今日も、日本を見つめる世界の目を紹介します。
【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html
中国の平和的発展は世界に資する
「中国の平和的発展は世界にプラスの影響をもたらす」と、ベルギー・ハッセルト大学マイクロエレクトロニクス研究センターのリュック・クラッソン教授は人民日報の取材に答えた。
クラッソン教授は「中国の平和的発展は注目すべき成果を上げた。中国はすでにかなり国際化されているが、中国およびその発展に対する欧米人の理解は深くない。欧米は『郷に入っては郷に従う』姿勢で中国を理解し、協力の機会を模索すべきだ」「私は訪中を重ねることで、中国で大学教育の水準が高まり続けており、科学研究人材が多いことを理解した。中国は経済、教育、科学技術分野で長足の進歩を遂げた。中国は世界においてその一挙手一投足が決定的な影響を及ぼす地位にある。これは平和的発展の必然的な結果だ」と述べた。
クラッソン教授は中国と欧州の文化・科学技術交流面への理解も深い。現在、ハッセルト大学は浙江大学と協力事業を行っており、クラッソン教授の愛弟子も今年半年間の中国研修に参加する。クラッソン教授によると両大学は博士課程の学生の交換留学の形で、主にマルチメディアやマルチスクリーン・モニタリングシステムの開発で協力している。両校に指導教授を持ち、卒業時には両校の博士学位を取得することができるため、両国の学生にとって大きな魅力だ。クラッソン教授は15年前に「電子ペン」を開発したが、残念なことに特許を買い取った企業は経営状態が思わしくなく倒産してしまった。クラッソン教授は現在中国のハイテク企業多数と協力しており、自らの研究成果が中国で産業化されることを望んでいる。
クラッソン教授は2000年に北京で世界コンピュータ大会に出席した際のことを思い起こし「中国の主催者の示した専門レベル、科学技術に対する中国政府の真剣な姿勢に、中国の科学技術の未来を見た。中国はコンピュータ、ソフト、チップの設計、教育やマネジメントへのコンピュータの応用など専門分野で大きな進歩を遂げた。ここ数年はIT産業も大きく発展し、現在中国はネットユーザーの数で世界トップだ」と述べた。
さらに「中国はITやマイクロエレクトロニクス技術の水準も高く、中国の大学の論文を米国の専門誌でよく目にする。これは中国の科学技術人材による世界への貢献だ」と指摘。「中国の友人から私は多くを学んだ。中国人は勤勉で、進んで仕事をし、その効率も高い。中国人は『家』と『和』を重視している。こうした民族は結束力がある」と述べた。
クラッソン教授は中国の発展に強い関心を寄せており、「今年は第12次五カ年計画の最初の年だ。中国政府は中国経済の持続可能な発展を立派に計画し、推進すると信じている。中国の平和発展路線は世界に資する」と述べた。(編集NA)
チャイナネット
http://japanese.china.org.cn/
韓国の若者:最大の敵は日本 中国は4位
昨年は朝鮮と韓国の間で緊迫が走った韓国哨戒艦「天安」沈没事件と延坪島砲撃事件が発生したにもかかわらず、韓国が行った最新の調査では、韓国の若者は日本を最大の敵と見なしていることがわかった。ちなみに朝鮮は2位、米国が3位だった。また多くの若者は朝鮮の「武力挑発」事件が再び起きた場合、韓国は強硬な態度を取るべきだとの見方を示した。25日付けの「環球時報」が伝えた。
韓国の有力紙・京郷新聞によると、韓国青少年未来リーダー聨合とテーィンゴラメディアが24日、全国400 余りの学校で中高生2500人を対象に行った「青少年の国家観・安保思想」に関するアンケート調査の結果を発表した。韓国の主な敵はという質問に対し、44.5%が日本だと答えたという。 この質問では朝鮮22.1%、米国19.9%、中国12.8%、ロシア0.6%の順だった。
韓国紙・東亜日報は、韓国の若者が日本に最も脅威を感じている理由は、日本が歴史を歪曲したり、独島(日本名・竹島)の領有権を主張していることに、若者の日本に対する見方が悪化したと解説した。
天安艦事件が勃発した理由を聞いたところ、朝鮮の「武力挑発」が63.5%、「わからない」が12%だった。3.8%は「船体が暗礁に衝突したから」と答えた。
再び朝鮮の武力挑発があった場合の韓国の対処法については、59.6%が「即刻軍事行動を含めた強硬な対応をとる」とした一方、27.7%は「穏やかな対応を取り、太陽政策を進める」、12.8%は「わからない」と答えた。
興味深いのは、多くの若者が開戦に強硬な態度を示した一方で、「韓国で戦争が起きた場合、あなたはどうする?」という質問に、58.8%が「海外に逃げる」と答え、「参戦或いは協力する」と答えたのはわずか19.5%だったことだ。「韓国に残る」という若者も21.6%に過ぎなかった。
大紀元http://www.epochtimes.jp/
中国の腐敗告発サイト、相次ぎ閉鎖 サイト管理当局の圧力か
