の巨大地震が原因で発生したもので、韓半島(朝鮮半島)ではその1000分の1の規模に相当するM7.0規模の地震が起きる確率も低い、というのが韓国地質資源研究院の判断だ。そうした専門家の意見も、原爆被害者の悲惨な写真1枚で力を失う。
「韓国の原発は世界で最も安全だ」という李大統領の発言も3年前を思わせる。米国産牛肉の輸入決定に際し、李大統領が「国民は安価で良質な牛肉を食べられるようになる」と述べると、ろうそく集会を行う勢力からは「狂った牛はお前が食べろ」と暴言が浴びせられた。李大統領は原発論争が自身の最も嫌う政争へと拡大している事実を知らないようだ。また、原発に対する批判は国民の感覚を刺激し、立体的に展開させているのに対し、政府の対応は広報資料を読み上げるにとどまっている。
英週刊誌エコノミストは「ある自然災害は歴史を変えることがある。今回の日本の大地震はそうなる可能性がある」と論じた。原発事故に対する不安感が広がり、世界各国の発電戦略に影響を与える可能性があるという意味だ。実際に数カ国が老朽化した原発の運転を休止したり、原発の新規建設を見直す動きを見せている。しかし、石油・石炭のような化石燃料による温室効果ガスに対する規制が徐々に強まっている中、太陽光・風力などのクリーンエネルギーも近い将来に大きな支えになることは望めない。当面は原発なしに運営する方法はないように思える。
原発の安全性が過去1カ月で急激に低下したとは言い切れない。しかし、原発に対する人々の視線や心理は確実に変化した。一般国民が「日本のような国でも事故が起き、ドイツのような技術先進国も怖がっているのに、韓国は大丈夫なのか」という常識的な心配をするのは当然だ。
こうした不安心理を利用し反李明博陣営は、狂牛病騒動に続く「第2の勝利」をもたらそうと意気込んでいる。政府が「専門家の言葉を信じろ」とばかり繰り返しているようでは、光化門の通りが再びろうそくで埋め尽くされる状況も否めない。
東日本巨大地震:放射性ヨード検出量減、3カ所に
【コラム】日本人の苦痛を忘れるな(上)3月30日 11:30
死と隣り合わせで住むということは、本当につらいことだろう。今日本に住むのはそういうことだ。外国人は逃げる先もあろうが、日本人には行く先はない。
一瞬で死ぬのならばまだましだ。津波はそういうケースだろう。しかし、いつやって来るか分からない死、あるいは目前に迫っている死に向かって、一歩一歩進むことほど怖いことはないはずだ。
東日本巨大地震と津波で最も大きな被害を受けた宮城県、岩手県の沖では28日午前7時24分ごろ、再びマグニチュード6.5の余震が起きた。11日の本震から数えて何回目か分からない。NHKのニュースは、地震の揺れにおびえた少女が、避難所で兄の懐にすがり震える姿や「怖い、怖い」を連発する高齢者の姿を捉えていた。いつやって来るともしれない死に対する恐怖というのはそういうものだろう。津波が起きるまでは地名さえ知らなかった気仙沼、陸前高田、南三陸で生き延びた人々は、3月11日午後2時46分を永遠に忘れることはないだろう。
福島の原発で死闘を繰り広げている作業員は、目の前で待ち構える死に向かって進まなければならないケースだ。彼らに「決死隊」の壮厳さを求めるのは本当に酷なことだ。彼らはただでさえ被ばくの恐怖に震え、文字通りに死闘を繰り広げている最中だ。仕事を失わないため、家族を食べさせるため、危険を顧みない人もいるという。
【コラム】日本人の苦痛を忘れるな(下)3月30日 11:31
米ニューヨーク・タイムズは今月15日、「事故原発を守る50人の労働者」という記事で「英雄的な決死隊ストーリー」を描いた。その後、決死隊の数は800人とも、200人ともいわれた。実際に何人が本当の決死隊だったかは分からない。ただ、特に目立たず、何らかの名分で身をささげた決死隊でもなく、安全規則を徹底して守って行動せざるを得ないとしても、彼らは決して愚かな人々ではない。
