駅前の踏切の音が聞こえる。
有り余る精気を持て余して酒の力を借りて大声をあげながら団体で歩いている
若者たちの歩く音。
悲鳴。叫び声。タクシーのクラクション。
改造車の爆音。
道路工事のマンホールをひっくり返す音。
夜空に吸い込まれて消えていく。
事務所の窓を開け放ち下から聞こえてくるその音が夜空の向こうへ行くのが分かる。
分かりながら眠気がやってくる。
秋が来たらこのまま冬へなだれ込んでほしい。
一人きりで墓参りも行ってきた。
一人がいい。
早朝仏花を買ってワンカップ買って饅頭買って雨の中手を合わせた。誰にも言わない。
自分が分かっていればいい。
それがいい。