インターネットユーザーの投稿により様々な内容の贈収賄の実態を暴露し、開設から10日間で20万アクセスに達した中国の民間人気サイト「我行賄了(www.ibribery.com)」が19日、閉鎖された。同サイトが立ち上がった9日から、僅か1週間余りでの出来事だった。腐敗告発サイトとして立ち上げられた同類のサイトも17日以降、相次いで閉鎖されている。
それぞれのサイトでは、さまざまな贈収賄に関する詳細が明らかにされていた。
その中には、車の免許証を不正に取得するため、あるいは交通違反の罰則や減点を免れるため警察官などに渡す300元(約3600円)程度の小額の賄賂から、村の書記(注、書記は行政部門ではなく中国共産党の役職だが、実質的な権力をもつ)を再選するために配る中程度の賄賂。さらには、官民結託のなかで行われる数百万元(約数千万円)規模の巨額の贈賄まで、それぞれの金額と手口も含めて明記されている。
また、自称重慶の某大学の大学院生である女性が、学位論文をパスさせるために、金銭の代わりとして、60歳の教授に性的行為を「賄賂」として贈った事例もあったという。
これらのサイトが閉鎖されるに至った背景について、「我行賄了」の設立者・陳泓氏は次のように指摘する。
「サイトの内容が国内の主要メディアに報道されると、その贈収賄の実態が多くの人の怒りを買った。そのためウェブサイトの監督管理当局が介入し、国内のネットユーザーは同サイトにアクセスすることができなくなった」
陳氏は、同サイトは人々が鬱憤を晴らすとともに、政府による腐敗防止の促進に役立つことを願って開設したものであり、決して政府の脅威になることは考えていないという。
一方、北京市検察院の関係者は、これらのサイトは「非合法」であると指摘した。
また北京の地元紙・京華時報は、北京市反汚職局・張京宏副局長のコメントとして「汚職撲滅のために民衆からの情報提供は欠かせないものではあるが、情報が事実でなければ名指しされた人にマイナスの影響をもたらしてしまう。ネット上に情報公開することはヤブヘビになりかねず、却って調査に困難をもたらす」と伝えている。
中国社会において腐敗の問題は以前から存在しており、民衆が不満をもつ第一の要因となっている。中国共産党は過去20数年にわたり、民衆の批判を回避するため、さまざまな方法で腐敗を一掃しようと試みてきたが、腐敗は減少するどころか増加する一方であった。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
東日本大地震後に変化した日本社会…まるで敗戦直後のよう
3月11日午後2時46分に東日本大地震が発生してから100日と1週間が過ぎた。 福島第1原発はまだ収拾の糸口を見いだせない‘進行形’だ。 しかし日本人の意識・行動にはすでに大きな変化が表れている。 大地震が社会統合の触媒剤として作用しているのだ。 一部では「明治維新後や第2次世界大戦敗戦直後に表れた変化の幅と似ている」という分析もある。 経済界の動きはもっと大きい。 生存のために世界最高の製造工場というプライドを捨てて、海外、特に韓国との協力を強く追求している。 これに関しソウルジャパンクラブの粟谷勉三菱コリア社長(59)は中央日報とのインタビューで、韓国との部品協力に対する強い希望を表した。
社会の変化は「3S」に要約される。
まずは「誠実(seriousness)」を尊重する若者の登場だ。 名づけて「3・11世代」。 先月、東京経済大学は新入生にアンケート調査を行った。 「価値観と生活が変わった」という回答が70.1%にのぼった。 同大学の関沢英彦教授は「先日、学生にアニメーションの方向について尋ねたところ、驚くことに予想もできなかった回答があった」と述べた。 「これまでアニメーションは平穏な日常を嫌悪し、極限に逃避する傾向が強かったが、今後はこうした傾向が減っていくだろう。 現実世界でこうした悲惨さを体験したからだ。 今後は建設的な人間像と希望を描写することになるだろう」。 日常に忠実で些細なことも大切に考える「誠実さ」が広まっている。
2つ目のキーワードは分け合い(share)または共同社会への寄与。 その間、日本の若者の思考は「個人主義」と「孤立化」だった。 1980-90年代初めの経済成長の果実を手にし、負の遺産ばかり残した「団塊世代」に対する反発だった。 社会との間に壁を作っていた。 これが変わった。 宮城・岩手県など災害地域にはボランティアの若者が集まった。 ボランティアの申請が殺到した。 東京工業大学の上田紀行教授(文化人類学)は「3・11世代の規範は‘社会に恥ずかしくない共存の生活’に変わっている」と述べた。
3つ目はソーシャルメディア(social media)の全面登場だ。 今回の災害でフェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアが威力を発揮した。 有・無線電話がつながらなかった当時、唯一の希望は「カカオトーク」と「ツイッター」だった。 ソーシャルメディアは情報収集や緊急連絡だけでなく、知人・家族間の絆を強める役割も果たした。 「3・11世代」と3Sの登場がすべてではない。 新しい現象が続々と登場している。