今回の災難は、ある日本人の言っていた通り、地震、津波、原発事故が重なった「三重の災難」だ。数百年に1度の災難といってよいだろう。そして、その災難はまだ始まったばかりだ。今日本の太平洋沿岸には、家族と故郷を全て失い、目の前の現実に震える人が数十万人もいる。さらに大きな地震が来ないか、原発が爆発したりしないかという恐怖に震える人は数百万人、数千万人いる。
日本政府は30日、予定通りに中学校の歴史、地理、公民の教科書の検定結果を発表する。独島(日本名・竹島)は日本領だという内容が強化される見通しだ。せっかくの韓日友好ムードに冷水を浴びせるのは明らかだ。しかし、それによって、死の恐怖に苦しむ日本の平凡な人々に対する温かい心まで捨ててはならない。ソウルの日本大使館前で募金活動を続けている従軍慰安婦のおばあさんの心こそ、国の品格を高めるという事実を忘れてほしくない。
東日本巨大地震:魚市場から客足途絶える(上)3月30日 11:02
東日本巨大地震:魚市場から客足途絶える(下)3月30日 11:02
東日本巨大地震:原発から汚染水流出、放水が裏目に 2011/03/30
教科書:日本政府、震災対応中でも検定結果発表へ
【米国】
ウォール・ストリート。ジャーナルhttp://jp.wsj.com/
原子炉の密閉性が失われている可能性―福島原発で保安院
先進国の被災、困難伴う――スマトラ沖地震との比較
カメヤ・ヨシさんは、西側世界の居心地のよい都市郊外にいても場違いには見えないだろう。彼は、自分の冷凍食品会社があったがれきの近くに立ち、明るいブルーのNorth FaceのジャケットからiPhone(アイフォーン)を取り出し、自分が写した津波被害の写真に目を通す。
自信に満ちたこの43歳の国際人は、食料は十分にあると話す。しかし、海苔を巻いたおにぎりが配られると、彼の手は、お礼の言葉が口から出るよりも早くそれをつかみ取った。
カメヤさんのこの飢えた手は、日本の悲劇が持つ多くの不安な面のひとつを象徴している。今回の震災は、世界で最も富裕な一国の基盤を揺るがし、豊かだった被災者を失望に陥れるとともに、最も準備の行き届いた場所でも天災は免れないことを浮き彫りにした。住民の家やポケットに装備されていた先進国の技術も、たいして役には立たなかった。
本稿の記者は、2004年のスマトラ沖地震の際もウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材にあたったが、当時の震災は今回とは違っていた。スマトラ沖地震の犠牲者は、インドネシア、スリランカなどを中心に約20万人を数え、死者1万1000人、行方不明者1万6500人以上の東日本大震災をはるかに上回った。
Getty Images
スリランカ(04年)
しかし、ほかの意味においては、スマトラ沖地震はまだ与し易かった。実際、多くの地域で、見かけほどの損害はなく、携帯電話や車、複雑なサプライチェーンといったテクノロジーへの依存が比較的低かったことが、生存者に有利に働いた。
スリランカでは、海辺のリゾートと漁村が失われた。しかし、地域社会が小規模で貧しかったため、損害は海辺の集落にとどまる場合が多く、復興も容易だった。しかし日本では、車や家屋などがれきの山が内陸に向かって何キロも続く。なぜなら、大津波の到達がスリランカよりも早かったこと、また、スリランカの被災者は、車やテレビ、二階建ての家、キッチンテーブルや衣服で満杯のクローゼットなど、豊富な物に恵まれていなかったことが挙げられる。
エコノミストの予想では、日本の津波による被害額は最大で3000億ドル(約25兆円)にのぼる。インド洋津波の被害額は100億ドル程度だった。
