2013年05月01日青山繁晴 水曜アンカー
Youtube版が削除されましたので、再転載です。
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北方領土の2等分方式 首相「提案された事実ない」(朝日新聞) - goo ニュース
安倍晋三首相は1日、ロシアのプーチン大統領から北方領土の面積を半々に分け合う「2等分方式」を提案されたかを記者団に問われ、「そうした事実はない」と否定した。その上で「北方四島の帰属を解決して、平和条約を締結していく方針に変わりはない」と強調した。訪問先のサウジアラビアのジッダで語った。
日本政府関係者によると、プーチン大統領は安倍首相との会談の中で「2等分方式」で解決した中国やノルウェーとの領土問題の事例に言及したという。
これは日本政府の作戦負けですね。
以前プーチンは「引き分け」という言葉を使って
暗にお互い譲歩しようと提案していました。
それをご丁寧にも日本政府は特使まで出して
「引き分け」の真意を確かめに行かせました。
もうここで、ロシアペースになってしまっています。
この時点で、ロシア側は「脈あり」の判断でしょうか。
メドベージェフの二度にわたる国後不法上陸は作戦なのか
ただの「目立ちたがり」だけかもわかりませんが
これで日本政府も日本国民も近い将来の返還は無理だと思いました。
だいたい、近年着々とロシア化が進められている北方領土。
長年ロシア人が住み、インフラ整備にも最近力を入れ
択捉島にはロシア防空軍基地まで整備されているといいます。
そして、メドの不法上陸ですからお先真っ暗でした。
それで今回のプーチンから中国やノルウェーの2等分方式の話です。
マスコミも日本国民の舞い上がりました。
もしかしたら、同行している政府関係者も。
少しは期待していたでしょうが、今までが歯舞色丹という面積で言うと
全体の7%の返還が、一挙に50%ですから、浮き足たちますよね。
この辺で手を打ってもいいのでは、という気持ちの人も多いでしょう。
だいたい外務省でさえ弱気です。
HPでは「帰属さえはっきりすれば返還時期はいつでも良い」ととれる表現です。
勿論この日本の姿勢はロシア側も十分承知しているでしょう。
お互い痛み分けという事で面積2等分で決着がつくかもわかりませんね。
ただ、日本政府ももっと強気でいてたらと思いますね。
例えば、意外な事に日本共産党は北方領土は南樺太と、千島列島全てが
日本領土だと主張しています。
これだと、お互い譲歩すると、4島返還になる可能性もあります。
昨日のテレビ報道で面積2等分返還受入れのムードの中、
4島最北端、択捉島蘂取村(しべとろむら)の元住民の方が
ご自分が住んでいた故郷が返還されない事について随分落胆されていました。
あのお姿を見ると、早々と面積2等分返還でも可とするような報道姿勢にも疑問があります。
しかし「引き分け」や「痛み分け」「お互い譲歩する」と言うのなら
面積2分割がベターな判断になるのかもわかりません。
ただ、元々日本領土を戦後のどさくさに紛れて不法占拠しているのはロシアです。
武力で奪い取ったのはロシアです。
それなのになぜ日本がロシアに譲歩しないといけないの?
と言う気持ちもあります。
じゃあ、どっちやねん?!
ということですが、本当に難しいところです。
正義を言い過ぎて、戻るものも戻らないのも困りますし
日本の領土をロシアに譲り渡すのも癪です。
それにシベリア抑留の問題もあるので余計癪に思います。
これも、安倍首相が仰るとおり、じっくりここは腰を据えて交渉すべきという事でしょうか。
とにかく色々と悩ましい問題です。