「地震で真っ先に電話をくれた彼氏に数日前プロポーズをした。 必要な時にそばにいてくれることを改めて感じた」(24際の女性)、「平凡な人でも早く再婚したい。 私と私の娘さえ守ってくれるなら…」(静岡県、38歳の女性)。日本の結婚相談サイトに書き込まれたコメントだ。 大地震をきっかけに結婚を希望する女性が大きく増えた。 結婚相談所「ノッツェ」に登録した会員は30%増え、「オーネット」では3-4月に結婚した会員が前年同期比で40%増えた。 消費不振の中、東京の高島屋では指輪の売上高が40%も増えた。 中央大学の山内昌博教授(家族社会学)は「経済的能力、学歴ではなく、必要な時にそばにいて頼れる配偶者を探す傾向が強まっている」と説明した。 インターネットコミュニティーサイト「デジタルブティック」によると、夫婦喧嘩が減り、話したこともなかった近所の住民とあいさつや言葉を交わすことが多くなったという。
たんすに現金を隠して財布を開かなかった日本人の金銭感覚も変わっている。 広告代行会社の電通が21日、全国1200人の会社員に「夏のボーナスをどこに使うか」と尋ねたところ、1位は「旅行」、3位は「豪華な外食」を選んだ。 「貯蓄」「デジタルテレビ」が多かった例年とは違った。 使うときは使い、必要ならお金を惜しまないという意識の変化だ。 日本外食産業協会によると、大地震後、家族単位の外食の回数と単価がともに30%増えた。
意識も前向きに変わっている。 ソニーのある幹部は「普段マンネリズムに陥っていた部下の職員が‘こういう時こそ自分が何かをしなければいけない’という気持ちを表すケースが増えた」と話した。 立教大学の教授で精神科医師の香山リカ氏はこれを「自己責任の再認識」と見ている。 信じていた政府が責任ある行動を取れないのを見た一般国民が「信じるのは自分」と自覚し、これが受動的・否定的な姿勢から前向き・肯定的な姿勢に変えたということだ。
【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/
【社説】繁栄ではなく窮乏への道―オバマ大統領の財政政策
オバマ米大統領は27日、民主・共和両党の幹部と会談する際、連邦債務上限問題について協議する。25日の週例ラジオ演説では「繁栄への道筋を単純に断つことはできない」と述べ、大幅な歳出削減には反対する新たな方針を示した。
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AP
カーネギーメロン大学で演説するオバマ米大統領(24日、米ペンシルバニア州)
レーガン元大統領はかつて繁栄への方策に税金を掛けることはできないと述べたが、オバマ大統領の今回のレトリックは、これの気の利いた言い換えだ。オバマ大統領が挙げている3分野である「教育」、「クリーンエネルギー」、「先端製造業」など、あまりに多くある有望な分野への歳出を削減し過ぎれば、経済は打撃を受けるという主張だ。
お気の毒だが、それは通用しない。予算削減だけで経済成長が確実に加速するわけではないのは自明の理だ。しかし現時点では歳出削減により、われわれは成長加速に近づくことができる。国内総生産(GDP)に占める歳出の比率が24%で公的債務は70%と、いずれも近代史上記録的な状況下にあり、米国は将来のスパイラル的な増税と負担しきれない利払いを回避するため、抜本的な歳出削減が必要である。ミルトン・フリードマンが説いたように、歳出は政府が民間経済に負わせる負担を測る真の尺度になる。政府歳出を削減すれば民間部門にとって支出・投資するリソースが残されることになる。
政府支出は、民間の手によるよりも生産性を高めることができるのであれば、ある程度の経済的有効性を持ち得ることも事実だ。しかし、メディケア(高齢者医療保険制度)や社会保障など給付金制度改革で協力することをオバマ大統領が拒んでいるため閉め出されることになるものが、正に大統領が言及している歳出優先分野であるということは皮肉なことだ。国防費以外のすべての連邦歳出を守ろうとすることにより、民主党は彼らが最も大切にしてきた計画の多くが絞り取られることを請け合う格好になっている。まさに、歳出に固執するあまり、われわれを窮乏に追い込む政策だ。
【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com
コラム:「辞任か、解散か」首相は決断の時、あいまいさが停滞招く
東日本大震災からまもなく4カ月。この間、迷走に次ぐ迷走を続けてきた政治の行き詰まりを打破するためには、菅直人首相の明確な政治決断が不可欠だ。