スリランカのコッガラに住む当時24歳だったロスマンド・ウィクラマナヤケさんは、巨大津波の後、父と母、妹と弟を砂に埋葬しなければならなかった。1年後、残された家族の生活は基本的に通常に戻った。
車一台分のサイズの小屋を建て直し、小さな店を再開するには、政府から支給された2、3千ドルで十分だった。家族の悲しみを推し量るのは不可能だが、経済的には彼らの簡素な生活を元に戻すのは比較的簡単だった。
また、ウィクラマナヤケさんのような被災者は、当初の緊急事態を過ぎて、食料についてあまり心配する必要はなかった。彼と生活物資の生産者の間には、仲買人が1、 2人いるだけだった。魚商が死んだり、市場が流されたら、彼はほかを当たればよかった。津波被害を免れた地域の鶏肉、ココナッツの農家は決して遠くはなかった。
ところが日本では違う。ほかの富裕国と同様、住民は、衣食を満たしてくれる農家や工場から切り離されている。先進国の消費者は、りんごやミルク、コメ、靴、石けんといった品々がどのように店の棚に並ぶのか考えないことが多い。今、停電や高速道路の閉鎖、鉄道運行の停止などで、絶え間ない製品の流通は遮断されている。
たとえば、コンビニエンスストアのセブンイレブンでは1日に3回以上配送が行われている。この「ジャストインタイム」配送が、限られた陳列スペースでのより多くの物品販売を可能にする。
震災からわずか2日で、福島のセブンイレブンは、アイスクリームとアルコール度数の強い酒を除き、商品棚がほぼ空になった。3日目までには、大半のコンビニが閉鎖し(沿岸から約30キロ地点でも)、数少ない営業中の商店には長蛇の列ができた。今も被災地の店はほとんどが休業している。
携帯通信端末への依存度が高い日本にとってのもうひとつの問題は、連絡を取れない辛さだ。スリランカでは、生存者の大半がすぐに再会を果たした。若干の移民労働者を除けば、親戚や友人は近くに住み、家から遠くに出掛けることはまれだった。
震災から2週間以上が過ぎた今でも、日本では多くの人々が家族や友人の安否がわからない状態が続いている。津波が襲った時、家族は、家から何キロも離れたところ――車や交通機関で行く場所――で働いたり、買い物をしたりしていた。
交通機関が被害を受け、多くの人はがれきの中の帰宅が困難となった。携帯基地局の停電で、携帯電話もつながらない。震災後間もない頃、大切な人の安否を確認するため、携帯の電波のアンテナが1本でも立つことを祈りながら携帯電話を見つめる多くの人が路上に溢れていた。
そして1週間後、携帯電話も消えた。電池が切れてしまったのだ。
日本では、人々の帰宅や通信手段の改善が進むなか、再会のストーリーはまだなお続いている。しかし、この苦しい別離は、津波が単に人々を遠く隔てたのではない。彼らの生活が、貧しい国よりもさらに遠く、彼らを散り散りばらばらにしたのだ。
とはいえ、日本の高度な経済発展がすべて裏目に出たわけではない。日本で過去最大級の地震であったにもかかわらず、津波に呑まれなかった建物はほぼ無傷だった。日本の建築物の耐久性は、日本の建設業界の厳格な建築基準の証しだった。
また、04年のスマトラ沖地震と異なり、多くの日本人が小さい頃から地震が起きた時に何をすべきか教えられてきた。彼らは何年間も避難訓練を行い、市町村の防災マップに書かれた高台に避難する練習をしていた。このような訓練がなければ、さらに数千人の命が失われたことだろう。
しかし、日本経済を立て直すには、高い建築基準と震災教育以上のことをしなくてはならないだろう。橋やボート、家の再建でほぼ事足りるスリランカと違い、日本は、何万もの家屋・車のみならず、道路、電力網、港湾を修理・再建する必要がある。そのうえで、携帯電話、ケーブルの接続、インターネットが必要になる。キリンビールからソニーのビデオテープまで、様々な製品の生産工場も修復しなければならない。その次に、ラジアルタイヤからおにぎりまで、あらゆるモノを運ぶ複雑な物流網を徐々に復旧させる。
