



●漢検四字熟語辞典にもある「絶巧棄利(ぜっこうきり)」: 巧みに作られた機械や道具など便利なものを捨て て、自然の生活に戻ること。・・・3級レベルの熟語という位置づけのようですが・・・。
●出典は、老子。
「聖を絶ち智を棄つれば民の利 百倍す 仁を絶ち義を棄つれば民、孝慈に復(かえ)る
巧を絶ち利を棄つれば 盗賊有ることなし 此の三者は、以て文 未だ足らずとなす
故に属する所有らしむ 素を見わし樸を抱き、私を少なくして欲を寡くす 」
(聖や智をなくすれば、(民は争うことがなくなって)民の利は百倍にもなるだろう。仁や義をなくすれば、(民は心をいつわることがなくなって)民は孝慈にたちもどるだろう。巧や技をなくすれば(民は欲望にくらまされることがなくなって)盗みをするものはいなくなるだろう。以上の3つのことだけでは言葉がまだ十分ではない。つまり、素樸をまもり私欲をなくすることである。)
●「巧を絶ち利を棄つれば」から、「絶巧棄利」の四字熟語ができたのなら、
「聖を絶ち智を棄つれば」 ➪ 「絶聖棄智」
「仁を絶ち義を棄つれば」 ➪ 「絶仁棄義」
と、あと2つの四字熟語もあるんじゃないかなあ? 漢検辞典には載ってませんね・・・(^^;)
(注)他の辞典などには載っているものもあります。
●蛇足ですが、この3つうちの最初の「絶聖棄智」を祖述したのが、荘子の中にあります・・・が、長くなるので割愛(^^;)。
*祖述:師・先人の説をうけついで学問を進め述べること(広辞苑)
👋👋👋