もし、政権を持続して達成したい目標があるなら、その政治目標を掲げて衆院を解散し、国民に信を問うべきだ。一定の法案成立後に辞任の意思を固めているのであれば、その方針を早く会見で国民に示すべきで、現在のようなあいまいなかたちでの政権運営は、外交政策の停滞だけでなく、震災復興を含めた内政の進展も阻む要因になる。「辞任か解散か」──。不透明なまま時間だけが経過していることが問題だ。
<岡田幹事長が辞任3条件を明示>
6月2日に菅首相は民主党の代議士会で、「私がやるべき一定の役割を果たせた段階で、若い世代のみなさんにいろいろな責任を引き継いでいきたい」と述べた。反菅グループの民主党衆院議員も、菅首相の辞任表明と受け止め、同日の衆院本会議で与党の反対多数のより菅内閣不信任案は否決された。ところが、それから3週間以上経過し、菅首相はいまだに辞任の時期を明確にせず、永田町には菅首相が「脱原発」を旗印に衆院を解散するのではないかとの思惑が浮上するまでに疑心暗鬼が広がっている。
民主党の岡田克也幹事長は26日、2011年度第2次補正予算案、特例公債法案の成立と再生エネルギー特別措置法の採決が実現すれば、菅首相は8月31日までの国会会期中であっても退陣するとの見解を表明。菅首相も同様の認識だと説明した。同時に脱原発解散に関しては「まともに取り上げる気になれない。考えられない」と述べ、その可能性を強く否定した。本来なら、与党の幹事長がここまで言い切れば、その方向で政治情勢が動くのが通例だ。しかし、今回については、一般国民ばかりか、事情通の政界関係者も菅首相の粘り腰を読み解くことができず、すんなりと首相辞任、民主党代表選へと進むのかどうか、いまだにはっきりしない。
<波紋広げる自民参院議員の一本釣り>
政局が不透明になっている大きな要因は、まず何よりも、首相発言のあいまいさだ。菅氏自身は退陣をにおわせながら、一度も明確に「辞任する」と言っておらず、そのメドも明確にしていない。そればかりか菅首相は27日、亀井静香・国民新党代表に副総理としての入閣を要請し、固辞されると首相特別補佐官に起用することを決め、政権基盤の強化にまい進しているように見える。法的枠組みでも、内閣不信任案の可決された場合に、衆院を解散しなければ総辞職すると日本国憲法に明記されているだけで、その他の解職規定はない。2日に不信任案は否決されたため、今国会中は菅首相が自ら辞任しない限り、首相の座から追い落とすことはできない。
さらに、新たな火種も出てきた。政府が自民党の浜田和幸参院議員を復興担当政務官として起用する方向で打診したことだ。共同通信によると、浜田氏は自民党幹部に離党の意向を表明。同党はこの「一本釣り人事」に激怒していると見られ、岡田幹事長が菅首相辞任の3条件の1つに挙げている特例公債法案の参院での可決・成立に赤信号が点灯しかねない事態になっている。もし、成立が困難になれば、2011年度予算の執行に支障が生じかねないだけでなく、菅首相が辞任するタイミングも失われる格好になる。
<決まらぬ外交日程>
一方、辞任表明したと海外から見られている菅首相が政権を維持している結果、外交面での停滞色が一気に表面化しつつある。例えば、交互に首脳が訪問することになっている日中間では、今年は日本側が中国を訪問する番だが、日本の首相が訪中する形での日中首脳会談の日程は固まっていない。韓国大統領の訪日による首脳会談の日程も未定のまま。9月にワシントンで日米首脳会談が予定されているものの、前国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のジェフリー・ベーダ―氏は共同通信との会見で、菅首相が退陣した場合には、首脳会談の予定は再調整される見通しであることを明らかにしている。
辞任を表明した首相の続投、という異常事態は、様々な方面に悪影響を及ぼしている。菅首相は辞任の腹を固めているなら、早急に会見を開いて辞任時期を明確にするべきだ。それが日本政府の最高責任者としての最低限の責務であると考える。しかし、どうしても政権運営を継続したいのであれば、「何をしたいのか」「いつまでに実現するのか」を明確にし、そのことを掲げて衆院を解散し、国民の信を問うべきだ。辞任を表明した首相が運営する政権には、実質的な正統性が失われている。そういう内閣がだらだらと継続するのは、国民の安全にとってもリスクが高い。
菅首相が辞任か解散を決断すれば、不透明感が和らぐ方向に動くと見て、マーケットも好感すると予想する。もし、27日中にも菅首相の会見が行われ、そこで8月中の辞任表明があれば、次期首相はだれかという点だけでなく、第3次補正予算の規模や成立時期を織り込みに行こうとするだろう。仮に解散濃厚となっても、争点次第では株価や為替、金利が大きく反応する可能性がある。他方、今のあいまいな情勢が継続するようなら、日本の政治への関心度合いはさらに低下し、復興に絡んだ日本経済の復調への期待感もしぼむことになりかねない。菅首相のあいまいな居座りが、最も事態を悪化させることになるだろう。
