なんて気取った言い方しなくて良いんだ
子供のころ本当に酒飲んで酔っ払って帰ってくる親父が大嫌いだった
夜中終電ギリギリで帰ってきて
大騒ぎして帰宅
寝ている俺を起こす何やら力こめて喋っているがベロンベロン
何言っているか分かんないんですけど
ギュッと抱きしめる
臭いし気持ち悪い普通に気が狂っているオジサンとしか見えない
こんなのが二日に一回か
素面の時は厳しいジジイだ「男とは~」とか「こうあるべきだ~」とか
説教臭くてとっつきにくい
おとうさん大好き!とか子供のくせに顔色伺って忖度発言していたが
大嫌いだった
中高は仕方ないが大学に受かった瞬間家を出た
アパート借りて念願の独り暮らしだ
酒も飲まなかった飲めなかった
大学では体育会バリバリだったのでよく池袋の養老の瀧だった
先輩からはパワハラバリバリに一気っ!の連チャンだった
でもそれ以外は一滴も飲まない
・・・・・・・・なのに
それなのに
四十手前からダムが崩壊するように飲み始めた
酔いたいのだ
酔い潰れたいのだ
だからノンアルコールビールなんて飲まない
ビールの味は欲しくない
味じゃない酔いだ
やっぱり血は争えないのか
タバコもギャンブルもいらない
酒場は外せなくなった
血は争えない
血族は争う 歴史の証明するところ―実感
憎みながらも結束の呪縛
四十五十と飲み続けて出禁の店もあって
懲りずにやり続ける
愚かとは何だろう
こうなったらこういう事になるぞと分かっていながら
やってしまうこと
その先は見えているのに行動を止めない奴が禺者だ
禺者よ汝の名は我なり