27日の仙台で、日本の消費者に予想外のニーズがあることが示された。近くのスターバックスとマクドナルドの休業が続くなか、営業を再開したミスタードーナツの前に長い行列ができたのだ。しかし、人々が求めていたのはドーナツそのものではない。ひと休みするために喫茶店に立ち寄るという、日常のありふれた経験だった。
また、宗教の役割も、スリランカと日本の津波に対する反応で対照的な違いをみせた。
スリランカでは、人々は津波を避け、寺院やモスク、教会に逃げ込んだ。宗教指導者らは毎日、新聞に津波が何を意味するのかについて話した。日本では、寺や神社に逃げた人はほとんどいない。
400年の歴史を持つ仙台の寺の僧侶であるミウラ・マサト氏は、人々は、現実的な必要性から、仏に助けを求めないと語る。ミウラ氏は「彼らはただ、店に群がるだけ」と語った。
震災で企業の融資需要が急増-目立つ起債延期
東電会長、原発事故で陳謝=初動対応「まずさ感じない」
東電の清水社長、昨晩入院=高血圧で体調崩す
【インタビュー】今は何か一つのことで解決するような状況ではない=原発事故で枝野官房長官
民間企業での存続目指す=経営「大変厳しい」―料金値上げも・東電会長
福島原発、原子炉冷却と汚染水流出防止でジレンマ
東電に債権抱える有力企業に懸念も-国有化の憶測で
福島の事故で仏原発輸出に陰り
【英国】
ロイター http://jp.reuters.com/
特別リポート:福島原発危機はなぜ起きたか
[東京 30日 ロイター] 巨大地震と大津波で被災した東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)・福島第1原子力発電所から深刻な放射能汚染が広がっている。「想定外だった」と政府・東電が繰り返す未曽有の大惨事。
ロイターが入手した資料によると、事故の直接の原因となった大津波の可能性について、実は東電内部で数年前に調査が行われていた。なぜ福島原発は制御不能の状態に陥ったのか。その背後には、最悪のシナリオを避け、「安全神話」を演出してきた政府と電力会社の姿が浮かび上がってくる。
底知れない広がりを見せる福島第1原発からの放射能汚染。敷地内で原子炉から外部に漏れたと思われるプルトニウムが検出される一方、1、2号機のタービン建屋の外に放射性物質が流出していることも明らかになった。核物質を封じ込めるために備えた安全策は機能不全に陥っている。経済産業省原子力安全・保安院の担当者は29日未明の会見で「非常に憂える事態だ」と危機感をあらわにした。
<埋もれた4年前のリポート、福島原発モデルに巨大津波を分析>
「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。
この調査の契機になったのは、2004年のスマトラ沖地震。インドネシアとタイを襲った地震津波の被害は、日本の原発関係者の間に大きな警鐘となって広がった。
とりわけ、大きな懸念があったのは東電の福島第1原発だ。40年前に建設された同施設は太平洋に面した地震地帯に立地しており、その地域は過去400年に4回(1896年、1793年、1677年、1611年)、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされている。
こうした歴史的なデータも踏まえて、東電の専門家チームが今後50年以内に起こりうる事象を分析。その報告には次のような可能性を示すグラフが含まれている。
―福島原発は1―2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。
―9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。
