
●以前から公開している「故事成語類・実践問題(その1)~(その40)」の中から趣向を変えて、26-③対策用に案内します。
●上記記事を学習されている方には不要かもしれません。
●故事成語関連と派生している四字熟語および周辺知識等を再編成しているほか、若干の補足・追加等もする予定です。
●なお、いつものとおり、漢検の辞典・参考書・過去問題集や他の参考書・過去問題集などでに収録されているものは(若干混在するかもしれませんが)、基本的には載せないつもりなので、基本知識等はそちらで学習してください。

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●問題の後の末尾に解説・説明等も載せていますが、分かっている方は御覧頂く必要ありません。もう、あまり時間ありませんもんね(^^;)
<実践問題その1>
①「瓜を投げてタマ( 瓊 )を得る ➪ 「投瓜(得 瓊)」(とうかとくけい)
②「痴ならずロウ( 聾 )ならざればココウ(姑 公)と成らず。」「痴ならずロウ( 聾 )ならざれば、カオウ(家 翁)とならず」 ➪「不痴フロウ(不 聾)」
③「寧ろ蘭摧玉折を為すも、蕭敷ガイエイ(艾 栄)と作さず」 参考:「蘭摧玉折」⇔「蕭敷ガイエイ(艾 栄)」
*漢検・四字熟語辞典にも載ってます。 「蕭敷(ショウフ)」のほうも書けるように しておいたほうが・・・(^^)
④「マンゾウ(慢 蔵)は盗を誨え、 ヤヨウ(冶 容)は淫を誨う」・・「誨盗誨淫」「誨淫誨盗」「マンゾウ(慢 蔵)誨盗」「ヤヨウ(冶 容)誨淫」
⑤「威儀タンショウ(端 詳) にして、容服光整たり・・・ 」 ➪ 「威儀タンショウ(端 詳)」
⑥「もし七賢に遭わば、必ず自ずから ヒ( 臂 ) を把って林に入らん・・・」 ➪ 「ハヒ(把臂 )入林」
⑦「カイジ(絵 事)は素を後にす」 ➪ 「カイジ(絵 事)後素」
⑧「ショウコウ(葉 公)之竜」 (注)名を好んで実を好まないたとえ。見せかけだけで人の歓心を買おうとする輩を揶揄する話。
⑨「ヒゼン(斐 然)として章を成す。」 ➪ 「ヒゼン(斐 然)成章」
⑩「鳶、フソ(腐 鼠)を掴んで鳳凰を恐る」 ➪ 「フソ(腐 鼠)之嚇」

<解説・説明>
①古代中国で、女が男に瓜を投げて求愛のしるしとし、男がその愛を受け容れるしるしに腰の佩玉を贈り返す風習があった。そうした男女の愛の交換をいう。(出典:詩経)
②嫁に対しては、何事につけても知ったかぶりせず、愚かな人間のように振る舞い、耳が聞こえても聞こえないふりをするところまで悟りきらないと、よい姑(しゅうとめ)にはなれないということ。「姑公(ここう)」は、姑。類似の故事成語「痴ならず聾ならざれば、家翁とならず」:唐の時代、郭曖(郭子儀の六男)の故事。妻は代宗の娘。四字熟語「不痴不聾」の逸話の登場人物。「二人がけんかした際、曖が『父親が天子だからと威張るな。俺の親父はいつでも天子になれた。天子など頼まれてもならないわい』と言ったことを、妻は怒って代宗に告げたが、代宗は取り合わなかった。郭子儀は郭曖を連れて代宗に処罰を願い出たが、「「痴ならず聾ならざれば、家翁とならず」と言うではないか。夫婦喧嘩などほうっておけ」ととがめなかった故事。
③(省 略)
④「慢蔵は盗を誨え、冶容は淫を誨う」:蔵の戸締りがいいかげんなのは、人に盗んでくれと言うようなものであり、なまめかしい容姿を見せるのは、人がみだらな心を起こすようにそそのかしているようなものであるということ。慢蔵:財産をしまっておく蔵の戸締りがいい加減なこと。冶容:なまめかしい容姿のこと。
<蛇足>「漫」と「慢」:漫罵(まんば):やたらにののしること。 慢罵(まんば):あなどりののしること。
⑤立居振舞がきちんとゆきとどいていること。端詳:①姿や態度がきちんとしていて、礼儀・作法にかなっていること。②こまかく、くわしく調べること。③ながめすかしつ品定めする。→ここでは①の意味。
⑥世説新語からの故事:「親しい者といっしょに俗世間からはなれてすむ」意。
⑦絵の描き方。さまざまな色を塗った後、最後に白粉を用いて色彩を鮮明にするように、人間もさまざまな教養を積んだ後に礼を学べば教養も引き立ち人格が完成する・・・。
⑧楚の国の重臣である葉公(ショウコウ)はとても竜が好きだった。家の中の梁や柱には竜の彫刻が施され、客間や食堂などあらゆる所に竜の絵が張られ、特に寝室の壁には全面に竜の絵が描いてあり、「竜御殿」さながらだった。天上にいる本物の竜がこの話を聞きつけ天から降りてきて、葉公の家の窓から首を突っ込み、長い尾を客間から垂らして挨拶した。すると、あれほど竜が好きだった葉公は驚きあわて土気色の顔をして命からがら逃げ出した。要するに、葉公が好きだったのは本物の竜ではなく、竜の絵や彫刻だったのだ。この話は「名を好んで実を好まない」の喩えで、見せ掛けだけで人の歓心を買おうとする輩を揶揄する話。
⑨斐:あや、あやのあるさま。 縦糸と横糸で織りだした美しい模様。斐然(ひぜん):あや模様があって美しいさま。
孔子が「帰ろう!帰ろう!故郷の若者達は、志は大きいが粗削り過ぎる。まるで美しい錦を織り上げていながら、これを裁断して衣服に仕立てる方法を知らずにいるようだ。魯に帰って我が道を伝えることにしよう」と旅先で言った故事から。前段だけを取り上げて「斐然成章」(斐然として章を成す:才徳あることを称する言葉)という熟語となった。
⑩「腐鼠」は、くさったネズミ。転じて、つまらないものにもいう。「嚇」は、拒み、怒って発する声。腐ったネズミを手に入れた鳶(参考書では「フクロウ」の事となっているが、その読みは今はない。)が頭上を飛んで行く鳳凰が自分の獲物を奪い取るのではないかとあげる威嚇の声。いやしい者が尊い者を自分と同列に考えて、自分が大切にしている、つまらない物を取られるのではないかと恐れること。転じて、いやしい考えの者が他をおしはかること。
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