小学館 ウィーンフィル魅惑の名曲 vol.27」は、サー・ゲオルグ・ショルティ指揮 楽劇《ニーベルングの指輪》4部作 ~ハイライツ~
ショルティは、私の大好きな指揮者の一人です。
恥ずかしいことに、亡くなったことを知ったのはかなり後のことでした。
マザーテレサと同じ日になくなったので、報道が少なかったのです。
さて、ショルティは、ワーグナーの主要なオペラをすべて記録に残しました。
なかでも、史上初めて『リング』全曲盤を残したのもショルティです。
1958年の『ラインの黄金』に始まり、『ジークフリート』(1962年)、『神々のたそがれ』(1964年)、『ワルキューレ』(1965年)と、足かけ8年の歳月を費やして、デッカによってスタジオ制作されました。
完成発売後50年を経た現在でも、永遠の名盤と言われています。
プロデューサーは、筋金入りのワグネリアンでもあったジョン・カルショー。
当時40代だったゲオルグ・ショルティと、20世紀を代表するワーグナー歌手たちを結集させました。
ショルティの指揮を一言で言うなら、緻密でドラマティック。
一つの音符もおろそかにしないにもかかわらず、曲を大きくとらえる構成力。
虫の目と鳥の目の両方で、スコアを読み取っています。
また、ジョン・カルショーは、ワーグナーの指定した音響やト書きを細部まで再現している凝りようです。
楽譜に忠実なショルティと、よく似ています。
イギリスの雑誌が読者投票をもとに選出した20世紀の名盤ベストテンの第1位が、このショルティの ニーベルングの指輪だったそうです。
今回は、そのハイライトです。
本紙の内容です。
1 連載エッセイ
ウィーン・フィルをめぐる断章-岡田暁生
vol.27 ウィーン気質とマーラー改革
2 連載コラム
マエストロの横顔-諸石幸生
サー・ゲオルグ・ショルティ ワーグナー・ルネサンスの全曲録音
3 音楽エッセイ
ウィーン・フィル 音の小宇宙-木幡一誠
第8回 品格ある「響き」を生み出す秘密
4 基礎から学ぶクラシック講座
作曲家の肖像-ひの まどか
ワーグナー1
5 基礎から学ぶクラシック講座
曲の情景-ひの まどか
愛と権力の対立を描いた超大作
6 名曲をより楽しく聴くためのキーワード
指揮=サー・ゲオルグ・ショルティ
ジョージ・ロンドン(バス)/ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
ハンス・ホッター(バリトン)/ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)ほか
録音=1958年、62年、64年、65年