【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html
中国の平和的発展は世界に資する
「中国の平和的発展は世界にプラスの影響をもたらす」と、ベルギー・ハッセルト大学マイクロエレクトロニクス研究センターのリュック・クラッソン教授は人民日報の取材に答えた。
クラッソン教授は「中国の平和的発展は注目すべき成果を上げた。中国はすでにかなり国際化されているが、中国およびその発展に対する欧米人の理解は深くない。欧米は『郷に入っては郷に従う』姿勢で中国を理解し、協力の機会を模索すべきだ」「私は訪中を重ねることで、中国で大学教育の水準が高まり続けており、科学研究人材が多いことを理解した。中国は経済、教育、科学技術分野で長足の進歩を遂げた。中国は世界においてその一挙手一投足が決定的な影響を及ぼす地位にある。これは平和的発展の必然的な結果だ」と述べた。
クラッソン教授は中国と欧州の文化・科学技術交流面への理解も深い。現在、ハッセルト大学は浙江大学と協力事業を行っており、クラッソン教授の愛弟子も今年半年間の中国研修に参加する。クラッソン教授によると両大学は博士課程の学生の交換留学の形で、主にマルチメディアやマルチスクリーン・モニタリングシステムの開発で協力している。両校に指導教授を持ち、卒業時には両校の博士学位を取得することができるため、両国の学生にとって大きな魅力だ。クラッソン教授は15年前に「電子ペン」を開発したが、残念なことに特許を買い取った企業は経営状態が思わしくなく倒産してしまった。クラッソン教授は現在中国のハイテク企業多数と協力しており、自らの研究成果が中国で産業化されることを望んでいる。
クラッソン教授は2000年に北京で世界コンピュータ大会に出席した際のことを思い起こし「中国の主催者の示した専門レベル、科学技術に対する中国政府の真剣な姿勢に、中国の科学技術の未来を見た。中国はコンピュータ、ソフト、チップの設計、教育やマネジメントへのコンピュータの応用など専門分野で大きな進歩を遂げた。ここ数年はIT産業も大きく発展し、現在中国はネットユーザーの数で世界トップだ」と述べた。
さらに「中国はITやマイクロエレクトロニクス技術の水準も高く、中国の大学の論文を米国の専門誌でよく目にする。これは中国の科学技術人材による世界への貢献だ」と指摘。「中国の友人から私は多くを学んだ。中国人は勤勉で、進んで仕事をし、その効率も高い。中国人は『家』と『和』を重視している。こうした民族は結束力がある」と述べた。
クラッソン教授は中国の発展に強い関心を寄せており、「今年は第12次五カ年計画の最初の年だ。中国政府は中国経済の持続可能な発展を立派に計画し、推進すると信じている。中国の平和発展路線は世界に資する」と述べた。(編集NA)
チャイナネット
http://japanese.china.org.cn/
韓国の若者:最大の敵は日本 中国は4位
昨年は朝鮮と韓国の間で緊迫が走った韓国哨戒艦「天安」沈没事件と延坪島砲撃事件が発生したにもかかわらず、韓国が行った最新の調査では、韓国の若者は日本を最大の敵と見なしていることがわかった。ちなみに朝鮮は2位、米国が3位だった。また多くの若者は朝鮮の「武力挑発」事件が再び起きた場合、韓国は強硬な態度を取るべきだとの見方を示した。25日付けの「環球時報」が伝えた。
韓国の有力紙・京郷新聞によると、韓国青少年未来リーダー聨合とテーィンゴラメディアが24日、全国400 余りの学校で中高生2500人を対象に行った「青少年の国家観・安保思想」に関するアンケート調査の結果を発表した。韓国の主な敵はという質問に対し、44.5%が日本だと答えたという。 この質問では朝鮮22.1%、米国19.9%、中国12.8%、ロシア0.6%の順だった。
韓国紙・東亜日報は、韓国の若者が日本に最も脅威を感じている理由は、日本が歴史を歪曲したり、独島(日本名・竹島)の領有権を主張していることに、若者の日本に対する見方が悪化したと解説した。
天安艦事件が勃発した理由を聞いたところ、朝鮮の「武力挑発」が63.5%、「わからない」が12%だった。3.8%は「船体が暗礁に衝突したから」と答えた。
再び朝鮮の武力挑発があった場合の韓国の対処法については、59.6%が「即刻軍事行動を含めた強硬な対応をとる」とした一方、27.7%は「穏やかな対応を取り、太陽政策を進める」、12.8%は「わからない」と答えた。
興味深いのは、多くの若者が開戦に強硬な態度を示した一方で、「韓国で戦争が起きた場合、あなたはどうする?」という質問に、58.8%が「海外に逃げる」と答え、「参戦或いは協力する」と答えたのはわずか19.5%だったことだ。「韓国に残る」という若者も21.6%に過ぎなかった。
大紀元http://www.epochtimes.jp/
中国の腐敗告発サイト、相次ぎ閉鎖 サイト管理当局の圧力か
