FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

「なぎさホテル」の感想文

2017-01-06 11:10:33 | 日記
人の死は生きている者のためにある。

やっぱり大物女優との死別とかかそういうよりも違う運命めいたものが浮き出してくる。

この本がエッセイなのか創作なのかはどちらでもいい。

ひとりの男の喪失と再生の物語なのだから。

でもこの作家のものには救われている気がする。

離婚した時や長年の友人との絶交状態の時やなにか節目節目に本屋で見つけることになる。

共感できるのだ。

なにもかも捨ててというか失って、依るべきものも無い中で、ひとり生きていかざるを得ない現状。

自分をとことん追いつめて痛めつけてそれに輪をかけるように酒を飲む。まあヤケ酒なんだけど。

何年も堂々巡りをする。

焦燥と怒りと絶望にもがき苦しむ。

凡人の私にはここまでの境地はいけないが…

こんな荒れた人間にとってもいい人々が寄り添ってくれるなんて。

よっぽど魅力的な男なんだろうね。

私が同じことやったら社会のつまはじきになるのは間違いない。

再生のカギは人だな。

どんな人と出逢えるかで歳月を経て変わっていく。

今まで生きて得たもの家族も何もかも全て捨てさってしまうその先に何が待ち受けているのだろう。

これは怖いことだが一皮むける作業には欠かせない過程だと思う。

でもこれがなかなか出来ない。だからいつまでもダメなんだろうな…

しかしこの本読んでいて、男の強さとか弱さっていったいなんだろうと自問自答の連続だった。


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