ブルックナー:交響曲第0番ニ短調 WAB 100 (スコア付き)
アントン・ブルックナー: 交響曲ニ短調 WAB 100 (スコア付き) 作曲年代:1869年
指揮:エリアフ・インバル 管弦楽:フランクフルト放送交響楽団
00:00 第1楽章 Allegro (ニ短調) 15:11 第2楽章 Andante (変ロ長調) 28:03 第3楽章 Scherzo: Presto — Trio: Langsamer und ruhiger (ニ短調 — ト長調) 34:18 第4楽章 Moderato - Allegro vivace (ニ短調)
《交響曲ニ短調 WAB 100》は《交響曲第1番ハ短調》と《交響曲第2番ハ短調》の間に作曲された。ブルックナー自身が番号ををつけなかったため、『交響曲第0番』や、作曲者が晩年にこの曲の総譜に記した"∅"の文字やその他の書き込みに由来し、『ヌルテ (Nullte)』と呼ばれることがある。 ブルックナーは1869年にこの交響曲を完成させ初演を目論むが、出来栄えに自信を無くし、それ以降ブルックナーの生前には演奏されなかった。他の多くの交響曲は、完成後に改訂されたが、この交響曲は改訂されることなかった。最晩年に"∅"の記号や「全く通用しない (ganz nichtig) 」などと書き込まれたが、総譜やパート譜の散逸は免れた。初演は1924年5月17日に2楽章のみ、10月12日に全楽章が演奏された。 交響曲は調性からベートーヴェン《交響曲第9番ニ短調 作品125》との相似性が指摘されることがある。初期の作品でありながらも、ブルックナー独特の書法である「ブルックナー休止」や「ブルックナー・ユニゾン」が垣間見える。第4楽章は、終止直前でニ長調に転調して全曲を終える。