インターネットユーザーの投稿により様々な内容の贈収賄の実態を暴露し、開設から10日間で20万アクセスに達した中国の民間人気サイト「我行賄了(www.ibribery.com)」が19日、閉鎖された。同サイトが立ち上がった9日から、僅か1週間余りでの出来事だった。腐敗告発サイトとして立ち上げられた同類のサイトも17日以降、相次いで閉鎖されている。
それぞれのサイトでは、さまざまな贈収賄に関する詳細が明らかにされていた。
その中には、車の免許証を不正に取得するため、あるいは交通違反の罰則や減点を免れるため警察官などに渡す300元(約3600円)程度の小額の賄賂から、村の書記(注、書記は行政部門ではなく中国共産党の役職だが、実質的な権力をもつ)を再選するために配る中程度の賄賂。さらには、官民結託のなかで行われる数百万元(約数千万円)規模の巨額の贈賄まで、それぞれの金額と手口も含めて明記されている。
また、自称重慶の某大学の大学院生である女性が、学位論文をパスさせるために、金銭の代わりとして、60歳の教授に性的行為を「賄賂」として贈った事例もあったという。
これらのサイトが閉鎖されるに至った背景について、「我行賄了」の設立者・陳泓氏は次のように指摘する。
「サイトの内容が国内の主要メディアに報道されると、その贈収賄の実態が多くの人の怒りを買った。そのためウェブサイトの監督管理当局が介入し、国内のネットユーザーは同サイトにアクセスすることができなくなった」
陳氏は、同サイトは人々が鬱憤を晴らすとともに、政府による腐敗防止の促進に役立つことを願って開設したものであり、決して政府の脅威になることは考えていないという。
一方、北京市検察院の関係者は、これらのサイトは「非合法」であると指摘した。
また北京の地元紙・京華時報は、北京市反汚職局・張京宏副局長のコメントとして「汚職撲滅のために民衆からの情報提供は欠かせないものではあるが、情報が事実でなければ名指しされた人にマイナスの影響をもたらしてしまう。ネット上に情報公開することはヤブヘビになりかねず、却って調査に困難をもたらす」と伝えている。
中国社会において腐敗の問題は以前から存在しており、民衆が不満をもつ第一の要因となっている。中国共産党は過去20数年にわたり、民衆の批判を回避するため、さまざまな方法で腐敗を一掃しようと試みてきたが、腐敗は減少するどころか増加する一方であった。
【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
東日本大地震後に変化した日本社会…まるで敗戦直後のよう
3月11日午後2時46分に東日本大地震が発生してから100日と1週間が過ぎた。 福島第1原発はまだ収拾の糸口を見いだせない‘進行形’だ。 しかし日本人の意識・行動にはすでに大きな変化が表れている。 大地震が社会統合の触媒剤として作用しているのだ。 一部では「明治維新後や第2次世界大戦敗戦直後に表れた変化の幅と似ている」という分析もある。 経済界の動きはもっと大きい。 生存のために世界最高の製造工場というプライドを捨てて、海外、特に韓国との協力を強く追求している。 これに関しソウルジャパンクラブの粟谷勉三菱コリア社長(59)は中央日報とのインタビューで、韓国との部品協力に対する強い希望を表した。
社会の変化は「3S」に要約される。
まずは「誠実(seriousness)」を尊重する若者の登場だ。 名づけて「3・11世代」。 先月、東京経済大学は新入生にアンケート調査を行った。 「価値観と生活が変わった」という回答が70.1%にのぼった。 同大学の関沢英彦教授は「先日、学生にアニメーションの方向について尋ねたところ、驚くことに予想もできなかった回答があった」と述べた。 「これまでアニメーションは平穏な日常を嫌悪し、極限に逃避する傾向が強かったが、今後はこうした傾向が減っていくだろう。 現実世界でこうした悲惨さを体験したからだ。 今後は建設的な人間像と希望を描写することになるだろう」。 日常に忠実で些細なことも大切に考える「誠実さ」が広まっている。
2つ目のキーワードは分け合い(share)または共同社会への寄与。 その間、日本の若者の思考は「個人主義」と「孤立化」だった。 1980-90年代初めの経済成長の果実を手にし、負の遺産ばかり残した「団塊世代」に対する反発だった。 社会との間に壁を作っていた。 これが変わった。 宮城・岩手県など災害地域にはボランティアの若者が集まった。 ボランティアの申請が殺到した。 東京工業大学の上田紀行教授(文化人類学)は「3・11世代の規範は‘社会に恥ずかしくない共存の生活’に変わっている」と述べた。
3つ目はソーシャルメディア(social media)の全面登場だ。 今回の災害でフェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアが威力を発揮した。 有・無線電話がつながらなかった当時、唯一の希望は「カカオトーク」と「ツイッター」だった。 ソーシャルメディアは情報収集や緊急連絡だけでなく、知人・家族間の絆を強める役割も果たした。 「3・11世代」と3Sの登場がすべてではない。 新しい現象が続々と登場している。