―13メートル以上の大津波、つまり3月11日の東日本大震災で発生した津波と同じ規模の大災害は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうる。
そして、同グラフは高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうる(we still have the possibilities that the tsunami height exceeds the determined design)」と指摘している。
今回の大震災の発生を「想定外」としてきた東電の公式見解。同リポートの内容は、少なくとも2007年の時点で、同社の原発専門家チームが、福島原発に災害想定を超えた大津波が押し寄せる事態を長期的な可能性として認識していたことを示している。
この詳細な分析と予見は、実際の防災対策にどこまで反映されたのか。ロイターの質問に対し、東電の武藤栄副社長は「(福島第1原発は)過去の最大の津波に対して余裕をもっている設計にしていた」とは説明。それを超えるような津波がありうるという指摘については、「学会の中で定まった知見はまだない」との認識を示すにとどまった。
<従来の事故想定は機能せず>
以下略 全文はここ
第1原発1─4号機は廃炉不可避=東電会長
福島第1原発20キロ圏の「警戒区域」を検討
勤務中の震災被害、労災認定へ 5:37am
避難所トイレ4割に問題 5:21am
原発安全確保へ国際枠組み 1:37am
保安院、経産省から分離を検討 2011年 03月 30日 22:53 JST
死者・不明2万7千人 2011年 03月 30日 22:04 JST
原発20キロ圏「警戒区域」検討 2011年 03月 30日 20:48 JST
日産、4月中旬から通常プロセスで生産再開 2011年
【スイス】
スイス・インフォhttp://www.swissinfo.ch/jpn/index.html
東日本大震災、家族を案じるスイスの日本人
「大変な事態だからスイスに来たら」と言うのに、日本の家族は来ると言わない上、危機感も少ない。情報量の違いなのか、遠くにいるためこっちの方がパニックに陥っているのか、それとも文化の違いなのか。
こうした問いを抱えつつ、福島原発の事態が日々悪化する中、家族を案じ続けるスイス在住の日本人。東京都と神奈川県に家族を持ちヌーシャテル、ベルン、シュヴィーツ州に住む3人の女性に話を聞いた。
日本とのギャップ
「安定ヨウ素剤を送ったけれど、家族はこれ何って感じ。全然危機感がない。結局、自分の気休めに過ぎなかった」と話すのは、ヌーシャテル州在住の中村道子さん ( 仮名、50歳 ) 。福島原発と同じ型のスイスのミューレベルク ( Mühleberg ) 原発近くに住む友人は、5年に1度新しい安定ヨウ素剤を軍から受け取る。その友人に勧められた。
この危機感のなさは、一つには情報不足のせいだと思う。東京でケアマネージャーをしている妹は「計画停電でヘルパーさんたちが高齢者の世話に神経をとがらせ、夜中でも電話してくる。疲れていてニュースを観る暇もない」と言う。
中村さんはスイスで日本の情報を見ていて
「実際日本政府は、問題はないと今の状況を発表はするが将来の最悪のシナリオは何か、それにどう対処すればよいのかといったことは一切発表しない」
と不満を漏らす。
ダンス教師として働く、ベルンのヴィッガー斉藤靖子さん ( 40代 ) も日本とのギャップを感じた。
「東京の友人に放射能が怖いからマスクをして雨に当たらないようにしてと注意すると、今余震があってそれどころではない。遠いから分からないでしょうと逆に突っぱねられた」
と言う。
スイスでは津波直後から、冷却装置が機能しなければ原子炉の溶融は必然と警告し、最悪のシナリオも早々と発表された。こうした報道とのギャップがあってのことだろうか?
