フラフラになりながらもいい景色だなァと思ったらケータイにおさめることにしている。
嵐の前の静けさを孕んだ明け方。
外で寝ていた。
半分気を失ったといってもいいだろう。
40代後半をとっくに過ぎたいい大人がやって良いことではない。
どうした。
なにを迷っている。
みずから迷宮に入り込んでいる。
愚か者と笑いたければ笑え。
愚かでもカッコ悪くは生きたくない。
イイ歳したオッサンがなにしてる、と言われそうな生き方がしたいわけでもない。
ただ模索している、それだけ。
一人の男が右往左往していても宇宙は関係なく膨張している。
地球はお構いなしに回っている。
静かな朝の空を見つめているとそんなこと教えてくれている気がする。
部屋のカギを仕事場に忘れたのでフラフラつまずきながら引き返す。