「地震で真っ先に電話をくれた彼氏に数日前プロポーズをした。 必要な時にそばにいてくれることを改めて感じた」(24際の女性)、「平凡な人でも早く再婚したい。 私と私の娘さえ守ってくれるなら…」(静岡県、38歳の女性)。日本の結婚相談サイトに書き込まれたコメントだ。 大地震をきっかけに結婚を希望する女性が大きく増えた。 結婚相談所「ノッツェ」に登録した会員は30%増え、「オーネット」では3-4月に結婚した会員が前年同期比で40%増えた。 消費不振の中、東京の高島屋では指輪の売上高が40%も増えた。 中央大学の山内昌博教授(家族社会学)は「経済的能力、学歴ではなく、必要な時にそばにいて頼れる配偶者を探す傾向が強まっている」と説明した。 インターネットコミュニティーサイト「デジタルブティック」によると、夫婦喧嘩が減り、話したこともなかった近所の住民とあいさつや言葉を交わすことが多くなったという。
たんすに現金を隠して財布を開かなかった日本人の金銭感覚も変わっている。 広告代行会社の電通が21日、全国1200人の会社員に「夏のボーナスをどこに使うか」と尋ねたところ、1位は「旅行」、3位は「豪華な外食」を選んだ。 「貯蓄」「デジタルテレビ」が多かった例年とは違った。 使うときは使い、必要ならお金を惜しまないという意識の変化だ。 日本外食産業協会によると、大地震後、家族単位の外食の回数と単価がともに30%増えた。
意識も前向きに変わっている。 ソニーのある幹部は「普段マンネリズムに陥っていた部下の職員が‘こういう時こそ自分が何かをしなければいけない’という気持ちを表すケースが増えた」と話した。 立教大学の教授で精神科医師の香山リカ氏はこれを「自己責任の再認識」と見ている。 信じていた政府が責任ある行動を取れないのを見た一般国民が「信じるのは自分」と自覚し、これが受動的・否定的な姿勢から前向き・肯定的な姿勢に変えたということだ。
【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/
【社説】繁栄ではなく窮乏への道―オバマ大統領の財政政策
オバマ米大統領は27日、民主・共和両党の幹部と会談する際、連邦債務上限問題について協議する。25日の週例ラジオ演説では「繁栄への道筋を単純に断つことはできない」と述べ、大幅な歳出削減には反対する新たな方針を示した。
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AP
カーネギーメロン大学で演説するオバマ米大統領(24日、米ペンシルバニア州)
レーガン元大統領はかつて繁栄への方策に税金を掛けることはできないと述べたが、オバマ大統領の今回のレトリックは、これの気の利いた言い換えだ。オバマ大統領が挙げている3分野である「教育」、「クリーンエネルギー」、「先端製造業」など、あまりに多くある有望な分野への歳出を削減し過ぎれば、経済は打撃を受けるという主張だ。
お気の毒だが、それは通用しない。予算削減だけで経済成長が確実に加速するわけではないのは自明の理だ。しかし現時点では歳出削減により、われわれは成長加速に近づくことができる。国内総生産(GDP)に占める歳出の比率が24%で公的債務は70%と、いずれも近代史上記録的な状況下にあり、米国は将来のスパイラル的な増税と負担しきれない利払いを回避するため、抜本的な歳出削減が必要である。ミルトン・フリードマンが説いたように、歳出は政府が民間経済に負わせる負担を測る真の尺度になる。政府歳出を削減すれば民間部門にとって支出・投資するリソースが残されることになる。
政府支出は、民間の手によるよりも生産性を高めることができるのであれば、ある程度の経済的有効性を持ち得ることも事実だ。しかし、メディケア(高齢者医療保険制度)や社会保障など給付金制度改革で協力することをオバマ大統領が拒んでいるため閉め出されることになるものが、正に大統領が言及している歳出優先分野であるということは皮肉なことだ。国防費以外のすべての連邦歳出を守ろうとすることにより、民主党は彼らが最も大切にしてきた計画の多くが絞り取られることを請け合う格好になっている。まさに、歳出に固執するあまり、われわれを窮乏に追い込む政策だ。
【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com
コラム:「辞任か、解散か」首相は決断の時、あいまいさが停滞招く
東日本大震災からまもなく4カ月。この間、迷走に次ぐ迷走を続けてきた政治の行き詰まりを打破するためには、菅直人首相の明確な政治決断が不可欠だ。
