★「民主社会主義者」を自称し、「格差是正」「富裕層増税」を訴えるサンダース候補が善戦中
(米国民主党の大統領予備選で)
3月26日には西部ワシントン州、アラスカ州、ハワイ州で圧勝!
指名獲得に必要な代議員数ではクリントン氏がリードを維持し優位は変わらないが、サンダース氏は3月22日に別の3州のうち2州を制したばかりで、若者などの間で依然根強い人気を示しました。
アラスカ州では約8割、ワシントン、ハワイ両州ではそれぞれ約7割を得票。サンダース氏は26日、中西部ウィスコンシン州で演説し「私が指名を得られないとか、本選で勝てない・・・とは誰にも言わせない」と述べました。
党有力者らで構成する特別代議員を含めクリントン氏は1712人、サンダース氏は1004人を得ています。
「皆さん、0.1%の人がその他の90%の人を上回る富を所有しているのは公正ではありません。
経営者が労働者の500倍を超える報酬を得ているのは公正ではありません。
この国最大の金持ち20人が、この国の底辺半分の人々の合計より大きな富を持っているのは公正ではありません。
そこにもっと課税し、大企業の租税回避地(タックスヘイブン)を経由する課税逃れの取り締まりを強化すれば財源は生まれる。
その税金でもっと公正な社会を作りましょう!
国民総保険、公立大学の無償化、戦争のない社会を実現しようじゃありませんか!」
社会正義や公正さ、環境保護、そして反戦。
政治は弱い立場の人のためにあるとの主張に孫のような世代の若者たちが熱狂し、大学生の85%はサンダース支持とも言われます。
サンダースはナチスに家族を殺されたポーランド系ユダヤ人移民の子です。
学生時代はベトナム反戦運動の闘士であり、2002年のイラク戦争に反対した数少ない議員のひとりでもあります。
こんな一貫した筋金入りの姿勢が多くの若者、労働者、またインテリ層の共感を呼び起こし、これまで政治に関心のなかった人々、政治に絶望していた人々を含め広がっており、「サンダース現象」と呼ばれています。
アメリカ人の価値観に大きな影響を与え始めています。
たとえ今回は大統領になれなくても、ヒラリー氏の政策に大きな影響を与えるでしょうし、同様の考え方の若い議員が次々当選するようになってくるでしょう。