FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

今さら「ヒメアノール」観ました…

2017-02-28 10:11:05 | 日記
アカデミー賞再放送をWOWOWで観終わってから「ヒメアノール」やるっていうのでそのまま続いて。

吉田恵輔監督。主演 森田剛。濱田岳。ムロツヨシ。大竹まこと。


観終わった直後の感想。

「なんで封切のときに劇場で観なかったのだぁ~!不覚にも前評判は聞いていたのに!」

ノーマークだった。

甘かった(-_-;)


この映画の何が凄いのかといこと。

1.肝は日常生活描写の「静」と殺人シーンの「動」のコントラストとリズムだ。

2.物語が始まってしばらくしてからのやっと「タイトル」だ。この出し方で登場人物らと日常生活の「ズレ」が不穏な雰囲気で宣言された。

3.キャラクター造形。

「殺人鬼とイイモノ」の対比の拒絶。

殺される側の「善良なる一般市民」はここには一人もいない。

主人公も彼女もみんな何かしらの「脛に傷」持ちの人間だ。

やられる側が「清廉潔白人間」で定めない。

肝である、殺人シーン…これはどこが凄くて素晴らしいのかを書くのをためらってしまう。
それくらい書くのも憚るくらい良く撮れてる場面だ。

絶賛されている殺人鬼役の、森田剛。

監督は森田の狂気と色気と繊細さの見極めを知っている感じだ。

そしてなにより天性の素質とV6で鍛えられたあのバネだ。

出刃包丁をつかんでリビングを行ったり来たりピョンピョン跳ねながら刺し殺そうとするところは

恐怖のを突き抜けて笑ってしまう境地にまでいかせたている。

ムロツヨシの外見は完全にあの「宮崎勤」だ。

恐怖と笑いは紙一重。

これを上手く出したかったのだろうか。よく出ていると思う。

脛に傷あり、みんな欠点を持っていきているというのは全然好感が持てない主人公を見ても成功している。

壮絶な虐めと親友の裏切りによって壊れてしまい殺人鬼になった過程を見せつけられる。

みんながこういうモンスターを生ませてしまったんだぞという訴えが聞こえる。




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