もし、政権を持続して達成したい目標があるなら、その政治目標を掲げて衆院を解散し、国民に信を問うべきだ。一定の法案成立後に辞任の意思を固めているのであれば、その方針を早く会見で国民に示すべきで、現在のようなあいまいなかたちでの政権運営は、外交政策の停滞だけでなく、震災復興を含めた内政の進展も阻む要因になる。「辞任か解散か」──。不透明なまま時間だけが経過していることが問題だ。
<岡田幹事長が辞任3条件を明示>
6月2日に菅首相は民主党の代議士会で、「私がやるべき一定の役割を果たせた段階で、若い世代のみなさんにいろいろな責任を引き継いでいきたい」と述べた。反菅グループの民主党衆院議員も、菅首相の辞任表明と受け止め、同日の衆院本会議で与党の反対多数のより菅内閣不信任案は否決された。ところが、それから3週間以上経過し、菅首相はいまだに辞任の時期を明確にせず、永田町には菅首相が「脱原発」を旗印に衆院を解散するのではないかとの思惑が浮上するまでに疑心暗鬼が広がっている。
民主党の岡田克也幹事長は26日、2011年度第2次補正予算案、特例公債法案の成立と再生エネルギー特別措置法の採決が実現すれば、菅首相は8月31日までの国会会期中であっても退陣するとの見解を表明。菅首相も同様の認識だと説明した。同時に脱原発解散に関しては「まともに取り上げる気になれない。考えられない」と述べ、その可能性を強く否定した。本来なら、与党の幹事長がここまで言い切れば、その方向で政治情勢が動くのが通例だ。しかし、今回については、一般国民ばかりか、事情通の政界関係者も菅首相の粘り腰を読み解くことができず、すんなりと首相辞任、民主党代表選へと進むのかどうか、いまだにはっきりしない。
<波紋広げる自民参院議員の一本釣り>
政局が不透明になっている大きな要因は、まず何よりも、首相発言のあいまいさだ。菅氏自身は退陣をにおわせながら、一度も明確に「辞任する」と言っておらず、そのメドも明確にしていない。そればかりか菅首相は27日、亀井静香・国民新党代表に副総理としての入閣を要請し、固辞されると首相特別補佐官に起用することを決め、政権基盤の強化にまい進しているように見える。法的枠組みでも、内閣不信任案の可決された場合に、衆院を解散しなければ総辞職すると日本国憲法に明記されているだけで、その他の解職規定はない。2日に不信任案は否決されたため、今国会中は菅首相が自ら辞任しない限り、首相の座から追い落とすことはできない。
さらに、新たな火種も出てきた。政府が自民党の浜田和幸参院議員を復興担当政務官として起用する方向で打診したことだ。共同通信によると、浜田氏は自民党幹部に離党の意向を表明。同党はこの「一本釣り人事」に激怒していると見られ、岡田幹事長が菅首相辞任の3条件の1つに挙げている特例公債法案の参院での可決・成立に赤信号が点灯しかねない事態になっている。もし、成立が困難になれば、2011年度予算の執行に支障が生じかねないだけでなく、菅首相が辞任するタイミングも失われる格好になる。
<決まらぬ外交日程>
一方、辞任表明したと海外から見られている菅首相が政権を維持している結果、外交面での停滞色が一気に表面化しつつある。例えば、交互に首脳が訪問することになっている日中間では、今年は日本側が中国を訪問する番だが、日本の首相が訪中する形での日中首脳会談の日程は固まっていない。韓国大統領の訪日による首脳会談の日程も未定のまま。9月にワシントンで日米首脳会談が予定されているものの、前国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のジェフリー・ベーダ―氏は共同通信との会見で、菅首相が退陣した場合には、首脳会談の予定は再調整される見通しであることを明らかにしている。
辞任を表明した首相の続投、という異常事態は、様々な方面に悪影響を及ぼしている。菅首相は辞任の腹を固めているなら、早急に会見を開いて辞任時期を明確にするべきだ。それが日本政府の最高責任者としての最低限の責務であると考える。しかし、どうしても政権運営を継続したいのであれば、「何をしたいのか」「いつまでに実現するのか」を明確にし、そのことを掲げて衆院を解散し、国民の信を問うべきだ。辞任を表明した首相が運営する政権には、実質的な正統性が失われている。そういう内閣がだらだらと継続するのは、国民の安全にとってもリスクが高い。
菅首相が辞任か解散を決断すれば、不透明感が和らぐ方向に動くと見て、マーケットも好感すると予想する。もし、27日中にも菅首相の会見が行われ、そこで8月中の辞任表明があれば、次期首相はだれかという点だけでなく、第3次補正予算の規模や成立時期を織り込みに行こうとするだろう。仮に解散濃厚となっても、争点次第では株価や為替、金利が大きく反応する可能性がある。他方、今のあいまいな情勢が継続するようなら、日本の政治への関心度合いはさらに低下し、復興に絡んだ日本経済の復調への期待感もしぼむことになりかねない。菅首相のあいまいな居座りが、最も事態を悪化させることになるだろう。