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日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

中国の「防空識別圏」設定の危険なやり方について

2013-11-29 09:51:56 | 日記

★ 「防空識別圏」とは領空侵犯に備えて、情報収集を行う空域のことで、これは国際ルールに基づくものでは無く、各国が領空の外に設定するものです。(なお、領空とは領土と領海の上空であり、公海上は領空ではない) 

日本も設定しており、外国の軍用機などが領空侵犯する恐れがあるコースを飛行して来ると自衛隊機がスクランブル発進して、警告したりします。

事前に民間機などの飛行予定を把握して、警戒を要するものか区別できるようにしています。

ただし、外国の民間航空機に何らかの義務を課してはいません。

★ しかし、中国政府・国防省は今度、尖閣諸島上空を含めた広い範囲の「防空識別圏」を発表した上、「ここを通る航空機は事前に飛行計画を提出しなければならない。 そして中国国防省の定める規則に従わねばならない」「従わなければ武力による緊急処置を取る」と言いました。 

ということは「公海上でも」中国の定めた「防空識別圏」に入るならば、その航空機は「中国国防省の定める規則に従わねばならない」「ということになります。

これは「公海上の飛行の自由」を侵害するもので、国際的に通用せず、全く認められません。

これについては日本のみならず、米国や韓国も強く反発しています。

また、この中国の「防空識別圏」は日本の「防空識別圏」と大きく重なっていて、尖閣諸島を広く含み、中国の領土であるとして設定されていることが大きな問題で、まったく認められません。

この上空で両国の戦闘機などが警告し合い、「相手が警告に従わないから・・・」とエスカレートすれば・・・大変危険です。

★日本政府は中国の言い分は不当・不法だとして一切無視し、従来通り米軍機も自衛隊機も海上保安庁の航空機も民間の旅客機も飛び続けることになるでしょう。

それに対し、当初は何もしませんでしたが、その後中国軍戦闘機がスクランブル発進をし始めたようです。

こうした中国に対抗して日本も国防費を増やし、国防体制を強化していく動きが加速するでしょう。

★それにしても・・・

「中国の強硬派と日本の強硬派が互いに刺激し合い、相手国を敵視した言動を続けながら政権と軍等と自国民への浸透を図って増殖して行く」・・・

・・・あたかも両国の強硬派同士が助け合うかのように・・・

と言うのは 平和を願う両国の大勢の人々にとっては何とも苦々しい進行です。

★最も良い方法は、”日本の尖閣領有が正当であり、中国政府の言う「日清戦争で日本が中国から掠め取った」と言う主張はウソである”という事実を中国国民に広く伝えられる方策を取ることです。

そのためには、日本政府が「両国政府の主張とその根拠・論拠を両国民にしっかり伝えることを条件に、あえて領土交渉を受けて立つ」方が有利なのですが・・・

日本が「領土問題は存在しない」という次元で突っ張れば、中国政府は「領土問題があるぞ!」と国際的に示すため騒ぎを起こすだけで「第一段階の勝ち」となるのです。

だから余計に強硬に出て騒ぎを起こす動きを強めるわけです。