★富山化学のアビガン錠のエボラ熱臨床試験が「多剤併用型」に拡大へ
2015年6月7日、フランス国立保健医療研究所の研究員が東京で開かれた公開シンポジウムで講演し、臨床試験の進捗状況を説明。
これまでギニアで患者120人超に投与したことを報告し、「強力な有効性を示すデータが期待できる」と述べました。
アビガン錠の単独投与と言う第1段階の最終結果については「2カ月以内に公表したい」と話しました。
また、他の薬剤との併用についても検討を進めるそうです。
富山化学工業の古田副部長は、アビガンの特長やウイルスの増殖を抑える作用メカニズムについて説明。
インフレエンザやエボラなど各種の「RANウイルス」に作用を示したことに触れ、「パンデミック(世界的大流行)を起こすようなウイルスの治療薬として、世界の医療に貢献できると信じている」と強調しました。
・・・・これまでの中間報告・・・・
フランス国立保健医療研究所がギニアでの臨床試験の中間解析結果を2015年2月24日に発表
富山化学工業(富士フィルムグループ)が開発したインフル等のウイルスの増殖を阻害する治療薬=アビガン錠を投与した80人の解析結果。
投与治療開始時、体内のエボラウイルスが中程度からやや高い患者に対しては、栄養や水分を与える基礎治療に比べ、致死率は30%から15%に半減した。
一方、ウイルス量が非常に高い重症患者には、高い致死率を下げられなかった。
高容量で10日投与されたが、副作用は見られなかった。
・・・アビガン錠はウイルスを殺す薬ではなく、増殖を阻害する薬なので、ウイルスが増えすぎた後では遅すぎる・・・と考えられます。
したがって、早期投与がとりわけ重要と考えられます。
早期量産可能な飲み薬なので承認薬となれば多くの患者への早期投与は可能になるはず。
また厚労省の専門家会議で日本国内で患者が発生した場合は「アビガン」を臨床研究の枠組みで使用する方針を確認しました。