「それは確かにある。でも、日本でも東京の理系の友だちは何が起こっているのか理解していて、政府の言うことは信じられないと言っていたし、ある大学の教授は大阪に逃げて行った。つまり知っている人は知っている」
と話す。
「わたしの方が受け入れ側」と母
ヴィッガーさんは両親にスイスに来るよう伝えたが、来たいという感じではないと言う。父は79歳だが専門学校で生物学を教えていて、母は78歳だが近くの味の素スタジアムにいる福島からの避難民の援助にボランティアで行っている。
「今はわたしの方が受け入れ側で忙しい。スイスに逃げるどころではない」それに、「ここまで生きてきて楽しんだからいい。被災者の人に比べると贅沢なほうだ」と母は言っているとヴィッガーさん。
シュヴィーツ州在のシュミット和加乃さん( 42歳 ) は神奈川県に両親がいる。
「夫が母だけでも呼び寄せたらと言ってくれた。でも母が日本を離れるとは思わない。電話で話をしていてそれを感じる」
と言う。
さらに、こう続ける。
「母は、たとえ放射能を浴びて病気になったとしても、地元の人と互いにいたわりあって最期を日本で迎えるのだと思うし、わたしもそれでいいと思う。もし誰か呼び寄せるのだったら、20代の若い親戚を預かろうということになっている」
スイス人の温かい反応
スイス人の温かい反応には深く心を打たれたと3人は口を揃える。
「スイス人は日本人と似ていて、初めはそっとしておいてくれ、5日位たってから何人もの人が声を掛け、家族がスイスに来るなら家に泊ってくれと言ってくれた。この反応はうれしかった」
とヴィッガーさん。
「近所の人が、家族の安否を案じて声をかけてくれた。問題がないと分かると安堵し自分のことのように喜んでくれた」
とシュミットさん。
化粧品会社に勤める中村さんは、家族を呼び寄せたいというと旅行担当の男性が直ぐ5人分の切符を手配してくれ、そんなに親しくないのに自分の家でも泊まれると言ってくれた。
「でも結局、甥と姪の2人だけが来て、しかも学校が始まるので2週間後に日本に帰ると言うと、最低4カ月は滞在する『原発難民』だと思っていたらしく、がっかりしていた」
と話す。
日本人の穏やかさとメッセージ
スイス人はみんな、映像で見た日本人の穏やかさに、「こんな混乱のときにあの平静さは何なのか。素晴らしい国民だ」と感動した。
「初めは、国の指示にただ従うだけの国民だと半分ばかにしてこう言っているのではないかと疑ったが、本当に感嘆しているので、かえってびっくりした」
と中村さん。
「でも自分としては歯がゆい。不愉快なときはもっと発散させたほうがいい。悲しいならそれを表現してほしい。また怒りも、情報がないとか、もっと表に出すべきでは」
と続ける。
ヴィッガーさんは、停電で真っ暗なコンビニで、きちんと並びレジでお金を払っている日本人の映像を観たとき「無法地帯にならない日本」に感動。そして
「日本は世界に凄いメッセージを送ることになる。長崎、広島に次いで、この被害。しかも冷静なので説得力がある。メッセージとは原発を捨て再生可能エネルギーで成り立つ、バランスの取れた国に生まれ変わること。これを悲劇に終わらせず、180度転換して再出発してほしい」と願う。
そして自分なりの行動に
ヴィッガーさんは、3月11日以来深く落ち込んでいた。「遠くにいて何もできない無力感は人を疲れさせる。大病人に付き添っている感じ」
しかし、物事にすべて意味があるとしたら、今すぐにでも日本に帰りたい自分がここにとどまっていることにも何かの意味があると思えた。そのとき窓の外で鳥が鳴き、この平和さと日本とのギャップが整理できない自分もいた。そこで、
「体を動かして、空っぽになりたい。それをほかの人と共有したら何かよい考えを思いつくかも知れない。それにここの日本人が病気になってはならない」
と思い立った。
4月4日には、体を動かしみんなでリフレッシュするワークショップをベルンのダンス教室で開催し、被災者のための募金も募る。
【オーストラリア】
25Today オーストラリア
http://top.25today.com/
1位 飯舘村に避難勧告を=IAEA
2位 ディズニー、来月上旬にも再開=
3位 高橋らがチャリティー演技会=フ
4位 深刻危機に社長不在=「支障あり