決して、不幸自慢をするつもりはない。
ただ、素直に過去を後悔しているだけ。
その時は自分が正しいと思っていた。
でも、間違いの連続だった。
自分が傷ついていると思っていたのに、人を傷つけているばかりだった。
ひとり安アパートの片隅で泣いていた。
その時に友がくれたカセットテープを再生していた。
シンプリーレッド。
余計に涙を誘う。
でも、それで良かった。
涙は枯れるまで流せばいい。
そんな、時代を生きていた。
そして30年以上の月日が過ぎた。
取り戻せない月日が。
それでいい。
思いは胸の中にある。
だから、いい。
この暖かい、冬の夜をひとり過ごそう。
眠れぬ夜もたまにはいい。